9月 14日 (月)鯖(さば)
ご機嫌よろしゅうございます。
二十四節気の白露も過ぎ、いよいよ
秋の気配の感じられる頃となってきました。
暑さで疲れのたまった体には、旬の野菜や魚を
いただくことで体に負担をかけず体力を
取り戻していくことができます。
鯖もこの時期美味しくなる食材の一つです。
今日は鯖に関係するお話をご紹介します。
「サバを読む」と昔から諺に使われますが、
この魚の鯖のことを指していることは
皆さんご存知でしょうか?
鯖は鮮度が落ちるのが早いため、水揚げされた鯖を
1匹、2匹と数えていてはせっかくの魚が腐ってしまいます。
そのため、大雑把に10匹、20匹とざっくり数える。
そこから数をいい加減に数える、ごまかすという
意味で使われるようになったのだとか。
そして今と違って冷蔵庫のない時代、
鮮度が落ちやすく、すぐ生臭くなってしまう鯖に
味噌で臭みを消して、濃い味付けで食べていたのが
おなじみの「鯖の味噌煮」の由来なのだそうです。
8月 31日 (月)撫子(なでしこ)
ご機嫌よろしゅうございます。
二十四節気の処暑を過ぎ、暦の上では
夏の暑さも収まり秋への準備が始まる頃です。
秋の七草にも数えられる「撫子」は、
茶花として風炉の時期に活躍する可憐な花です。
「撫でし子」の名の通り、愛らしく、撫でるように
してかわいがる子(女性)というところから
ついたとされています。
うるはしみ 我が思ふ君は なでしこが
花になそへて 見れど飽かぬかも
なでしこが 花見るごとに 娘子らが
笑まひのにほひ 思ほゆるかも
など万葉集には愛しい女性にその面影を重ねる歌が
多く詠まれています。
この撫子は、現在で言う河原撫子を指していました。
中国から渡来した唐撫子(石竹)に対して、
在来種を大和撫子と呼ぶのだそうです。
茶花でも、撫子だと思っていると
実は石竹だったということが時々あります。
しかしどちらも可憐で、夏の暑さを和らげ
秋の気配をさせてくれる可愛い花です。
9月 24日 秋の社日(しゃじつ)
ご機嫌よろしゅうございます。
今日は秋の「社日」にあたります。
「社日」とは、春分と秋分に最も近い戊(つちのえ)
の日に、大地の守護神をお祭りし収穫に感謝する日
とされています。
神様は春に山からやってきて、田畑の作物を
実らせ、秋の社日に帰っていくといわれているそうです。
この日は、神様の頭を掘ることになるので
土を耕すことは禁忌とされています。
もとは中国から入ってきた習慣のようですが、
日本の土地神様の信仰と融合して全国に広がり、
豊穣を祈願する節日になったといわれています。
作物を育てる方は、多くの手間と愛情を
注ぎ育てていく中、
目に見えない大きな力に助けられていることを
感じ、一年無事に収穫できることへの感謝を捧げます。
その大地の恵みをいただく私たちも、
育ててくださった方や、守ってくれた大地の神へ
感謝の気持ちを忘れずにいただきたいものです。