5月 20日(金) 能と茶の湯「大会(だいえ)」
2016-5-20 UP
5月 20日(金)能と茶の湯「大会(だいえ)」
ご機嫌よろしゅうございます。
十五日は七十二候の「竹笋生(たけのこしょうず)」でした。
またこの季節に「筍流し」という夏の季語として使われる言葉があります。
「たけのこ」が生える頃に吹く、雨を伴いやすい南風のことを表します。
竹の花入で能に所縁のあるものに「大会」があります。
今日はこの「大会」をご紹介します。
ある日比叡山で修行していた僧のもとに、一人の山伏が訪れ、
以前命を助けられた者だと言って礼を述べます。
この山伏、かつて僧が京童達にいじめられていたのを
助けた鳶(とび)でした。(この鳶は実は天狗)
釈迦が法華経を説いた時の様子を自分の目で見たいとの
僧の願いを、山伏は「叶えるが、信心を起こしてはならぬ」と言い、
僧の目前で釈迦に扮して再現します。
僧は先刻の約束を忘れて思わず信心を起こしてしまい
天から帝釈天が現れ、信心深い僧を幻惑したとして大天狗を責め立てます。
もとの姿に戻った天狗は、帝釈天に対して平謝りし逃げ帰っていきました。