遠州公ゆかりの茶陶「丹波焼」④

2019-3-29 UP

春日社の大甕
ご機嫌よろしゅうございます。
丹波焼の大甕が意外なところで使われている場所があります。
それは能舞台。
兵庫県篠山市の春日社の能楽殿は、丹波篠山藩主青山忠良が文久元年(1861)に
奉納したもので、そのとき丹波の陶工に焼かせたのが七個の大甕です。
「立杭釜屋村 源助作」とへら描きされています。
春日神社の能楽殿は、“箱根より西では最も立派”と言われているそうで、この舞台を使って、兵庫県能楽文化祭が頻繁に行われているのだそうです。
舞台の音響効果を高めるために大甕が床下に置かれていて、中央に置かれた大甕はシテ柱の方向に口を向けています。足で床を踏み、音を発する。
これも太鼓や笛と同様、舞の音楽として使われる効果で、この演出に丹波の大甕が一役買っています。