向栄会 塗師 中谷光哉氏・光伸氏

2018-10-10 UP

ご機嫌よろしゅうございます。

今日は塗師 中谷光哉・光伸氏をご紹介致します。

漆器は、下地の木地に漆を塗り重ねて作る工芸品。

狩猟・石器時代には既に使われていた漆は、その美しさだけでなく、

器の強度が増し、長持ちするという実用性も併せ持ちます。

また漆器自体が「japan」と英語で表記されることもあるほど、

漆器は日本を代表するものに数えられます。

石川県の山中温泉で有名な地域。ここに400年以上の歴史を持つ山中塗の技術が今に伝わっています。

中谷光哉氏は、1931年に小樽に生まれ、京都で一閑塗の修業をした後、

家業の山中塗を継ぎました。

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戸川宗積先生とのご縁で向栄会の職方となり、

ご先代紅心宗慶宗匠・宗実御家元のお好みの道具を数々手掛けています。
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長男の光伸氏は大学卒業後二年、茶道具の問屋で流通を学んだのち父・光哉氏に師事、

ご家族で漆器の制作に取り組んでいらっしゃいます。漆塗の手法は

○木地に下地を塗って磨き、塗って磨きを繰り返すことで光沢の生まれる「真塗」

○漆を薄く塗って木目を出す「掻き合わせ」

○生漆(きうるし)をぬって拭くことを繰り返し、木目を生かす「拭き漆」

○木地に和紙を貼り、上に漆を塗る「一閑張」

に大きく分けられます。同じ漆器でも、その手法を変えることでそれぞれに特徴的な風合いを持たせ、道具に様々な表情を演出することができるのです。

「御家元からは『格好の良さ』について度々指導いただいています。」

とお話しされる中谷さん。御家元にいくつかご覧いただいて、ここをこうした方が格好良いんだよね。とご指摘受けたところはもう一度作り直します。

格好いいとは文字通り「形姿の良さ」

美しく見える形というのは、単なる形や見栄えの良さだけでなく

素材を生かし、余分を取り払ったシンプルな中に残る

メリハリとシャープなライン、そしてその中に込められた

品格が表れた姿。他の茶道具との調和。そのセンスをいかに作品にだせるか
ということを常に意識して作品を制作していると仰っていらっしゃいました。