7月 9日 瓢箪(ひょうたん)
ご機嫌よろしゅうございます。
夏になると瓢箪がその実をつけ、愛嬌ある姿を見せてくれます。
瓢箪はユウガオの変種とされ
「ひさご」とも「ふくべ」とも呼ばれ、
初夏に白い花を咲かせ、実は昔から器などにして親しまれてきました。
縦に割り、水をすくったりもされたことから
柄杓も「ひさぐ」→「ひしゃく」となり
「ひさご」から由来する言葉ともいわれています。
4月 18日にご紹介しました、遠州公の好む形としても
代表的なもので、禅の教えに通づるものがあります。
小堀家歴代の印にも瓢箪の形が用いられているのも
この教えに由来するものと考えられます。
この瓢箪という字、実は「瓢」と「箪」別々のものであることを
ご存知でしょうか?
「箪」は竹で編んだ入れ物で、これにご飯を入れ器として使う
ものでした。
「瓢」には飲み物を。これがいつしか一つになり、
瓢箪という名称になったと考えられます。
「一瓢の飲 一箪の食」という言葉もあります。
4月19日 遠州公の愛した茶入 春慶瓢箪(しゅんけいびょうたん)
ご機嫌よろしゅうございます。 今日は遠州蔵帳所載「春慶瓢箪」についてお話します。
春慶とは、瀬戸窯の初代である加藤四郎左衛門 (藤四郎)が、晩年に春慶と称してから作ったものであると言われてる 茶入れの一群です。 この茶入は形そのままに、遠州公が命銘したものです。
瓢箪の形については 遠州公の好みの形で昨日ご紹介させていただきました。
お茶会ではおよそ七回使用されていて、第一回を除いて いづれもお正月に使われています。
瓢箪という形は縁起の良い形です。 また遠州公が好んだ意匠でもあり、 遠州公が関係する様々なところで、この瓢箪の形を目にします。
4月 18日 瓢箪(ひょうたん)
ご機嫌よろしゅうございます。
今日は遠州公の好んだ形「瓢箪」について。
12日にもご紹介しました
薩摩の窯に注文して焼かせた「甫十瓢箪」
と呼ばれる茶入をはじめ
遠州公は瓢箪の形をとても好みました。
これは禅の教えとも関係があります。
水に浮かべた瓢箪は上から押すと、
一度は沈みますが、手を離すと別の場所に
ぽこっと浮かんできます。
「至りたる人の心は
そっとも(少しも)ものにとどまらぬことなり
水の上の瓢を押すがごときなり」
相手の心に逆らうのではなく、素直に意に従い
しかも自分の心というものは決してまげないという
「瓢箪の教え」からくるもののようです。
茶道具の他に、文様や透かしにも瓢箪を
多く用いています。