6月 15日(月)おたくさ

2015-6-15 UP

6月 15日(月)おたくさ
ご機嫌よろしゅうございます。

梅雨時、雨にうたれて
一層色鮮やかに映える紫陽花が見事です。

この紫陽花別名を「おたくさ」と
呼びます。和菓子屋さんでも
紫陽花の和菓子に「おたくさ」という銘が
つけられたものをご覧になったことも
あるのではないでしょうか?

この名前、実はシーボルトが関係しています。

出島のオランダ商館医であったシーボルト
この地でお滝さんという女性と出会い、
いねという娘をもうけ幸せな日々を送ります。
そして彼は日本の紫陽花を大変気に入っていました。
しかし、スパイ容疑をかけられ、国外追放の身となって
最愛の人と引き裂かれてしまいます。

彼は、大好きなあじさいに最愛の「小滝さん」の名から
「オタクサ」と学名をつけ、ヨーロッパに紹介しました。

この「おたくさ」の名には、シーボルト最愛の
女性への深い想いがこめられていたのでした。

ちなみにお滝とシーボルトの間に生まれた
いねさんは、大変な苦労の末医学の道に進み
日本初の女医で産科医となったそうです。

3月 20日 (金)遠州公の異国好み

2015-3-20 UP

3月 20日 (金)遠州公の異国好み
公開討論会テーマにそって

ご機嫌よろしゅうございます。

今日は 遠州公ゆかりの地、伏見からはなれ、
明日21日に行われる公開討論会のテーマ
遠州公の異国好みにちなみ、遠州公と
関連のある異国の地についてご紹介します。

遠州公はその綺麗さびの美意識から、海外のものを
茶の湯に巧みに取り入れていきました。

オランダ
長崎奉行を通じてオランダに茶碗を注文したり、
大西浄久にオランダの文字を配した茶釜を作らせています。
また葡萄酒を会席の前にお出しするなどしていました。

中国
中国には祥瑞と呼ばれる染付の茶陶を、
景徳鎮に注文しています。その種類は香合・茶碗・水指・向付・会席鉢など多岐に
わたっています。

韓国
切型とよばれるお手本をもとに御本
茶碗を焼かせています。
その代表は御本立鶴茶碗です。

東南アジア
南蛮・嶋物など、様々な茶道具を見立てています。
また間道の裂にも遠州公が深く関わっています。
舶来の織物のなかに縞模様があり、それを仕覆に
したのも遠州公です。
間道は当時あまり知られていなかったもので
大変斬新なものでした。
遠州公が関わった名物の茶入には、
ほとんどこの間道が添えられています。

またペルシャやヨーロッパの裂を道具の箱の風呂敷に用いるなど
細かいところまで心配りしていました。

遠州公の取り上げた海外の道具は枚挙に尽きません。
異国情緒漂う物を巧みに茶の湯に取り入れていたこと
がわかります。

遠州好 「七宝文(しっぽうもん)」

2014-5-30 UP

5月30日 遠州好 「七宝文(しっぽうもん)」

ご機嫌よろしゅうございます。
本日は遠州公の好んだ「七宝文」をご紹介します。

遠州流の、様々なものにこの文様が入っておりますので
皆様にもお馴染みのものと思います。

正しくは「花輪違い」と呼ばれます。
以前は「鶴の丸と丸に卍」が小堀家の紋でしたが
遠州公によって小堀家の定紋と定められたもので、
多くの茶道具にあしらわれています。
七宝文自体を形どって作られているものは唯一
「七宝透蓋置(しっぽうすかしふたおき)」
が好まれています。

またオランダのデルフトへ注文したと思われる
箱書きは「をらむだ筒茶碗」にもこの文様を上部にめぐらせて
いて、今の時代にみてもモダンな茶碗です。