送り火

2014-7-16 UP

7月 16日 送り火

ご機嫌よろしゅうございます。

ご先祖様が13日にいらっしゃり、
16日(15日ののところも)送り火の煙とともに、
お帰りになります。

送り火と迎え火は玄関先で、焙烙の皿の上で
オガラや松の割り木などを乗せて燃やします。

オガラは麻の皮をはいだあとに残る芯の部分のことで
麻は古来から清浄な植物として考えられてきました。
悪いものを祓い清め、また燃やすことで
清浄な空間を作り出すという意味が込められて
いるといいます。

毎年8月16日に行われる京都・五山の送り火
(大文字焼き)もお盆の送り火です。

中元(ちゅうげん)

2014-7-15 UP

7月15日 中元(ちゅうげん)

ご機嫌よろしゅうございます。
今日はお中元のお話を。

お世話になった方へ贈り物をする現在のお中元
この習慣は古くは神や御先祖への捧げ物でした。

もともと中国では道教に由来する年中行事として
年三回、それぞれ天官、地官、水官
という神々にささげものをする日があり、
その中で15日に祀る地官のことを「中元」と呼びました。
この中元の神様は善悪を分別し、人間の罪を許す役目なので
さまざまな贖罪の行事が催されます。

この風習が日本にもたらせられ、お盆の祖霊供養に
お供えを贈った風習と混じり合って
仏に供えるお供物を親戚や隣近所に贈る習慣となった
といわれています。

夏は夜

2014-7-14 UP

7月14日 夏は夜

ご機嫌よろしゅうございます。

今日は枕草子の一節をご紹介します。

夏は夜
月の頃はさらなり
闇もなほ、蛍のおほく飛びちがひたる
また、ただ一つ二つなど、ほのかにうち光りて行くもをかし
雨など降るもをかし

月明かりにほのかに光る蛍
そして、突然の夕立

どれも夏の夜にふさわしい、美しい情景です。

「をかし」は趣がある、風情があるといった意味。
日常の風景の中に風情を見つけ、それを巧みな表現力
で表した「枕草子」は「をかし」の文学とも言われます。
特にこの「春は曙…」から始まる四季の一節は
原文で読んでも、確かにその美しさに共感できる
日本人の美しいものに対する感性は、現代に通づるものだと
実感できます。
これが千年以上前に書かれたものであるから驚きです。

お盆

2014-7-13 UP

7月 13日 お盆

ご機嫌よろしゅうございます。

東京では今日がお盆の迎え火です。

お盆には先祖の霊があの世から家族の元に帰ってきて、
再びあの世に帰っていく、という日本古来の祖霊信仰と
仏教が結びついた行事です。

正式には盂蘭盆会(うらぼんえ)といい
盂蘭盆とは、「逆さまに吊るされたような苦しみ」
という意味の仏教用語です。
この苦しみから先祖の霊を救うため
供物を備え、供養します。

日本では推古天皇十四年(606年)には
既に盂蘭盆を行ったという記録があります。

お盆の期間は地域によってさまざまですが
東京では7月13日から7月16日、
その他の地方では8月13日から8月16日に行われる
ことが多いようです。

七夕

2014-7-12 UP

7月12日 「七夕」

ご機嫌よろしゅうございます。

今日は遠州蔵帳所載の茶入で
「七夕」の銘を持つ茶入をご紹介します。

二代大膳宗慶が
これほどの茶入は、大切にして年に一度位に取り出すの
がよいという意味で「七夕」と名付けたと言われており、
内箱書付は大膳宗慶が「七夕」と書き付けています。

遠州公の茶会記には特に記載はありません。

小堀家から神尾若狭守元珍に伝わり、その後小堀家茶道頭
和田晋兵衛の所持となり、同家に伝わりますが
大正時代中村太郎吉の所蔵となります。
「神尾蔵帳」にも記載されています。

小堀家の家紋

2014-7-11 UP

7月11日 小堀家の家紋

ご機嫌よろしゅうございます。
今日は小堀家の家紋について

皆様ご存知の「七宝花菱」は小堀家の家紋であり
正式には「花輪違い紋」と呼ばれています。

もともと小堀家の家紋は、表紋として使われていたものが
「鶴の丸」、裏紋として「丸に卍」が使われていました。
当時の武家は二つの紋を持ち、用途で使い分けていました。
それを、遠州公が改めたのが七宝花菱と言われています。
そして今では遠州流の紋としても使用されていることは5月30日にご紹介
しました。

