4月 1日(金)能と茶の湯「忠度(ただのり)」
2016-4-1 UP
4月 1日(金)能と茶の湯「忠度(ただのり)」
ご機嫌よろしゅうございます。桜にちなんだ演目としてあげられるものに「忠度」があります。
行き暮れて 木の下陰を宿とせば
花や今宵の主ならまし
世阿弥の新作能である「忠度」は平清盛の末弟であり、壇ノ浦で討ち死にした平忠度が詠んだこの歌が、
「千載集」に詠人不知(よみびとしらず)として取り上げられた心残りを、
亡霊となって旅の僧に語るというあらすじです。壇ノ浦で打ち取られた若い青年の名は分からず箙につけられた短冊から、
かの武にも文にも秀でた忠度であるとわかるのでした。平家は朝敵とされ、
「読み人しらず」として名を削られてしまうのでした。
昨年にご紹介しましたが、この忠度が薩摩守だったことから細川三斎が命銘した薩摩茶入「忠度」があります。