7月6日 朝顔市が始まります
ご機嫌よろしゅうございます。
今日から三日間、下町入谷で毎年恒例の
朝顔市が始まります。
朝顔は牽牛花(けんぎゅうか)の別名があり
七夕の牽牛・淑女の、牽牛の花と書くことから
七夕の前後の三日間、開催されるようになりました。
例年、土日は人が行き来出来ないほどの賑わいをみせ
夏の風物詩にもなるお祭りですが、
入谷の名物となったのは明治に入ってからで、
十数件の植木屋が朝顔を造り、鑑賞させたのが
はじまりといわれています。
江戸時代末期から、花粉の交配によって様々な花を咲かせる
「変わり咲き」が大変流行し、
当時は一千種類もの朝顔があったといいます。
その後、一度姿を消した朝顔市ですが、
戦後地元の人々の協力によって、
現在の朝顔市が蘇りました。
今年の朝顔市に行かれましたら
是非ご感想をお聞かせください。
7月 5日 遠州公の愛した茶入「瀧浪(たきなみ)」
ご機嫌よろしゅうございます。
本日は遠州蔵帳所載「瀧浪(たきなみ)」
についてご紹介します。
この茶入の正面に流れる釉薬の景色が
瀧浪のように見えることから
遠州公が名銘しました。
なるほどよく見ているとまるで
目の前に滝がしぶきをあげて流れ落ちるような
景色が思い浮かびます。
家臣である勝田八兵衛が
この茶入を遠州公に献じたところ、
その褒賞として青江の脇差を与えたことから
「青江(あおえ)」とも呼ばれています。
青江は豊富な鉄資源の産地である備中の刀工の一派です。
後に松平不昧公にも伝わり、
「雲州蔵帳」にも記載されています。
7月 4日 テディベアと遠州流
ご機嫌よろしゅうございます。
皆さんはテディベアご存知でしょうか?
このクマのぬいぐるみは、子供から大人まで
広く愛されています。
シュタイフ社(Steiff)は、1880年にドイツで誕生し、
世界で初めてテディベアを作りました。
職人の手作業で一体ごと丁寧に作られています。
このシュタイフ社では世界限定ベアを制作しています。
例年この限定物は瞬時に売り切れてしまうそうです。
この夏
お家元監修の茶道テディベアがシュタイフ社発売されます。
詳細はまた後日に
今回の限定テディベアは世界限定1500体。シリアルナンバーが刻まれた証明書が付いているそうです。
7月 3日 山開き
ご機嫌よろしゅうございます。
例年7月1日には富士山の山開きがされ、
登山愛好者の待ちに待った登山の解禁となります。
昨年、世界文化遺産認定で話題となりました富士山ですが
かつてはそれ自体が御神体であり、多くの行者が修行する
信仰の山でした。
江戸時代には富士講と呼ばれる信仰が庶民にまで広がり
参拝登山するようになりました。
白装束に身を包み、「六根清浄」と唱えながら登ります。
その山開きが
残雪などを理由に
今年から山梨側、静岡側の登山ルートで開山期間が異なり、
静岡側が7月10日からとなることが決まったそうです。
同じ山なのに登る場所によって
山開きの日が異なるとは
なんだが不思議な気がしませんか?
