川越献茶式

2014-6-7 UP

6月7日 川越献茶式

ご機嫌よろしゅうございます。

今日は埼玉・川越にてお家元の献茶式が行われます。

また6月15日には、恒例となりました「茶あそび彩茶会」にて
妖怪茶会・甲冑をつけての茶会などユニークな茶会も
催されています。

川越は、関東最古の茶の産地です。
平安時代には既にこの地に伝わり
鎌倉時代には明恵上人が河越の地に茶を栽植したとされ、
鎌倉末期から室町時代に虎関師錬が著した「異制庭訓往来」
に全国の茶の産地の一つとして「武蔵河越の茶」
と記載されています。

江戸時代初期の川越城主だった酒井忠勝や堀田正盛、松平信綱は
遠州公との交流を通して、川越藩の茶業を活発にしていきます。
それ故川越藩と遠州流の関わりは大変深く、
市内の喜多院や蓮馨寺には遠州流の庭園が残されています。

献茶式にお越しの際は是非足をのばして
ご覧ください。

前押せ

2014-4-25 UP

4月25日 前押(まえおせ)

ご機嫌よろしゅうございます。

今日は遠州公の好みの形である前押について
お話ししたいと思います。

茶碗や水指などの道具に見られる意匠です。
正面に手で押したわずかなへこみを作り
アクセントとしています。ここが正面ですよと
お客様にわかっていただけるように
との心配りからついています。

遠州流では濃茶の後、数名のお客様に次々と
薄茶を点てる場合に重ね茶碗というものを使用します。
同じ出生(窯)のもので、天目型の成りに
正面をわずかにへこませた前押の形
のものを大小重ねて使用する茶碗です。

遠州公は当初三島茶碗などの平茶碗をお客様の人数分重ねて
点法したようですが、
それを国焼きに改めて考案しました。

切形(きりがた)と呼ばれる型紙をもとに
遠州公の作為による前押茶碗を、八世宗中公が作らせた
高取の重ね茶碗も今に伝わっています。

この重茶碗というお点法は、
遠州流特有のお点法です。

瓢箪(ひょうたん)

2014-4-18 UP

4月 18日  瓢箪(ひょうたん)

ご機嫌よろしゅうございます。

今日は遠州公の好んだ形「瓢箪」について。

12日にもご紹介しました
薩摩の窯に注文して焼かせた「甫十瓢箪」
と呼ばれる茶入をはじめ
遠州公は瓢箪の形をとても好みました。

これは禅の教えとも関係があります。
水に浮かべた瓢箪は上から押すと、
一度は沈みますが、手を離すと別の場所に
ぽこっと浮かんできます。

「至りたる人の心は
そっとも(少しも)ものにとどまらぬことなり
水の上の瓢を押すがごときなり」

相手の心に逆らうのではなく、素直に意に従い
しかも自分の心というものは決してまげないという
「瓢箪の教え」からくるもののようです。

茶道具の他に、文様や透かしにも瓢箪を
多く用いています。

遠州公の愛した茶入

2014-3-15 UP

3月15日 遠州公の愛した茶入

ご機嫌よろしゅうございます。
本日は遠州蔵帳記載の茶入
「在中庵(ざいちゅうあん)」を
ご紹介します。

この茶入はもともと堺の茶人
道休という人が所持していたもので
遠州公が、道休の住んでいた寺の名前の在中庵から
命銘しました。

遠州公秘蔵の茶入として蔵帳茶入の第一に挙げられていて
およそ55回の茶会で使用しています。

この茶入のためだけに使用する棚
「在中庵棚」まで作るほどの愛蔵ぶりです。

現在では大阪の藤田美術館に収蔵されています。

【告知】

大ヒット御礼!映画父は家元凱旋上映!

