心あてに折らばや折らむ 初霜のおきまどはせる白菊の花

2014-11-17 UP

11月 17日

心あてに折らばや折らむ
初霜のおきまどはせる白菊の花

古今集  大河内躬恒

ご機嫌よろしゅうございます。
東北から関東にかけては既に初霜の降りた地域も
あるのではと思います。

先ほどの和歌は百人一首にも選ばれている
大河内躬恒の歌です。

当て推量に折るならば折ろうか。
初霜が置いて、その白さのために見分けもつかなく
なっている白菊の花を。

初霜に紛れるばかりの白菊の美しさを詠んでいます。

先人は、寒暖の差によって熟し方の異なる茶の扱いや
炉・風炉の区切りを自然現象によって判断していました。

口切も行う日が予め決められたものではなく
霜が降ってからが良いとされていたのです。

木々が赤く染まり始める頃、
そしてはらはらと散り始める頃

その時々の自然の変化に応じて、
茶の湯も時が流れていきます。