3月24日
公開討論会「懐石と菓子」
ご機嫌よろしゅうございます。
昨日は公開討論会がございました。
前半は古い文献を紐解いていきました。
古くはお菓子として、果物など以外に
大根を醤油で煮たものなどの野菜がでた
ということが実際の会記をみてわかります。
また、時にお菓子のない懐石もあり、
その場合は、箸と共に楊枝が出るとお菓子がでないという
暗黙の合図にすることもあるそうです。
遠州公は当時食べ切れないほどの料理の量を
良しとせず、小盛りにしてお出ししたという記録もありました。
後半は、先代と当代宗実御家元の実際行った茶事の記録と
共にその様子を楽しみました。
池内氏の紹介されたエピソードに
先代のいけられた朝茶の朝顔が、
席入れした瞬間蕾が綻んだそうです。
はっと息を飲む瞬間だったと当時の思い出を語られました。
懐石の一つの味噌汁については
たっぷりとかつおをいれてとった煮汁に、
味噌を入れてぐつぐつ煮て灰汁を取ると
とびきり美味しいお味噌汁が出来るのだとか
また、遠州流では懐石の箸に青竹を使用し
焼き物には、中節を 煮物には天節、
それ以外には節なしの青竹を使い、
八寸には両細と、節の位置をそれぞれに変え、
誰が出すにも間違えないように、またお客様にも
箸を変えていることが分かるような工夫がされています。
昔も今も、亭主の心づくしのもてなしで懐石が行われたことがわかります。
他にも様々なお話が伺うことができ、大変楽しい討論会でした。
さて今回の主題でありました「懐石」ですが、
「懐石」と「会席」
この違いについて冒頭、お家元がお話しくださいました。
皆さんはこの違いご存知でしたか?
このお話はまた改めて…。
今回ご参加出来なかった方、
是非次回をお楽しみに。
秋には10月13日(祝・月)第九回秋季講演会(江戸東京博物館において)
「遠州の憧れた定家の世界」というテーマで
國學院大学の豊島秀範先生のお話を伺います。
3月15日 遠州公の愛した茶入「在中庵」
ご機嫌よろしゅうございます。
本日は遠州蔵帳記載の茶入
「在中庵(ざいちゅうあん)」を
ご紹介します。
この茶入はもともと堺の数寄者
道休という人が所持していたもので
遠州公が、道休の住んでいた寺の在中庵から
命銘しました。
遠州公秘蔵の茶入として蔵帳茶入の第一に挙げられていて
およそ55回の茶会で使用しています。
この茶入のためだけに使用する棚
「在中庵棚」まで作るほどの愛蔵ぶりです。
現在では大阪の藤田美術館に収蔵されています。
【告知】
映画 『父は家元』 舞台挨拶のお知らせ
本日3/15(土)17:35より上映の回にて、
小堀宗実御家元の舞台挨拶が決定しました。
当日10:00よりシネモンド窓口にて整理券を配布致します。
舞台挨拶の回は、整理券の順番にご入場いただきます。
整理券のお渡しは、お一人につき2枚までとさせていただきます。
3月13日
「三角抹茶」
ご機嫌よろしゅうございます。
現在映画「父は家元」上映館で小山園より
限定販売している小堀優子さんプロデュース三角抹茶についてご紹介します。
映画をご覧になった方で
既に劇場で購入されていらっしゃるかもしれません。
この「三角抹茶」は一服分の抹茶を三角の
パッケージに詰めていて、
ころんとして大変可愛らしく、それでいて実用的です。
実はこの商品は小山園で製品化され
お家元のお好みの抹茶「初の森」が使用されています。
外出先に携帯したり、お抹茶を飲んだことの無い人にも
気軽に楽しんでもらいたい。
そんな思いから、従来あった個包装の抹茶に
更なる創意工夫を加え、モダンで使いやすいこの商品を作られました。
自宅で楽しむ際にも、一缶消費するまでには
風味も次第に損なわれてしまいますが
この三角抹茶では一回分づつ開封するため
香りも味もいつも新鮮な抹茶が楽しめます。
また立体的な三角の形にすることで、お茶が包装内で固まらず
