初花(はつはな)

2014-4-21 UP

4月21日  初花(はつはな)

ご機嫌よろしゅうございます。
今日は漢作唐物「初花」茶入についてご紹介します。

楢柴・新田肩衝と並んで、天下三肩衝の1つ。
もとは楊貴妃の油壷であったとも伝えられます。

初花とはその季節に一番に咲く花を指します。
この銘は足利義政が、
その形姿を天下に先駆ける初花にたとえて

くれないの はつ花ぞめの色ふかく
思ひしこころ われわすれめや

に因んで付けた銘であろうと『日本陶瓷史』
にありますが定かではありません。

織田信長が名物狩りで商人の大文字屋から取り上げたもので、
信長・秀吉・家康という三人の天下人の
所有するところとなり
柳営御物として三百年もの間を
幕府の権威を誇示することとなります。

現在は国の重要文化財に指定され、
東京の徳川記念財団に保管されています。

この初花と並んで好まれる「遅桜」茶入を
来週月曜日にご紹介します。