9月5日 袱紗をつける位置
ご機嫌よろしゅうございます。
今日は袱紗を腰につける位置について
お茶を点てる際、点法で使う袱紗を
腰につけますが、これを右につける流儀と
左につける流儀があります。
遠州流は右側です。その理由は
近衛家の待医師であった山科道安が、近衛予楽院の言行を
日記風に著わした「槐記」という
文献の中にこんな記述があります。
宗旦は生まれ付き左利きにてあり故に…
千宗旦は利休の孫にあたり、後にその子供達が表千家、
裏千家、、武者小路千家をつくっていきます。
つまり宗旦から広まった千家流では
袱紗を左につけているということのようです。
要するに利き手の違い。
右利きだった茶人は、当然右につけていたと考えられます。
その違いが今お流儀の点法の違いにつながっていく
のだとすると、面白いですね。
6月1日 水無月(みなづき)
ご機嫌よろしゅうございます。
今日から6月
今年も折り返しとなります。
旧暦でいう6月は梅雨も明け、暑さも厳しくなる時期
です。雨が降らないので「水が無い月」と言われたなど、
水無月という名前の由来には諸説あります。
6月に入ると、着物は単衣(ひとえ)と呼ばれる
裏地のない着物に衣替えします。
遠州流では袱紗の生地が絽に変わります。
こちらもお家元が毎年好まれて作られており、
腰につけるととても涼しげで、
お道具を清める手元まで、季節感を感じさせてくれます。
お茶会などでご覧になった方にもお声をかけていただきます。
綺麗さびの美意識ならではの
細やかな心配りです。
1月29日 火焔馬(かえんうま)
ご機嫌よろしゅうございます。
本日は干支にちなんだ道具
香合「火焔馬」についてお話ししたいと思います。
香合はお香を入れておく道具で
安政二年(1855)に発表された「形物香合相撲」の番付表
東三段目十八位に位置しています。
これは相撲の番付表に倣って、
人気の香合を当てはめたものです。
利休時代には重視されていなかった香合ですが
江戸時代も後半になると、蓋置などの小物とともに
趣向をこらすようになり、このような番付が
道具商などによって作られたと言われています。
ちなみに江戸時代の相撲では横綱が存在しなかったため
大関が一番になっています。
頭に火を背負った飛馬が波上を走る図柄です。
毎年遠州流ではお家元が干支やお題にちなんだ図柄を考え、
袱紗(ふくさ)を作ります。
袱紗はお点法の時に、茶器や茶杓を清めていくもので
捌く時や腰につけておく時に
ちらっと見える図柄が、時や趣向にかなったものをみかけると
とても粋にうつります。
今年の袱紗はこの火焔馬をイメージして
デザインされたそうです。
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2/2 10:00上映後 小堀宗実家元が舞台挨拶を行います。
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上映時間 (1)10:00~ (2)11:50~ (1/31まで)
※2月1日以降は、10:00からの1回のみ。
映画 父は家元 公式ホームページ
遠州流茶道Facebookページ
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