振るいたての抹茶のように点てやすいのです。
今までありそうでなかった一工夫。
古の教えを守りながら
新しい試みに果敢に挑戦していく
遠州流の教えを体現し
新たな風を吹き込んで下さいました。
【告知】
映画父は家元
明日で福岡中洲大洋の上映が終了いたします。
2月27日 椿餅
椿餅
ご機嫌よろしゅうございます。
そろそろ和菓子屋さんで
「椿餅(つばきもち」が並ぶ頃になりました。
今日はその椿餅についてご紹介します。
「椿餅」は日本最古の餅菓子の一つで
「源氏物語」の若菜の巻上や
「宇津保物語」、「藻塩草」などにも
「つばいもちひ」の名が見られます。
椿餅といえば、椿の葉の間に
俵形の道明寺生地をはさんだもので、
道明寺は関東ではほとんど好まれていませんが
中に餡が包まれています。
2月頃の季節菓子としてよく目にしますが
昔は甘い小豆餡などはまだなく、
甘味は生地に甘葛(あまづら…つたの汁を煮詰めたもの)
を練って団子状にし、椿の葉で包んだもので
現在とは味もだいぶ異なった
ものだったのでしょう。
【告知】
映画 父は家元
金沢:シネモンド
上映時間
(1)10:15~(2)15:30~(3/8~15)
(2)10:15~(2)17:35~(3/15~20)
(1)18:00~(3/21)
映画 父は家元 公式ホームページ
2月25日 天神茶会
ご機嫌よろしゅうございます。
昨日ご紹介しました菅原道真公は
学問の神様として大変有名です。
2月25日は道真公の祥月命日で
遠州公が道真公を大変有名崇敬していたことから
遠州茶道宗家では例年
この日に御自影天神供養茶会が開かれます。
床の間に菅公自筆と伝わる
御自影天神像が掛けられ、
法要の後、お茶をいただきます。
この天神像は、
小堀家に代々伝わる遠州蔵帳所載の掛け物です。
鎌倉時代に描かれており、
遠州公の依頼により江月宗玩禅師が
像の上に賛を追筆しています。
この天神様
法要が終わるとお顔の頬が
ぽ~っと赤らむと言われています。
【告知】
映画 父は家元 公式ホームページ
2月24日 東風吹かば
ご機嫌よろしゅうございます。 成趣庵の梅も見事な花を咲かせてています。 庭に立ち、今を盛りに咲き誇る梅を眺めていると 自然と気持ちもほころびます。
さて皆さんは飛梅伝説をご存知でしょうか?
901年(昌泰4) 時の右大臣であった菅原道真は、 藤原氏の陰謀により無実の罪に問われ、 大宰権帥に左遷させられてしまします。 そして都を離れる日が来ます。
幼い頃より親しんできた自宅の梅の木に、
東風(こち)吹かば匂ひおこせよ梅の花 あるじなしとて春なわすれそ
と詠み、都を後にします。
すると主を想った梅が、一夜のうちに大宰府の道真の元へ 飛んで来たといわれています。
明日は天神茶会です。
【告知】
映画 父は家元 公式ホームページ
2月17日 うど
ご機嫌よろしゅうございます。
今日は旬の食材「うど」を
ご紹介します。
水分量が多く、食物繊維、アスパラギン酸な
ど多く含み栄養価も高い食材です。
意外に思われるかもしれませんが
ウドの出荷日本一が東京です。
自生のものでは若葉、つぼみ、
芽および茎の部分を食用としますが、
栽培されているものは日の当たらない地下で
モヤシのように茎を白く伸ばして出荷します。
東京での生産は江戸時代
江戸時代末期に武蔵野市で始まりました。
人よりも早く初物を食べることが
「粋」とする江戸っ子気質が
春先に独特な香りと歯ごたえの「うど」を
我先に買い求めたようです。
アクが強く、下ごしらえにひと手間かかりますが
ぬたの和えものなどはとても美味しい…そうです。
是非挑戦してみたい食材です。
【告知】
雑誌「財界」3月11日号
2月25日(火)発売 定価610円(税込)
※宗実家元のインタビュー記事が掲載されます。
映画 父は家元 公式ホームページ
2月 12日 鶯餅
