遠州公の愛した茶入 「春山蛙声(しゅんざんあせい)」
2014-5-10 UP
5月 10日 遠州公の愛した茶入
「春山蛙声(しゅんざんあせい)」
ご機嫌よろしゅうございます。
本日は遠州蔵帳所載の茶入「春山蛙声」を御紹介します。
この茶入の銘は遠州公によるもので、茶入の窯分けでは
柳藤四郎に分類されていますが
その名称の由来についてはよくわかっていません。
遠州公の茶会記に登場するのは
寛永十八年(1641)4月9日の朝に
狩野探幽法眼達を招いた茶会一回のみです。
時期的にいえばちょうど今頃に
使われたということになります。
銘だけから想像するに
爽やかな季節、蛙の鳴き声がきこえてくる
とてものどかな風景が連想できます。
遠州公所持の後は、小堀家を離れ、
のちに益田鈍翁の所有となり、
現在は、大阪の湯木美術館の収蔵品となっています。