芒種(ぼうしゅ)

2014-6-6 UP

6月6日 芒種(ぼうしゅ)

ご機嫌よろしゅうございます。
今日は24節気の芒種にあたります。

小満から数えて15日目頃になります。

稲や麦のような芒(のぎ)のある穀物穂の出る穀物の
種をまく季節ということから、芒種と言われています。
実際にはもう少し早く種を撒くようです。

芒は、イネ科の植物の花についている針のような突起のことで
禾とも書きます。

天目茶碗には禾目とよばれるものがあり、
茶色や銀色の細かい縦筋が無数に見られます
これを日本では穂先の禾に見立て、
この種の釉薬がかかった天目茶碗を禾目天目と呼んでいます。

今井宗久(いまいそうきゅう)

2014-6-5 UP

6月 5日 今井宗久(いまいそうきゅう)

ご機嫌よろしゅうございます。
今日は今井宗久の命日です。

今井宗久は近江に生まれ、後に堺で活躍する商人です。

武野紹鴎の娘婿となり、紹鴎が没すると
紹鴎秘蔵の名物茶器(松島茶壷・紹鴎茄子・玉澗筆波の絵)
を譲り受けます。

織田信長が足利義昭を奉じて上洛の際には、
松永久秀が九十九髪茄子を献上し、
宗久も紹鴎の遺品である松島茶壷・紹鴎茄子を
献上します。
信長は堺の町衆の懐柔と支配のため宗久を重用し、
茶の湯においても茶堂として活躍しますが、
信長が本能寺の変で倒れてからは
次第に力が衰えていきます。
永正十七年ー文禄二年(1520ー1593)

2014-6-4 UP

6月 4日 鮎(あゆ)

ご機嫌よろしゅうございます。

この時期の旬の食材といえば
6月1日に釣りが解禁される鮎が思い浮かびます。

11月から5月は資源保護のため禁漁となっており
釣り人が待ちにまった鮎釣り解禁日に
釣り糸を垂らす姿は、この季節の風物詩でもあります。

鮎は一年で一生を終える一年魚で、
別名を「香魚」と言うように、独特の芳香を持つ鮎は、
水質が良い河川ではスイカの香り、水質が悪い場合は
キュウリの香りに変わるといわれています。

春先に海から川へ上りますが、
琵琶湖の鮎は琵琶湖を海の代わりとして生息し、
海水で生きることが出来ない性質に変化しているのだそうです。

塩焼きにして蓼酢(たです)でいただくのが
シンプルで一番美味しい鮎の頂き方です。

水無月

2014-6-3 UP

6月3日 水無月(みなづき)

ご機嫌よろしゅうございます。

6月に入ると和菓子屋さんで
三角形の小豆を散らしたお菓子
を目にしたことはありませんか?
これは水無月というお菓子で、
外郎(ういろう)で氷をかたどったものです。

昔、宮中では氷室(ひむろ)といわれる洞窟のような場所に
氷や雪を冬のうちに保管していました。
ここから氷を取り寄せ、氷を口にして、暑気払いをしていましたが
高級品である氷は、とても庶民の口に入りません。

そのため、麦粉を練り、氷片に見立てて食べたのが「水無月」です。
水無月の三角形は氷室の氷片を表したもので、
上の小豆は氷の中にある泡を表し、
また悪魔払いの意味をもつと言われています。
夏の酷暑を乗り切り、無病息災を祈願するお菓子です。

京都ではこのお菓子を6月30日の「夏越の祓え」でいただく
のが習慣なのだそうです。

2014-6-2 UP

6月2日 菖蒲(あやめ)

ご機嫌よろしゅうございます。
今日は旧暦でいう5月5日 端午の節句です。
5月5日には、邪気を払うとして菖蒲湯や、
宮中の薬玉に菖蒲が用いられました。

しかし、これらは、現在私達が連想する
艶やかな花を咲かせるアヤメ科の菖蒲とは
別の、芋サトイモ科の植物で
両者のうち花の咲く方を「ハナアヤメ」、
サトイモ科の方を「アヤメグサ」といって
区別していました。

