正和 静太郎 号・宗本 大道子 元治元年2月6日(52才)
文化10年(1813)に父宗中が未だ浪々の身で孤篷庵にて生まれる。茶法及び書などは、父宗中に学んだ。
16歳の時、家が再興し、幕臣の子となってからは、父の交友関係の広がりとともに、文芸・芸術方面での学修の道は 大きくなり、絵は狩野派を習熟した。
伝来している作品を見ると、父宗中の書風を学び、遠州の筆跡も会得していることがわかる。「以宗甫筆宗本書之」という 書き方がなければ、流祖遠州と見まごう作品もあるほどである。
父と共に、名器過眼禄及び古文書の整理や茶書の相伝などにも携わった。
元治元年(1864)2月6日、父宗中79歳の時、くしくも遠州と同じ日に父に先立って死去。51歳であった。