小堀家に伝わる道具には「鶴の丸」に形どった蓋置
が残っています。

遠州公の美意識によって定められた家紋
東京国立博物館に所蔵される甲冑にも
この「花輪違い」の文様をあしらっており
「武」の中にも遠州公ならではの綺麗さびの心を
織り込んでいることが伝わってきます。

今日お参りすれば一生分の御利益あり

2014-7-10 UP

7月10日  今日お参りすれば一生分の御利益あり
四万六千日

ご機嫌よろしゅうございます。
今日は7月10日

この日には観世音菩薩の縁日が開かれます。
この日に参詣すると、四万六千日分お参りするのと
同じご利益があると言われています。
年に換算すると、約126年に相当し、一年で一生分
参詣できたことになります。

東京では浅草寺や護国寺の四万六千日が有名です。
徳川時代以来、江戸の庶民はこの日に浅草寺に詣でて
雷よけの赤玉蜀黍や、盆の草飾りのほおずきや
つりしのぶを買って帰りました。

この縁日に合わせて、現在でも境内でほおずき市が
催されており、夏にかかせない風景です。

瓢箪(ひょうたん)

2014-7-9 UP

7月 9日 瓢箪(ひょうたん)

ご機嫌よろしゅうございます。

夏になると瓢箪がその実をつけ、愛嬌ある姿を見せてくれます。

瓢箪はユウガオの変種とされ
「ひさご」とも「ふくべ」とも呼ばれ、
初夏に白い花を咲かせ、実は昔から器などにして親しまれてきました。
縦に割り、水をすくったりもされたことから
柄杓も「ひさぐ」→「ひしゃく」となり
「ひさご」から由来する言葉ともいわれています。

4月 18日にご紹介しました、遠州公の好む形としても
代表的なもので、禅の教えに通づるものがあります。

小堀家歴代の印にも瓢箪の形が用いられているのも
この教えに由来するものと考えられます。

この瓢箪という字、実は「瓢」と「箪」別々のものであることを
ご存知でしょうか?

「箪」は竹で編んだ入れ物で、これにご飯を入れ器として使う
ものでした。
「瓢」には飲み物を。これがいつしか一つになり、
瓢箪という名称になったと考えられます。
「一瓢の飲 一箪の食」という言葉もあります。

素麺

2014-7-8 UP

7月8日 素麺(そうめん)

ご機嫌よろしゅうございます。
七夕の昨夜、皆さんは何を召し上がりましたか?

朝廷ではこの日の夜の食事には、中国の故事に基づき
索餅という小麦料理を食べていました。
索には縄をなうという意味があり、
細く紐状にし、二本の縄のように合わせたものだと
考えられています。
中国では7月7日に亡くなった帝の子供が疫病を流行らせ、
その魂を鎮めるために7日の日に
好物だった索餅が供えられていました。

この索餅が奈良時代に日本に伝わり、
麦の収穫期に麦餅を作る風習とともに宮中行事に取り入れられ、
一般にも広がっていきました。

そして索餅はのちに素麺に変わり、
七夕に素麺を食ベるようになったといわれています。

また、そうめんを天の川や織姫の織り糸に見立てて、
七夕に素麺を食べるという説もあります。

この素麺の具、筆者はシーチキンを入れるのが定番です。
コクがでておいしいので必ず入れます。
皆さんのお気に入りの具はなんですか?

七夕

2014-7-7 UP

7月7日 七夕(たなばた)

ご機嫌よろしゅうございます。

今日は七夕
五節句のうちの一つです。
この夜、天の川を隔てて暮らす牽牛(けんぎゅう)と織女が、
一年で一度だけ会える日とされています。
この伝承は奈良時代に中国に伝わり、
平安時代には供え物を庭に並べ、裁縫や管弦などの上達を願いました。

七夕は、この牽牛・織女星の伝説と、
そこから発達した乞巧奠(きっこうでん)の行事に、
日本古来の「棚機つ女(たなばたつめ)」の信仰が
混ざり合って形成されたものです。

このたなばたつめは機で織った布を神におさめ、
病気や災厄が起こらないように、そして裁縫の手が上達するよう
願ったとされていて
もともと7月7日の夕方を表して七夕(しちせき)
と呼ばれていましたが、
この「棚機つ女」がもとになり「たなばた」と
呼ばれるようになりました。

例年曇りがちで、なかなか空がすっきり見られないのが
悩ましいところです。
さて、本来この七夕は旧暦の7月7日でないと星座が違ってしまいます。
従って、残念ながら実際の所
二人が会えることは極めて稀ということになります。