遠州公ゆかりの茶陶「備前焼」④
2018-12-13 UP
ご機嫌よろしゅうございます。
備前焼が茶の湯に使われている様子は、侘茶の祖といわれる珠光が、
弟子の古市播磨法師にあてた「心の文」とよばれる文章でも確認できます。
「当時、ひえかる(冷え枯る)ると申して、
初心の人体が、備前物、信楽物などを持ちて、
人も許さぬたけくらむこと、言語道断也。」
初心者が備前焼や信楽焼を使うものではなく、まずは良い道具を持つことで
、その良さを十分に理解し、己の心が成長することでやがて辿り着くべきものである
と語っていますが、この焼き締めの素朴で飾り気のない陶器が侘茶を表現する茶陶として流行していたことがわかります。
来月は信楽焼についてご紹介します。