7月2日 半夏生(はんげしょう)
ご機嫌よろしゅうございます。
今日は半夏生(はんげしょう)です。
この日は
夏至から数えて約11日目にあたります。
昔から田植えの目安とされこの頃までには
田植えを終えるべきとされています。
関西では稲が蛸足のように根をはって豊作に成るように
という願いを込めて蛸を食べたり、
四国では「半夏うどん」といって田植え後にうどんを
打って食べるなど、地域によって様々な風習があります。
またこの頃には、
天から毒気が降るので井戸に蓋をしたり、
この時季に筍・わらびなどを食べないという禁忌があったそうです。
7月1日 文月(ふみつき)
ご機嫌よろしゅうございます。
今日から7月。
旧暦7月の異称である文月は、
七夕に短冊に詩歌や文字(文字上達を願って)を書いて
笹につけて飾る風習があるから「文披月(ふみひらきづき)」
七夕の夜に書物を夜風に当てる風習ので「文の月」
となったとか
稲穂の実が熟し始める「穂含月(ほふみつき)」
からとも言われています。
梅雨があけると夏もいよいよ本番です。
着物も絽や紗といった薄物になり
軒先に
風鈴を吊るして、耳で涼しさを感じたり、
日本では暑さをしのぐ工夫が
昔から行われてきました。
四季の移り変わりを感じる余裕も
なくなっていることの多い近年ですが、
そういった夏の設えをどこかでふと目にした時、
その風情に、日本らしさを感じ、豊かな気持ちになるのは
やはり、日本人が古くから培ってきた
特有の感性を忘れず持っているからではないかと思います
ご機嫌よろしゅうございます。
今日は6月30日 「夏越の祓」という行事が
行われる日です。
旧暦の六月は、夏の終わりの月ということで「夏越の祓」と
呼ばれます。一年の前半が過ぎたところで、
その半年の穢れを祓う行事です。
神社では大きな茅(ちがや)の輪が飾られ、
参詣者がその輪をくぐり、厄除けを祈願します。
この行事は神話に由来しています。
スサノオノミコトが、かつて旅先で宿を与えた一族に対して
茅の輪を渡し、それを身につけた一族の子孫であれば
疫病から逃れられる
と記された「備後国風土記」に由来します。
(一方宿を断った弟の家は滅ぼされてしまいます。)
宿を与えた人物の名は「蘇民将来(そみんしょうらい)」といい、
この名は茅の輪くぐりの時に唱えられたり、
「蘇民将来子孫家門」と書いて家の入り口に貼る
風習が残っています。
宗家の近くでは、東京大神宮でこの茅の輪が飾られますので、
半年の厄を払いに、足を運ばれてはいかがでしょうか?
6月 29日 荒木村重の末裔・岩佐又兵衛
岩佐又兵衛は先週日曜日にご紹介しました
荒木村重の子供です。
又兵衛が生まれた翌年、村重が信長に反旗を翻し、
一族のほとんどが惨殺されてしまいます。
しかし赤ん坊だった又兵衛は落城間際に乳母に救い出され,
幸いにも生き残り、本願寺に預けられたとされています。
その後、岩佐という母方の姓を名乗り、京に住んで絵師となりました。
その才能を買われ、40歳頃から20年ほど
福井藩で絵師として藩主や有力者の御用を務め
その後三代将軍徳川家光の娘・千代姫が
尾張徳川家に嫁ぐ際の婚礼調度制作を命じられ
江戸に移り住みます。
浮世絵の先駆者として名高い人物です。
6月 28日 遠州青年の日
ご機嫌よろしゅうございます。
慶長十二年(1607)6月28日は遠州公が29歳の時に
参禅の師である円鑑国師(春屋宗園)
の頂相(ちんぞう)に賛をいただいた日です。
頂相は師または高僧の肖像画を描いたもののことです。
禅宗においては非常に重要視されていました。
この頂相、絵はまだ書かれておらず、円鑑国師は白紙の状態で
先に賛を書いたことになります。
当時は絵を描く前に賛を書いたり、
生きているうちから自分の姿を描かせる寿像というものが
ありました。(詳しくは「小堀遠州の書状」江月宛 鉄鉋の文を参照)→鉄の後の字が変換できませんでした。
この6月28日を遠州青年の日として、
門人が改めて遠州流を学ぶ日とするため
設けられました。
お点法を復習したり、
歴史や道具について調べて見たり
今日はじっくり茶の湯に向き合ってみてはいかがでしょうか?
6月 27日 豆腐のように…
ご機嫌よろしゅうございます。
長い梅雨もあと少し、本格的な夏の到来が近づいてきました。
豆腐も冷奴が美味しい時期になりますね。
今日は3月23日に「懐石と菓子」というテーマで行われた
公開討論会において、お家元がお話しくださった
豆腐の話をご紹介します。
松平不昧の歌に
世の中は丸で四角で三角で
豆腐のように飽きられもせず
という歌があります。
なるほど豆腐という食材は形を様々に変え、
また冬には湯豆腐、夏には冷やして
常に人々に愛される食材です。
こんな豆腐のようにどんな状況にも順応し
ていける人間になりたいものです。
さて、豆腐にはよく、紅葉の型抜きにした人参が添えられている
のを目にするのではないかと思います。
この不昧公の歌にも、豆腐に添えられた
紅葉の人参が描かれた絵があります。
この紅葉には実は意味があるそうで、
・豆腐にこうよう(紅葉→効用)がある
ということ、また
・よくこうよう(買うよう)に
というかけ言葉になっているのだそうです。
彩りというだけではなく
紅葉の人参にこんな意味がこめられていたのですね。