邪気払いとして用いるのは、
その葉に特有の香りを持つ「アヤメグサ」の方です。

「ハナアヤメ」のほうも、茶花として用いられることは
昔から少なかったようで茶会記に名を見ることも
あまりありません。

昔から「六日のあやめ、十日の菊」などと言い、
節句(5月5日、9月9日)を過ぎて「役に立たないもの」
の例えなどに挙げられます。

水無月

2014-6-1 UP

6月1日 水無月(みなづき)

ご機嫌よろしゅうございます。
今日から6月
今年も折り返しとなります。

旧暦でいう6月は梅雨も明け、暑さも厳しくなる時期
です。雨が降らないので「水が無い月」と言われたなど、
水無月という名前の由来には諸説あります。

6月に入ると、着物は単衣(ひとえ)と呼ばれる
裏地のない着物に衣替えします。

遠州流では袱紗の生地が絽に変わります。
こちらもお家元が毎年好まれて作られており、
腰につけるととても涼しげで、
お道具を清める手元まで、季節感を感じさせてくれます。
お茶会などでご覧になった方にもお声をかけていただきます。
綺麗さびの美意識ならではの
細やかな心配りです。

遠州公の愛した茶入

2014-5-31 UP

5月31日 遠州公の愛した茶入
「埜中(のなか)」

ご機嫌よろしゅうございます。
本日は遠州蔵帳所載の茶入「埜中」を
御紹介します。

中国から渡ってきた茶入で

おもはくは埜中にとては
植えおかじ 昔は人の軒のたちばな

慈鎮和尚

の歌意にちなんだものと思われます。
遠州公の茶会記には特に記載が残っていません。
松花堂昭乗との関係があるようで
挽家の「埜中」の字は松花堂昭乗によるもので、
茶入に添えられているお盆の箱書も松花堂昭乗の筆です。

さらに「遠州松花堂贈答の文」の一軸が添えられています。

遠州好 「七宝文(しっぽうもん)」

2014-5-30 UP

5月30日 遠州好 「七宝文(しっぽうもん)」

ご機嫌よろしゅうございます。
本日は遠州公の好んだ「七宝文」をご紹介します。

遠州流の、様々なものにこの文様が入っておりますので
皆様にもお馴染みのものと思います。

正しくは「花輪違い」と呼ばれます。
以前は「鶴の丸と丸に卍」が小堀家の紋でしたが
遠州公によって小堀家の定紋と定められたもので、
多くの茶道具にあしらわれています。
七宝文自体を形どって作られているものは唯一
「七宝透蓋置(しっぽうすかしふたおき)」
が好まれています。

またオランダのデルフトへ注文したと思われる
箱書きは「をらむだ筒茶碗」にもこの文様を上部にめぐらせて
いて、今の時代にみてもモダンな茶碗です。

五月晴

2014-5-29 UP

5月 29日  五月晴(さつきばれ)

ご機嫌よろしゅうございます。

気候も穏やかな新緑の季節、
爽やかに晴れ渡ったこの空のことを
「五月晴」と表現します。

しかしこの「五月晴(さつきばれ)」という言葉
本来は旧暦の5月を指しました。
梅雨の間の晴れの日に使われていましたが、
現在では五月の晴天という意味でも使われるようになったのです。

三寒四温同様、
誤用が一般化して定着した一例といえます。

虎が雨

2014-5-28 UP

5月28日  虎が雨

ご機嫌よろしゅうございます。

今日は5月28日
この日は必ず雨が降るという伝承があります。

建久四年(1993)
仇討ちで有名な曽我兄弟が父の仇討ちに敗れて討ち死にし、
兄祐成の愛人、虎御前が悲しみに涙した日なのだそうです。
その後虎御前は兄弟を弔うため出家します。

旧暦では梅雨に当たるため、
江戸時代には俳句の季語でした。

また神奈川県小田原市城前寺では
仇討ちが行われたこの日
「曽我の傘焼き」と 呼ばれるお祭りがあります。
富士の裾野で傘を焼いて松明とした故事にちなむ祭りで
周辺をまわって古い傘を集め、火を放って供養します。

さて今年は虎御前の雨が降りますでしょうか?