11月 6日 口切(くちきり)
ご機嫌よろしゅうございます。
、
11月が茶の湯にとって大切な月である
ことの理由のもう一つが口切(くちきり)
にあります。
その年の八十八夜に摘まれた茶葉を詰めた
茶壷の口を切る時がいよいよやってきます。
他流派の口切の茶事ではお客様の前では
封印を手前から切り、壺の蓋を開け、向こう側に
落ちないように紙一枚のところで繋げて残す作法があるようですが、
武家である遠州流では、
その姿を嫌い、お客様の前では致しません。
この口切と炉開き
この二つの行事があって、11月は
一番正式な時期といわれているわけです。
11月 4日 炉開き
ご機嫌よろしゅうございます。
本日は遠州茶道宗家にて「炉開き」が
行われます。
五月から十月まで閉じられていた「炉」の中に
いよいよ火が入り、本格的な冬の到来です。
この「炉開き」は、茶の湯では
無事に一年を迎えられたことに感謝する
お正月のようなおめでたい行事です。
お家元が宗家道場の炉三箇所に炭点法をして
炉中に鰹節、塩、洗米を巻き、門人揃って
柏手を打ちます。
その後お神酒を全員に配り、頂くのが
遠州茶道宗家研修道場の炉開きです。
この日、門人の皆さんも、初めて行う炉の稽古に
意気込みを持っていらっしゃっていますし、
お家元の炭点法を目の前で拝見し、感動と興奮が
冷めぬままお稽古が始まりますので
道場の空気もいつもとは異なり
明るく華やいだ、しかし気持ちの引き締まるような
一日となります。
皆様ご機嫌よろしゅうございます
本日は遠州茶道宗家で炉開きが行われます。
《亥の子餅》
5日はいわゆる旧の「亥の子餅」「炉開き」の日です。
旧暦では10月3日にあたります。
古来の風習は西が中心でありました。
そのため、古来から行われていたこの風習の月日は、江戸開府以前の、関西の気候風土より定められたものであるといえます。
関東以北では、この日以前から既に寒くなっておりますので「亥の子餅」を食べ、この日に炉を開ける習慣は関東にはなく、一部の人々を除いて、一般的ではないと言えます。
ちなみにこの古来からの風習における「炉」とは、茶道における炉ではなく、炬燵や火鉢などのことを指します。
皆様ご機嫌よろしゅうございます。
本日はいよいよ近づいてきた炉開きについてお送り致します。
《季節の行事:炉開き》
炉開きとは、慣習として旧暦の10月に行われ、半年の炉の使用の無事を祈念して亭主が炭点法を行う儀式です。
遠州流では、床の間には瓶子に御酒を供え、三宝に土器(かわらけ)を置き、塩と洗米、鰹節を載せて用意します。
炉には下火だけ入れ、点法の際に、下火の周りに塩を撒いて清め、山の幸の代表として米、海の幸として鰹節を順次撒いて、かしわ手を打ち、皆で炉開きを祝うのです。
この炉開きの際に、初めてその年の新茶が入った茶壺の封紙が切られ、喫せられることになります。
昔の茶人は「一生に一度口切茶事に招かれれば本望である」とさえ言い、何よりも炉開き・口切をめでたいものとしていました。
10月の名残りの侘びた雰囲気から一転し、華やかなしつらえとなります。
掛物は格調の高い墨蹟、花入れは古銅や青磁などが好まれます。
しかし特にそれは決められたものではなく、道具の取り合わせによって自由に変更しても良いとされています。
ちなみに、炉開きを行う日は、旧暦の10月の亥の日であったり、庭に植えた定めた樹の葉の色が具合によってであったりなど、定まっていません。
しかし、いずれにせよ「無事」と、「祝い」を皆で祈る儀式には変わりはなく、茶道ではたいへん重要な日とされています。