11月 5日 亥の子餅と炉開き
ご機嫌よろしゅうございます。
昨日は遠州茶道宗家研修道場の「炉開き」について
ご紹介しました。
この「炉開き」で使用される菓子は例年「亥の子餅」が食べられています。
宮中では旧暦十月の初めの亥の日に亥の子餅を贈る
行事がありました。
猪は頭がよく、また多産なこともあり、子孫繁栄を願い
亥の子餅を供えました。
また亥は陰陽五行説で水の性質をもち
火災を逃れるとされるため、
「亥の月の亥の日から火を使い始めると安全」といわれ
この日に炬燵や火鉢など用意をする習慣がありました。
昔は炉開きはいつと定められた日ではなく
季節の状態に応じ行われてきました。
遠州公の師である古田織部は
庭に植えてある柏の葉が黄色になって、ひとひらふたひら
落ち始めた頃炉開きをしたそうです。
10月7日 亥の子餅(いのこもち)
ご機嫌よろしゅうございます。
今日は亥の子餅のお話を。
西日本では刈り入れの終わった収穫祭として
亥の子祭りが行われます。
特に農家では10月の亥の日、
亥の刻(午後9時から11時)
新しく刈った穀物で猪型の餅やぼた餅を作り
田の神様に供え、それを家族で食べるという習わしがありました。
また東日本でも10月10日に「10日夜」と呼ばれる
同じような行事が行われます。
こちらの行事は田の神の帰る人される10日に
案山子(かかし)を持ち帰り、その傘を焼き
焼き餅を作って供えるそうです。
案山子は神様がこの世に現れた姿なのだとか。
お菓子屋さんでもこの頃に亥の子餅を
店先に並べますが、
こちらは新暦の10月より、旧暦の10月に
合わせて売り出すことが多いようです。
皆様ご機嫌よろしゅうございます
本日は遠州茶道宗家で炉開きが行われます。
《亥の子餅》
5日はいわゆる旧の「亥の子餅」「炉開き」の日です。
旧暦では10月3日にあたります。
古来の風習は西が中心でありました。
そのため、古来から行われていたこの風習の月日は、江戸開府以前の、関西の気候風土より定められたものであるといえます。
関東以北では、この日以前から既に寒くなっておりますので「亥の子餅」を食べ、この日に炉を開ける習慣は関東にはなく、一部の人々を除いて、一般的ではないと言えます。
ちなみにこの古来からの風習における「炉」とは、茶道における炉ではなく、炬燵や火鉢などのことを指します。