ご機嫌よろしゅうございます。
今日は季節の和菓子
「鶯餅(うぐいすもち)」についてのお話
春告鳥とも言われる鶯を思わせる
可愛らしい形のお菓子
「鶯餅」
現在では鶯餅は全国で作られてますが、
発祥は奈良の菊屋というお菓子屋さんとされており
この鶯餅にはこんな逸話があります。
天正の頃(1580年代)
豊臣秀吉の片腕として有名な弟、豊臣秀長は
大和郡山城主でした。(現在の奈良県あたり)
兄である秀吉を招いた茶会に使用するため
珍菓を作るよう
御用菓子司 菊屋治兵衛に命じて
献上されたのがこのお菓子。
秀吉はとても気に入り、
「鶯餅」という菓銘を下賜したということです。
ちなみに遠州公の父 正一次は当時
秀長の家臣として仕えており
遠州公も父と共にこの秀長に
小姓として仕えることとなります。
【告知】
金沢シネモンドにて 3月8日~21日で「父は家元」 の上映決定。
上映時間
(1)10:15~(2)15:20~
映画 父は家元 公式ホームページ
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2月 7日 「和歌を愛でる」展
ご機嫌よろしゅうございます。 現在青山の根津美術館において
企画展「和歌を詠む」が開催されています。
ここにその一文をご紹介します。
季節の移ろいや心の微妙なありようを、
31文字に託して詠んだ和歌は、日本美術と密接な関わりをもち、
さまざまなジャンルで造形化されてきました。
人々は和歌を詠み、流麗な手跡で文字に表し、
また、絵画や工芸に表現された意匠から和歌を読み解き、
茶道具には歌銘を付して新たな価値を見出してきたのです…。
遠州公はまさしくこの「歌銘」を 多くの茶道具に付した方で、
展覧会でも遠州公所縁の丸壷茶入「相坂」が展示されています。
茶入に添えられた江月宗玩筆の「相坂之記」に、
遠州公が『古今和歌集』雑下 読みひとしらずの歌
相坂のあらしの風はさむけれど 行ゑしらねはわひつつそぬる
によって命銘したと記されています。
唐物(からもの)の丸壺茶入を写したもので、
遠州公が最後まで手元に置いていた 愛蔵の品といわれています。
その他、茶道具では 鼠志野茶碗
「山の端」 薩摩文琳「亀尾」 が展示されています。
【告知】
本日より福岡中州大洋にて「父は家元」 上映開始。
(1)10:10(2)12:05(3)14:00
15日以降は未定
9日は(1)の後(2)の前には御家元舞台挨拶を予定しております。
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2月7日
ご機嫌よろしゅうございます。
遠州流茶道ドキュメンタリー映画「父は家元」
テアトル新宿の映画館でも上映が増え、
夕方お仕事帰りの方でもご覧になれるようになりました。
茶道界初のドキュメンタリー映画ということで
流派、茶道経験の有無を問わず多くの方が
ご覧下さり、
TBS系列「王様のブランチ」でもミニシアター部門第5位
に紹介されるなど大変話題となっています。
喜多郎さんの音楽ともあいまって
遠州流綺麗さびの世界が
ドキュメンタリーでありながらドラマティック
に映し出されます。
この映画をきっかけに
遠州流に興味をお持ち下さった方
また、遠州流門人で、このメールマガジンをご覧くださっている方
是非ご一緒に
綺麗さびの世界を感じていきましょう。
このメールマガジンがそのお手伝いとなれば
幸いです。
【告知】
映画 父は家元 テアトル新宿での上映拡大!
○2月8日~14日
平日(1)10:00(2)17:25土日祝(1)10:00(2)20:10
15日以降は未定
○シネリーブル梅田・横浜ニューテアトル 上映中
○2月8日より福岡中州太洋 上映開始
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