11月 4日 (水)遠州流茶道の点法
「茶壺について」
ご機嫌よろしゅうございます。
11月を迎え、茶壺に入った抹茶を取り出す
口切の季節となりました。
通常のお点法から少し離れて、
今日はこの口切で使用する茶壺についての
お話をしたいと思います。
口切の茶事で、躙り口に茶壺が置かれた場合、
その茶壺を床の間に持って行って飾っておきます。
そしてお茶壺拝見となった際には水屋で茶壺に
掛けられた紐を外し、茶壺だけを持っていって
皆さんにまわします。
この際、お客は手の熱が中に伝わらないよう、
掌を茶壺につけないように、指を広げて持つ
ようにします。
また遠州流茶道では、お客様の前で茶壺の封は
開けないということは昨年お話しました。
茶壺は古くから茶道具の第一として大変重要視され
ましたが、徐々に茶入にその座を奪われていきます。
壺飾りをしたのも利休の頃くらいまでで、
遠州公も初めの口切の時だけ壺を飾ったようで、
その他に壺に触れる茶会記は見つかりません。
また本来茶壺は、茶葉を保存しておくために
使用されるものなので、壺の中に空気が通る
ように釉薬がかかっていないものを使用します。
そのため呂宋、信楽、丹波などのようなものが使われ、
仁清などのように釉薬がかかり絵付けされたものは
飾りとしての茶壺ということになります
5月2日 八十八夜
ご機嫌よろしゅうございます。
今日は八十八夜です。
「夏も近づく八十八夜…」で始まる歌が頭に浮かびます。
八十八夜は立春から数えて八十八日目の日をさします。
八十八という字を組み合わせると「米」という字になる
ことから、農家では大切な日とされてきました。
この日を境に本格的な農事にとりかかります。
お茶どころでは茶摘みの最盛期となります。
お茶の葉は、一度でも霜に当たると駄目になってしまいます。
そのため昔は藁をひき、霜を防いだようです。
この八十八夜に摘まれ、
茶壺に詰められた碾茶を、十一月に取り出すのが
「口切(くちきり)」です。
この茶葉を詰めた茶壺は、茶道創生期においては、
茶道具の第一の道具でした。
今では想像しにくいことですが、茶入が茶壺に変わり人気があがるのは、
それよりも後のことになります。
2月16日 官兵衛(蓮華王茶壷)
ご機嫌よろしゅうございます。
今日は大河ドラマ「軍師官兵衛」です。
1月19日には官兵衛が
有岡城に幽閉されたお話しをご紹介しました。
その際織田信長は、
説得に行ったまま戻らない官兵衛が裏切ったと疑い、
竹中半兵衛に官兵衛の人質である
息子・松寿丸の殺害を命じます。
竹中半兵衛は官兵衛と共に
「両兵衛」と称され、
秀吉の軍師として活躍した人物です。
官兵衛の無実を信じた半兵衛は、
松寿丸を殺害したと嘘の報告をし、
密かに美濃の居城にかくまっていました。
有岡城から助け出され、謀反の疑いの解けた
官兵衛は自分の息子の命を救ってくれた
半兵衛に深く感謝しますが
半兵衛は官兵衛が幽閉されている間に
陣中で亡くなっています。
その後、竹中半兵衛の300回忌の際に、
黒田家に「蓮華王茶壷」が進呈されました。
これは豊臣秀吉から竹中半兵衛が拝領したという茶壷です。
時代を経てもなおつながる
半兵衛と官兵衛の絆です。
【告知】
○本日 テアトル新宿での映画「父は家元」の上映は
10時の一回のみです。
○福岡中洲大洋・横浜ニューテアトルにて映画 父は家元 期間を延長して上映中
上映時間
○福岡中洲
(1)10:15
(2)12:10
○横浜ニューテアトル
(1)11:00
○テアトル新宿
(1)10:00
(2)17:25
是非お越しください。
映画 父は家元 公式ホームページ