4月12日(土)~25日(金)
東京会場:シネ・リーブル池袋  http://www.ttcg.jp/cinelibre_ikebukuro/
東京都豊島区西池袋1-11-1 池袋ルミネ8階(池袋駅すぐ側)電話03-3590-2126
※上映時間は未定。(劇場にご確認ください)

【埼玉会場】
4月12日(土)~18日(金)
所沢:新所沢レッツシネパーク  http://www.ttcg.jp/lets_tokorozawa/
埼玉県所沢市緑町1-2-1新所沢PARCO+Let’sLet’s館4階 電話04-2998-8000
※上映時間は未定。(劇場にご確認ください)

官兵衛 秀長

2014-3-10 UP

3月10日  官兵衛  秀長 郡山へ

ご機嫌よろしゅうございます。
本日は日曜日ですので
大河ドラマに関連したお話を。

この頃
遠州の父、新介正次は浅井方でしたが
1570年の姉川の戦いで浅井家が滅ぶと
長浜城主となった豊臣秀吉によって
とりたてられ,その弟の、
羽柴秀長に仕えます。

遠州公が生まれた頃には秀長の下で
一千石を拝領する身分になっていました。

天正十年、本能寺の変が起こり
信長から秀吉の時代へ。

秀吉が関白となり、
天正十三年秀長は大和国郡山へ転封となるのに伴い、
正次も郡山へうつりました。
この地で加増され家老に立身します。

当時の郡山は、秀長を中心として
京都・堺・奈良と並んで
茶の湯の最も盛んな土地でした。

【告知】
映画 父は家元 【舞台挨拶】
金沢 シネモンド 御家元舞台挨拶
3月15日(土) 2回目(17:25~)の上映前に行います

映画 父は家元 公式ホームページ

遠州忌茶筵

2014-3-9 UP

3月9日 遠州忌茶筵

ご機嫌よろしゅうございます。
本日3月9日は流祖遠州公を偲び
東京美術倶楽部において、
遠州忌の茶会がとり行われます。

遠州公のご命日旧暦2月6日にちなみ
新暦の3月第二週日曜日に
茶会を行います。

映画「父は家元」にもありましたが、
大床脇の厨子には流祖小堀遠州公の尊像が祀られ
お家元が遠州公に献茶をし、その後
天目茶碗にてお茶をいただきます。

お家元はじめ、門人一同
流祖遠州公に想いを馳せ、偲ぶ
ひと時です。
【告知】
映画 父は家元 【舞台挨拶】
金沢 シネモンドにて御家元舞台挨拶がございます。

3月15日(土) 2回目(17:25~)の上映前に行います。

雪の日には紅梅一輪

2014-2-13 UP

2月13日 「雪の日には紅梅一輪」

ご機嫌よろしゅうございます。
今日は梅にちなんだお話をご紹介します。

遠州の「綺麗さび」と利休の「侘び」
この違いをよく表すエピソードがあります。

ある雪の日、利休がお茶室にお客様を招きますが
その席の床の間には
掛物も花も何も飾ってありませんでした。
利休は
「雪も花である。 雪の日に花は要らぬ」
と話しました。

一方、遠州は
「雪の日には紅梅一輪」
と言っています。

利休の求めるのは
自然の中に見出す厳しさも含んだ美しさ

それと対照的に
雪の路地を抜け、席中に入ってうつる紅梅の色に
ほっと温もりを感じてほしいという
遠州の美意識

それぞれの生きた時代が
その精神性に反映されて生まれた
美しさです。

【告知】
映画 父は家元 上映案内
・テアトル新宿     21日まで
・横浜ニューテアトル 14日まで
・福岡中州大洋    21日まで
・金沢シネモンド    3月8日~21日
・名古屋 伏見ミリオン 4月5日~18日
・青森 シネマ・ディクト 4月19日~5月2日

映画 父は家元 公式ホームページ

遠州公ご命日

2014-2-6 UP

2月6日  遠州公ご命日

本日は流祖小堀遠州公のご命日です。

毎年この祥月命日の2月6日には
ご家族揃って京都の大徳寺孤篷庵へ
お墓参りにいかれます。

本堂において法要を営み、
その後遠州公のお墓参りをされ
お墓参りが済むと
茶室「忘筌(ぼうせん)」において、ご住職と一緒に
お抹茶をいただきます。

孤篷庵は
1612年、大徳寺塔頭・龍光院内に、
遠州公が自らの菩提所として建立します。
この龍光院は、黒田長政が父・如水(黒田官兵衛)
の菩提寺として建立した寺です。

1643年、孤篷庵を龍光院から
現在の場所(瑞源院隣地)に移転しています。
最晩年の2年ほどはこちらにいたといわれます。

1647年、2月6日に伏見奉行屋敷で亡くなり、
ここ孤篷庵に葬られました。

 

【告知】

2月8日 長浜の慶雲館にて盆梅展がございます。

その際御家元の命名式が予定されております。