5月25日 (月) 五月雨(さみだれに)に…
星ひとつ 見つけたる夜のうれしさは
月にもまさる 五月雨のそら
ご機嫌よろしゅうございます。
そろそろ雨の多い季節がやってきます。
空を見上げても、ぐずついていることが多く、
なかなかすっきりとした夜空を見ることも
難しくなるのではないでしょうか。
先程の歌は遠州公が茶杓の銘につけた歌です。
節から切止へ降りていった左側に
小さな虫食いがあり、
遠州公はこの虫食いを星に見立てて
この歌銘をつけました。
曇りがちな梅雨の頃の夜空に、星を見つけた
ときの嬉しさ
茶杓の景色としてとても映える虫食いの竹を
見つけた喜びにかけてこの歌銘がつきました。
遠州公の茶杓は煤竹や、虫食いなどを景色にした
瀟洒なつくりのものが多く、見所が多いです。
1月16日 初削り
ご機嫌よろしゅうございます。
今日は初削りの茶杓についてご説明します。
遠州流では歌会始めの御題に因んで竹を選び、茶杓を削ってこれに歌銘をつけます。
歌銘は、和歌を道具の名前としたもので、遠州公は自ら指導して作らせた道具や、見出した道具にこの歌銘を好んで用いました。
今年お家元がお作りになった歌をご紹介致します。今年の御題「静」に因み世の中の流れは急に任すとも 茶の湯の心常に静かにITを始めとし、現代社会はあまりにも情報が氾濫し、めまぐるしい。そういう時であるからこそ、人と人とが心を交わせる茶の湯は大きな意義があり、そこでは常に心を平穏に保ち静かでありたいという想いを詠じたもの。この初削りも、そしてこれまで紹介してきましたことがらも、毎年その時々の創意工夫を加えられ、変わらず行われていきます。
福岡の点初めにいらっやる方は、是非ご自分の目でお確かめください。
古えの教えを大切にしつつ
新しい試みに果敢に挑戦していく
遠州流茶道の心を表す点初めです。
さて6日間続いた東京での点初めも無事終わりそして新年の始まりです。
本年も素晴らしい一年間となりますように。
【告知】
遠州流茶道ドキュメンタリー映画「父は家元」
公式ホームページ
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