4月25日(月)藤の花

2016-4-25 UP

4月25日(月)藤の花

ご機嫌よろしゅうございます。
桜が咲き、散っていく姿に人々が
目を奪われている頃、少しづつ少しづつ
己の花を咲かせる準備をしているのが「藤」です.
茶の湯では、その咲き始める一寸前の
藤の姿を切りとって「袋藤」として
床の間に飾り愛でます。

また、藤の花が咲き始め、風になびく様をたとえた
言葉に「藤波」があります。
遠州公が「藤波」を銘につけている茶道具が
いくつかあります。

瀬戸金華山窯茶入「藤波」
「かくてこそみまくほしけれ万代を
かけて忍べる藤波も花」
( 2014年 4月26日 メルマガ参照)
竹一重切花入
「ちはやぶるかもの社のふじ波は
かけてわするるときのなきかな」

たおやかに垂れるフジの花姿は、
華やかな中に気品を感じさせてくれます。

藤波(ふじなみ)

2014-4-26 UP

4月  26日  遠州公の愛した茶入「藤波(ふじなみ)」

ご機嫌よろしゅうございます。
本日は遠州蔵帳所載の茶入「藤浪」
をご紹介します。

この茶入の釉薬のかかった景色が
藤の花の垂れ下がるようすに見られることから

新古今集 春歌の

かくてこそ みまくほしけれ 万代(よろずよ)を
かけて忍べる 藤波の花

の歌から命銘したといわれています。
箱の裏には遠州公がこの歌をしたためた小色紙が
貼り付けられています。

挽家(ひきや)とよばれる茶入の入れ物に施された意匠は、
紫檀(したん)に藤の花が咲く模様を全面に彫り、
沈金を施していて大変珍しいものです。

藤の花は二季草(ふたきぐさ)の名もあるように
春から夏へ、ふたつの季節にまたがって咲き
和歌でも古今集等、春・夏の部ともにその名が見られる花です。