朝顔市が始まります

2014-7-6 UP

7月6日 朝顔市が始まります

ご機嫌よろしゅうございます。

今日から三日間、下町入谷で毎年恒例の
朝顔市が始まります。

朝顔は牽牛花(けんぎゅうか)の別名があり
七夕の牽牛・淑女の、牽牛の花と書くことから
七夕の前後の三日間、開催されるようになりました。

例年、土日は人が行き来出来ないほどの賑わいをみせ
夏の風物詩にもなるお祭りですが、
入谷の名物となったのは明治に入ってからで、
十数件の植木屋が朝顔を造り、鑑賞させたのが
はじまりといわれています。
江戸時代末期から、花粉の交配によって様々な花を咲かせる
「変わり咲き」が大変流行し、
当時は一千種類もの朝顔があったといいます。

その後、一度姿を消した朝顔市ですが、
戦後地元の人々の協力によって、
現在の朝顔市が蘇りました。

今年の朝顔市に行かれましたら
是非ご感想をお聞かせください。

遠州公の愛した茶入「瀧浪(たきなみ)」

2014-7-5 UP

7月 5日 遠州公の愛した茶入「瀧浪(たきなみ)」

ご機嫌よろしゅうございます。

本日は遠州蔵帳所載「瀧浪(たきなみ)」
についてご紹介します。

この茶入の正面に流れる釉薬の景色が
瀧浪のように見えることから
遠州公が名銘しました。

なるほどよく見ているとまるで
目の前に滝がしぶきをあげて流れ落ちるような
景色が思い浮かびます。

家臣である勝田八兵衛が
この茶入を遠州公に献じたところ、
その褒賞として青江の脇差を与えたことから
「青江(あおえ)」とも呼ばれています。

青江は豊富な鉄資源の産地である備中の刀工の一派です。

後に松平不昧公にも伝わり、
「雲州蔵帳」にも記載されています。

テディベアと遠州流

2014-7-4 UP

7月 4日 テディベアと遠州流

ご機嫌よろしゅうございます。

皆さんはテディベアご存知でしょうか?
このクマのぬいぐるみは、子供から大人まで
広く愛されています。

シュタイフ社(Steiff)は、1880年にドイツで誕生し、
世界で初めてテディベアを作りました。
職人の手作業で一体ごと丁寧に作られています。
このシュタイフ社では世界限定ベアを制作しています。

例年この限定物は瞬時に売り切れてしまうそうです。

この夏
お家元監修の茶道テディベアがシュタイフ社発売されます。

詳細はまた後日に

今回の限定テディベアは世界限定1500体。シリアルナンバーが刻まれた証明書が付いているそうです。

山開き

2014-7-3 UP

7月 3日 山開き

ご機嫌よろしゅうございます。

例年7月1日には富士山の山開きがされ、
登山愛好者の待ちに待った登山の解禁となります。

昨年、世界文化遺産認定で話題となりました富士山ですが
かつてはそれ自体が御神体であり、多くの行者が修行する
信仰の山でした。

江戸時代には富士講と呼ばれる信仰が庶民にまで広がり
参拝登山するようになりました。
白装束に身を包み、「六根清浄」と唱えながら登ります。

その山開きが
残雪などを理由に
今年から山梨側、静岡側の登山ルートで開山期間が異なり、
静岡側が7月10日からとなることが決まったそうです。

同じ山なのに登る場所によって
山開きの日が異なるとは
なんだが不思議な気がしませんか?

半夏生(はんげしょう)

2014-7-2 UP

7月2日 半夏生(はんげしょう)

ご機嫌よろしゅうございます。
今日は半夏生(はんげしょう)です。

この日は
夏至から数えて約11日目にあたります。
昔から田植えの目安とされこの頃までには
田植えを終えるべきとされています。

関西では稲が蛸足のように根をはって豊作に成るように
という願いを込めて蛸を食べたり、
四国では「半夏うどん」といって田植え後にうどんを
打って食べるなど、地域によって様々な風習があります。

またこの頃には、
天から毒気が降るので井戸に蓋をしたり、
この時季に筍・わらびなどを食べないという禁忌があったそうです。

文月

2014-7-1 UP

7月1日 文月(ふみつき)

ご機嫌よろしゅうございます。
今日から7月。

旧暦7月の異称である文月は、
七夕に短冊に詩歌や文字(文字上達を願って)を書いて
笹につけて飾る風習があるから「文披月(ふみひらきづき)」
七夕の夜に書物を夜風に当てる風習ので「文の月」
となったとか
稲穂の実が熟し始める「穂含月(ほふみつき)」
からとも言われています。

