茶の湯に見られる文様「竹・笹」
2017-7-28 UP
ご機嫌よろしゅうございます。
七夕の頃には「笹の葉さらさら軒端に揺れる..」
と歌われ、夏には笹や竹の風に吹かれる音が
爽やかに耳に届きますが、七夕の飾りや短冊を
笹竹に飾る風習は、もともと盆に先立ち精霊の
訪れる依代として立てたことに由来します。
またお正月には門松として竹を用いるなど、竹は
神の依代として欠かせない存在です。
文様としては松・梅とともに三友と呼んだり、
その高潔な姿を君子にたとえ四君子(梅・菊・蘭・竹)
と称されてきました。
以前ご紹介した名物裂の「笹蔓緞子」の文様は、松竹梅の
意匠化であり、茶人に大変愛された文様で、笹蔓手として
類裂が多く作られました。
また、冬の季節には雪との組み合わせで描かれた「雪持竹・笹」
などの姿で好まれて佂や茶器などに多く描かれています。
茶の湯の道具としての竹も、「竹に上下の節あり」と
あるように、その精神性からも非常に密接なつながりの
ある素材として親しまれてきました。
竹の花入や茶杓は、他の道具の中でもとりわけ作者の
人となりを表す道具として扱われます。
遠州公が削った茶杓にこんな歌が添えられています。
歪まする人にまかせてゆかむなる
これぞすぐなる竹の心よ
しなやかな中に、決して折れない真の強さ
竹の心が詠まれています。