10月 9日 (金)遠州公所縁の地を巡って

2015-10-9 UP

10月 9日 (金)遠州公所縁の地を巡って
「品川林中茶屋」

ご機嫌よろしゅうございます。

寛永十五年(1638)、家光が大徳寺百五十三世
澤庵宗彭のために東海寺を建立します。
この建物のうち、客殿と数寄屋、そして庭園の造営
を遠州公が手がけました。
その庭は後世江戸第一の庭と絶賛されるものとなりました。

この東海寺には遠州公にまつわるもうひとつの
エピソードがあります。
寛永二十年(1643)三月十四日、将軍家光が
東海寺に御成になりました。
池には丸い島が三つ浮かび、その内の一つの島には
丸石が置かれ、そこから小さい松が一尺ほど
出ていました。
この石に名をつけよとの家光の命。
澤庵が「天の羽衣」「無心草」とお答えしても
将軍の意にかないません。
そこで遠州公が「万年石」と一声あげました。
品川御殿にある杉の大木を、家光が「千年杉」と
名付けていたことを踏まえての名でした。
将軍は大変お喜びになり、自分の着ていた羽織を
遠州公に与えたといわれています。

遠州公が手がけた建物や庭
現在ではその姿を目にすることはできませんが、
遠州公が寺に寄贈した天目茶碗(9月16日にご紹介)
が今も寺宝として伝えられています。

朝顔市が始まります

2014-7-6 UP

7月6日 朝顔市が始まります

ご機嫌よろしゅうございます。

今日から三日間、下町入谷で毎年恒例の
朝顔市が始まります。

朝顔は牽牛花(けんぎゅうか)の別名があり
七夕の牽牛・淑女の、牽牛の花と書くことから
七夕の前後の三日間、開催されるようになりました。

例年、土日は人が行き来出来ないほどの賑わいをみせ
夏の風物詩にもなるお祭りですが、
入谷の名物となったのは明治に入ってからで、
十数件の植木屋が朝顔を造り、鑑賞させたのが
はじまりといわれています。
江戸時代末期から、花粉の交配によって様々な花を咲かせる
「変わり咲き」が大変流行し、
当時は一千種類もの朝顔があったといいます。

その後、一度姿を消した朝顔市ですが、
戦後地元の人々の協力によって、
現在の朝顔市が蘇りました。

今年の朝顔市に行かれましたら
是非ご感想をお聞かせください。

江戸っ子

2014-5-22 UP

5月 22日  江戸っ子

ご機嫌よろしゅうございます。
今日は江戸っ子についてお話をしたいと思います。

江戸に生まれ、江戸に暮らす
喧嘩っ早く、涙もろい、粋でいなせな性格
そんな人を江戸っ子と呼びました。

江戸っ子は五月の鯉の吹き流し

五月に空を泳ぐ鯉のぼり
そのお腹には初夏の爽やかな風が吹き抜けていきます。

口先ばかり  腸(はらわた)はなし

と続くこの言葉は
江戸っ子の気質を表す句として知られています。

江戸っ子は言葉づかいは荒いが,
腹に何もなく気持ちはさっぱりしているということ。
また,江戸っ子は口先ばかりで内容がない
という意味にも使われるそうです。

小説では夏目漱石の「坊ちゃん」
映画では「男はついらいよ」「一心太郎」などが
江戸っ子の主人公として描かれています。