今来むと…
2014-9-22 UP
9月22日 今来むと…
今来むと言ひしばかりに長月の
有明(ありあけ)の月を待ち出(い)でつるかな
ご機嫌よろしゅうございます。
秋のお彼岸となり、暑い夏も
ようやく終わりが見えてくる頃でしょうか。
普段は慌ただしい毎日ですが
月を眺めてゆっくり過ごす心のゆとりも
忘れたくないですね。
冒頭の歌は「古今集」所載・素性法師の恋歌です。
「今すぐに参ります」とあなたが言ったから、
9月の夜長をひたすら眠らずに待っていると
有明の月が出てきてしまいました。
有明の月は夜明けに現れる月
長い秋の夜の明け方、空が白々と
明
けるまで待っていたのに あの人は現れなかった…と少々さみしげな歌ですが
LINEやメールで瞬時に返信が返ってくる現代では
考えられないおだやかな時の流れと
その間に膨らむ期待と不安が
とても新鮮に、映ります。