天の原(あまのはら)の歌
2014-9-29 UP
9月 29日 天の原(あまのはら)の歌
天の原ふりさけ見れば春日なる
三笠の山に出でし月かも
ご機嫌よろしゅうございます。
冒頭の和歌は、阿倍仲麻呂が遣唐使として渡った先で、
夜空に光る月を眺め、故郷奈良の三笠山にでていた
名月を想い出し詠んだ歌です。
この歌は茶の湯においても大変重要な歌です。
床の間には中国高僧の墨跡を掛けるが主流
であった当時において、武野紹鴎はその歌意が
気宇壮大で、墨跡にも相当するとして、
初めて床の間に、掛けられたとされる和歌です。
秀吉も、和歌の掛け物を初めて拝見し、利休に
その理由を問うと、
この歌の心は月一つで、世界国土を兼ねて詠んだもので
あるので、大燈国師、虚堂祖師の心にも
劣らないものであるので
と、秀吉に言上したと言われています。