梅雨があけると夏もいよいよ本番です。

着物も絽や紗といった薄物になり
軒先に
風鈴を吊るして、耳で涼しさを感じたり、
日本では暑さをしのぐ工夫が
昔から行われてきました。

四季の移り変わりを感じる余裕も
なくなっていることの多い近年ですが、

そういった夏の設えをどこかでふと目にした時、
その風情に、日本らしさを感じ、豊かな気持ちになるのは
やはり、日本人が古くから培ってきた
特有の感性を忘れず持っているからではないかと思います

夏越の祓(なごしのはらい)

2014-6-30 UP

ご機嫌よろしゅうございます。
 今日は6月30日 「夏越の祓」という行事が
 行われる日です。
 旧暦の六月は、夏の終わりの月ということで「夏越の祓」と
 呼ばれます。一年の前半が過ぎたところで、
 その半年の穢れを祓う行事です。
 
神社では大きな茅(ちがや)の輪が飾られ、
 参詣者がその輪をくぐり、厄除けを祈願します。
 この行事は神話に由来しています。
 
スサノオノミコトが、かつて旅先で宿を与えた一族に対して
 茅の輪を渡し、それを身につけた一族の子孫であれば
 疫病から逃れられる
 と記された「備後国風土記」に由来します。
 (一方宿を断った弟の家は滅ぼされてしまいます。)
 宿を与えた人物の名は「蘇民将来(そみんしょうらい)」といい、
 この名は茅の輪くぐりの時に唱えられたり、
 「蘇民将来子孫家門」と書いて家の入り口に貼る
 風習が残っています。
 
宗家の近くでは、東京大神宮でこの茅の輪が飾られますので、
 半年の厄を払いに、足を運ばれてはいかがでしょうか?

荒木村重の末裔・岩佐又兵衛

2014-6-29 UP

6月 29日 荒木村重の末裔・岩佐又兵衛

岩佐又兵衛は先週日曜日にご紹介しました
荒木村重の子供です。

又兵衛が生まれた翌年、村重が信長に反旗を翻し、
一族のほとんどが惨殺されてしまいます。
しかし赤ん坊だった又兵衛は落城間際に乳母に救い出され,
幸いにも生き残り、本願寺に預けられたとされています。

その後、岩佐という母方の姓を名乗り、京に住んで絵師となりました。

その才能を買われ、40歳頃から20年ほど
福井藩で絵師として藩主や有力者の御用を務め
その後三代将軍徳川家光の娘・千代姫が
尾張徳川家に嫁ぐ際の婚礼調度制作を命じられ
江戸に移り住みます。

浮世絵の先駆者として名高い人物です。

遠州青年の日

2014-6-28 UP

6月 28日 遠州青年の日

ご機嫌よろしゅうございます。

慶長十二年(1607)6月28日は遠州公が29歳の時に
参禅の師である円鑑国師(春屋宗園)
の頂相(ちんぞう)に賛をいただいた日です。

頂相は師または高僧の肖像画を描いたもののことです。
禅宗においては非常に重要視されていました。

この頂相、絵はまだ書かれておらず、円鑑国師は白紙の状態で
先に賛を書いたことになります。

当時は絵を描く前に賛を書いたり、
生きているうちから自分の姿を描かせる寿像というものが
ありました。(詳しくは「小堀遠州の書状」江月宛 鉄鉋の文を参照)→鉄の後の字が変換できませんでした。

この6月28日を遠州青年の日として、
門人が改めて遠州流を学ぶ日とするため
設けられました。

お点法を復習したり、
歴史や道具について調べて見たり
今日はじっくり茶の湯に向き合ってみてはいかがでしょうか?

豆腐のように、、、

2014-6-27 UP

6月 27日 豆腐のように…

ご機嫌よろしゅうございます。
長い梅雨もあと少し、本格的な夏の到来が近づいてきました。
豆腐も冷奴が美味しい時期になりますね。

今日は3月23日に「懐石と菓子」というテーマで行われた
公開討論会において、お家元がお話しくださった
豆腐の話をご紹介します。

松平不昧の歌に

世の中は丸で四角で三角で
豆腐のように飽きられもせず

という歌があります。
なるほど豆腐という食材は形を様々に変え、
また冬には湯豆腐、夏には冷やして
常に人々に愛される食材です。
こんな豆腐のようにどんな状況にも順応し
ていける人間になりたいものです。

さて、豆腐にはよく、紅葉の型抜きにした人参が添えられている
のを目にするのではないかと思います。

この不昧公の歌にも、豆腐に添えられた
紅葉の人参が描かれた絵があります。
この紅葉には実は意味があるそうで、

・豆腐にこうよう(紅葉→効用)がある
ということ、また
・よくこうよう(買うよう)に
というかけ言葉になっているのだそうです。

彩りというだけではなく
紅葉の人参にこんな意味がこめられていたのですね。