公開討論会

2014-3-24 UP

3月24日

公開討論会「懐石と菓子」

ご機嫌よろしゅうございます。
昨日は公開討論会がございました。

前半は古い文献を紐解いていきました。
古くはお菓子として、果物など以外に
大根を醤油で煮たものなどの野菜がでた
ということが実際の会記をみてわかります。

また、時にお菓子のない懐石もあり、
その場合は、箸と共に楊枝が出るとお菓子がでないという
暗黙の合図にすることもあるそうです。

遠州公は当時食べ切れないほどの料理の量を
良しとせず、小盛りにしてお出ししたという記録もありました。

後半は、先代と当代宗実御家元の実際行った茶事の記録と
共にその様子を楽しみました。

池内氏の紹介されたエピソードに
先代のいけられた朝茶の朝顔が、
席入れした瞬間蕾が綻んだそうです。
はっと息を飲む瞬間だったと当時の思い出を語られました。

懐石の一つの味噌汁については
たっぷりとかつおをいれてとった煮汁に、
味噌を入れてぐつぐつ煮て灰汁を取ると
とびきり美味しいお味噌汁が出来るのだとか

また、遠州流では懐石の箸に青竹を使用し
焼き物には、中節を    煮物には天節、
それ以外には節なしの青竹を使い、
八寸には両細と、節の位置をそれぞれに変え、
誰が出すにも間違えないように、またお客様にも
箸を変えていることが分かるような工夫がされています。

昔も今も、亭主の心づくしのもてなしで懐石が行われたことがわかります。
他にも様々なお話が伺うことができ、大変楽しい討論会でした。

さて今回の主題でありました「懐石」ですが、
「懐石」と「会席」
この違いについて冒頭、お家元がお話しくださいました。
皆さんはこの違いご存知でしたか?
このお話はまた改めて…。

今回ご参加出来なかった方、
是非次回をお楽しみに。

秋には10月13日(祝・月)第九回秋季講演会(江戸東京博物館において)
「遠州の憧れた定家の世界」というテーマで
國學院大学の豊島秀範先生のお話を伺います。