「鶴」
2017-1-20 UP
1月 20日(金)茶の湯にみる文様
「鶴」
ご機嫌よろしゅうございます。
今日は日本に馴染み深い鳥「鶴」の文様を
ご紹介します。
会席においては江戸時代、高級食材として珍重
されていました。また将軍自ら「鶴御成」という
狩で捕った鶴を京都御所へ献上し、正月に登城した
諸大名に吸い物として賜りました。
「鶴は千年、亀は万年」などと言われるように
亀と共に長寿の象徴とされている動物で、
中国では古くから仙人の鳥、仙禽とされ
松や霊芝などとともに吉祥文様として描かれていました。
鶴の型押し白象嵌文様の青磁は「雲鶴」と呼ばれます。
高麗末期の筒茶碗を「古雲鶴」とよび、
李朝中期に茶人が注文し釜山の倭館窯で焼かれたたものは
「御本雲鶴」と呼んで区別します。
野村美術館所蔵の中興名物「御本立鶴茶碗」は、
寛永十六年(1639)、将軍家の大福茶のために制作されたもので
3代将軍家光が下絵した立鶴を中央に
描き、遠州公が切形をもって釜山の窯に注文したといわれているのです。