2014-8-5 UP

8月5日  虫干し

ご機嫌よろしゅうございます。

梅雨が終わり湿度が下がる7月から8月下旬
しまっておいた着物や書籍、掛物などを
陰干しして虫がついたりカビがつくことを防ぎます。
これを「虫干し」といい、湿気のある日本ならではの
習慣です。

夏の土用の頃にあたることから土用の虫干し
とも言われています。
秋の虫干しは十月下旬から十一月下旬が一般的なようです。

整理も兼ねてと手をつけてみると
しまいこんで忘れてしまっていたものを
思いがけず見つけ、こんなものもあったか
としばし読みふけってしまうこともありませんか?

虫干しはよく晴れた日の午前十時から午後二時
くらいまでに行うのが良いようです。
皆さんも是非なさってみて下さい。

ねぶた

2014-8-2 UP

8月2日 ねぶた

ご機嫌よろしゅうございます。
この時期、青森では有名な「ねぶた祭り」が
行われます。

このねぶたの由来は諸説あるようで
もともとは酷暑でたまった疲れや眠けを、
秋の農繁期の前に水に流そうという
「眠り流し」の行事だとされています。
これに七夕祭りの灯籠流し、送り火の要素が加わって
現在の形につながったようです。

歴史上の人物をかたどった巨大な張り子の
中に灯りをともし、笛や太鼓の音と共に練り歩く
姿は迫力満点です。

賑やかな練り歩きと張り子の灯りも、もとは眠けを
飛ばすためのもの。
その狙い通り、夜の静けさを吹き飛ばす人々の熱気が
今年も祭りを包みます。

ねぷた(弘前)についてはまた改めてお話したいと思います。

八朔(はっさく)

2014-8-1 UP

8月1日  八朔(はっさく)

ご機嫌よろしゅうございます。
今日から8月。
8月は「葉月」とも言われ、
木の葉が紅葉して落ちる月ということから
「葉落ち月」「葉月」となったという説があります。

また8月1日には
昔から農家では早稲の穂を恩人に贈って
「田実(たのむ)の祝い」といわれる
豊作祈願を行いました。
お世話になった人に贈り物をし、
よろしく「たのむ」日とされ、この風習は
後に武家にも伝わりました。

またこの8月1日に秀吉により関八州を与えられた
徳川家康が江戸入城の日でもあり、後に江戸幕府の
大事な式日、八朔御祝儀の日となりました。

この話はまた後日改めてお話したいと思います。

2014-7-31 UP

7月 31日 年寄りの冷や水

ご機嫌よろしゅうございます。

真夏のうだうような暑さには、
冷たく冷やした飲み物や
食べ物が美味しく感じられますね。
でも冷たいものばかり食べていると、
体を冷やしてしまうことはよく言われています。

お年寄が自分の身体の状態を考えずに
無理をするのを注意する言葉を
「年寄りの冷や水」と言ったりします。

水が今ほど満足に使えなかった江戸時代
生水は毒とされ、必ず沸かして利用されていましたが
河の真ん中の水は毒が無いと言う迷信が有り、
夏の暑い時期は隅田川から汲んできた水を
「冷や水」と言って飲料水として氷を浮かべたりして
売り歩いていました。
しかし、街中を流れてる川の水ですから、抵抗力の
弱い高齢の方はお腹を壊してしまいます。
ここからさきほどのことわざが生まれたといわれています。

とはいえ年齢に関わらず
冷たいものの食べ過ぎ飲み過ぎは要注意です。

2014-7-29 UP

7月 29日 土用の丑の日(どようのうしのひ)

ご機嫌よろしゅうございます。

日本の夏 土用の丑の日という言葉は
必ずこの時期に耳にします。

そしてついつい鰻が食べたくなるのも不思議なものです。

この土用の丑の日という言葉は
江戸時代、売れゆきが悪く困っていた近所の鰻屋に
頼まれて博物学者の平賀源内が作り、貼り出したものでした。

もともと丑の日に「う」のつくものを食べる習慣と
あいまって、今日までしっかりと日本人に定着したキャッチコピーです。

土用とは、立春・立夏・立秋・立冬の四季の変わり目の前の
18日間のことを指します。
つまり、土用は本来夏だけではないのですね。

立秋前の土用は暑さが厳しく農作物の収穫にも関わるため
特に重視されてきました。

その土用の間の十二支のうちの丑の日が
「土用の丑の日」にあたります。

海の日

2014-7-21 UP

7月 21日 海の日

ご機嫌よろしゅうございます。

今日は海の日、祝日です。
こちらは比較的近年に制定された休日です。

1876年に明治天皇が東北を巡られ、
青森から横浜へ入港されたことににちなみ、
逓信大臣である村田省蔵氏が提唱し
7月20日が「海の記念日」とされました。
その後、海の仕事に従事している人の運動によって、
1996年に「海の恩恵に感謝し海洋国日本の繁栄を願う日」
として「海の日」として祝日に指定されました。

