11月 28日(月)冬籠り
2016-11-28 UP
11月 28日(月)冬籠り
雪ふれば冬ごもりせる草も木も
春に知られぬ花ぞさきける
ご機嫌よろしゅうございます。
師走ももうすぐそこ
場所によっては雪が舞っていることでしょう。
先の歌は古今集所載の紀貫之の歌です。
雪が降ると、冬ごもりしている草も木も、
春に気づかれない花が咲いている。
草木に積もった雪を「春にしられぬ花」と表現し、
桜散る木の下風は寒からで
空に知られぬ雪ぞ降りける
の和歌の「空にしられぬ雪」の表現と対称をなしています。
貫之の好んだ理知的な趣向です。
遠州公作の共筒茶杓にはこの歌を踏まえて
冬こもり空に知られぬ花なれや
よしののおくのゆきの夕くれ
の歌銘があります。