はじめは7月20日でしたが、2003年の
ハッピーマンデー法制定を受けて
第三月曜日に定まりました。

この祝日を含む三連休、及び7月の1ヶ月間に
「海」に対する理解と認識を高めるため、国土交通省では、
「海フェスタ」など、全国各地で行われる海に関する
様々なイベントの紹介を行っています。

暑中見舞い

2014-7-20 UP

7月 20日 暑中見舞い

ご機嫌よろしゅうございます。

夏になると文房具屋さんには
涼しげな絵柄の暑中見舞い用はがきが並べられます。
近況が綴られたはがきが届くと
とても嬉しいものです。

さてこの暑中見舞い、一体いつ頃から始まったのでしょうか?

昔の人々は、正月とお盆の節目に
親や親戚、お世話になった方を訪問し、
贈り物をする風習がありましたが
遠方のお宅には訪問することができないので、
江戸時代の身分のある人々は、飛脚便などを使って
書状や贈り物を届けたそうです。

これが簡略化されたものが、はがきによる挨拶と思われます。

明治6年に日本のはがき郵便配達が始まり
これを機に、遠方の人にも
挨拶状を送る習慣が広まっていきました。

年賀郵便の制度の開始が明治39年
暑中見舞いのはがきを送る習慣が広まったのは
大正時代頃以降のようです。

この暑中見舞いを出す時期ですが、
土用の入りからとされています。
土用とは、立春・立夏・立秋・立冬の四季の変わり目の前の
18日間のこと。

今日がその土用の入りの日にあたります。

三伏(さんぷく)

2014-7-18 UP

7月 18日 三伏(さんぷく)

ご機嫌よろしゅうございます。

暑さ厳しい毎日が続きます。
今日は三伏のうちの初伏にあたります。

「三伏」とは一年で最も暑い時期をいい、
昔は時候の挨拶でもおなじみでした。

夏至の後、第三の庚(かのえ)の日を初伏、
第四の庚の日を中伏、立秋後の最初の庚の日を末伏と言い、
この三つで三伏といいます。

「木・火・土・金・水」の5つの性質に分類する
陰陽五行説の由来によると、夏という季節は「火」に、
庚の日は「金」に属し、「火は金を溶かす」
という関係から凶とされています。

和漢朗詠集に

池冷水無三伏夏(池冷やかにして水に三伏の夏無し)
松高風有一声秋(松高うして風に一声の秋有り)

という漢詩があります。

池の冷やかな水には、三伏の夏も存在しない。
松の高い梢を吹く風には、はや秋の声を聞く感がある。

この詩を権十郎篷雪公が書いた掛物が宗家に伝わっています。

打ち水

2014-7-17 UP

7月 17日 打ち水

ご機嫌よろしゅうございます。

今日は打ち水のお話を。

温暖化が危惧される現代、打ち水で気温を下げようと
いうイベントが行われているのを時折
ニュースで目にします。

水が蒸発する際、周囲から気化熱を奪い
気温を下げる効果があります。
日本人は古くからこの打ち水で
暑い夏の日に涼を得てきました。
しかし、打ち水は夏の暑い日ばかりに行う
ものではありません。

お茶事では、お客様をお迎えする準備が整った際
門前に打ち水をし、支度の整ったことを知らせます。

日常でも自宅の玄関先にやはり水を打ち、土埃を静め、
清々しさでお客様をお迎えします。

葉から零れる雫や、しっとりと濡らした
地面のみずみずしさ、そこからほのかに漂う清々しい匂い
迎えられる側も玄関先からその心遣いに触れる一瞬です。

撒きムラや、一方向から水を打っていると、
裏にうち残しができてしまい、お客様に見えると
格好悪いものです。
撒きムラや打ち残しのないよう、綺麗に打てると
迎えていただいた方も、道中の暑さをしばし忘れられる
ことでしょう。

送り火

2014-7-16 UP

7月 16日 送り火

ご機嫌よろしゅうございます。

ご先祖様が13日にいらっしゃり、
16日(15日ののところも)送り火の煙とともに、
お帰りになります。

送り火と迎え火は玄関先で、焙烙の皿の上で
オガラや松の割り木などを乗せて燃やします。

オガラは麻の皮をはいだあとに残る芯の部分のことで
麻は古来から清浄な植物として考えられてきました。
悪いものを祓い清め、また燃やすことで
清浄な空間を作り出すという意味が込められて
いるといいます。

毎年8月16日に行われる京都・五山の送り火
(大文字焼き)もお盆の送り火です。