8月5日 虫干し
ご機嫌よろしゅうございます。
梅雨が終わり湿度が下がる7月から8月下旬
しまっておいた着物や書籍、掛物などを
陰干しして虫がついたりカビがつくことを防ぎます。
これを「虫干し」といい、湿気のある日本ならではの
習慣です。
夏の土用の頃にあたることから土用の虫干し
とも言われています。
秋の虫干しは十月下旬から十一月下旬が一般的なようです。
整理も兼ねてと手をつけてみると
しまいこんで忘れてしまっていたものを
思いがけず見つけ、こんなものもあったか
としばし読みふけってしまうこともありませんか?
虫干しはよく晴れた日の午前十時から午後二時
くらいまでに行うのが良いようです。
皆さんも是非なさってみて下さい。
8月2日 ねぶた
ご機嫌よろしゅうございます。
この時期、青森では有名な「ねぶた祭り」が
行われます。
このねぶたの由来は諸説あるようで
もともとは酷暑でたまった疲れや眠けを、
秋の農繁期の前に水に流そうという
「眠り流し」の行事だとされています。
これに七夕祭りの灯籠流し、送り火の要素が加わって
現在の形につながったようです。
歴史上の人物をかたどった巨大な張り子の
中に灯りをともし、笛や太鼓の音と共に練り歩く
姿は迫力満点です。
賑やかな練り歩きと張り子の灯りも、もとは眠けを
飛ばすためのもの。
その狙い通り、夜の静けさを吹き飛ばす人々の熱気が
今年も祭りを包みます。
ねぷた(弘前)についてはまた改めてお話したいと思います。
8月1日 八朔(はっさく)
ご機嫌よろしゅうございます。
今日から8月。
8月は「葉月」とも言われ、
木の葉が紅葉して落ちる月ということから
「葉落ち月」「葉月」となったという説があります。
また8月1日には
昔から農家では早稲の穂を恩人に贈って
「田実(たのむ)の祝い」といわれる
豊作祈願を行いました。
お世話になった人に贈り物をし、
よろしく「たのむ」日とされ、この風習は
後に武家にも伝わりました。
またこの8月1日に秀吉により関八州を与えられた
徳川家康が江戸入城の日でもあり、後に江戸幕府の
大事な式日、八朔御祝儀の日となりました。
この話はまた後日改めてお話したいと思います。
7月 31日 年寄りの冷や水
ご機嫌よろしゅうございます。
真夏のうだうような暑さには、
冷たく冷やした飲み物や
食べ物が美味しく感じられますね。
でも冷たいものばかり食べていると、
体を冷やしてしまうことはよく言われています。
お年寄が自分の身体の状態を考えずに
無理をするのを注意する言葉を
「年寄りの冷や水」と言ったりします。
水が今ほど満足に使えなかった江戸時代
生水は毒とされ、必ず沸かして利用されていましたが
河の真ん中の水は毒が無いと言う迷信が有り、
夏の暑い時期は隅田川から汲んできた水を
「冷や水」と言って飲料水として氷を浮かべたりして
売り歩いていました。
しかし、街中を流れてる川の水ですから、抵抗力の
弱い高齢の方はお腹を壊してしまいます。
ここからさきほどのことわざが生まれたといわれています。
とはいえ年齢に関わらず
冷たいものの食べ過ぎ飲み過ぎは要注意です。
7月 29日 土用の丑の日(どようのうしのひ)
ご機嫌よろしゅうございます。
日本の夏 土用の丑の日という言葉は
必ずこの時期に耳にします。
そしてついつい鰻が食べたくなるのも不思議なものです。
この土用の丑の日という言葉は
江戸時代、売れゆきが悪く困っていた近所の鰻屋に
頼まれて博物学者の平賀源内が作り、貼り出したものでした。
もともと丑の日に「う」のつくものを食べる習慣と
あいまって、今日までしっかりと日本人に定着したキャッチコピーです。
土用とは、立春・立夏・立秋・立冬の四季の変わり目の前の
18日間のことを指します。
つまり、土用は本来夏だけではないのですね。
立秋前の土用は暑さが厳しく農作物の収穫にも関わるため
特に重視されてきました。
その土用の間の十二支のうちの丑の日が
「土用の丑の日」にあたります。
7月 21日 海の日
ご機嫌よろしゅうございます。
今日は海の日、祝日です。
こちらは比較的近年に制定された休日です。
1876年に明治天皇が東北を巡られ、
青森から横浜へ入港されたことににちなみ、
逓信大臣である村田省蔵氏が提唱し
7月20日が「海の記念日」とされました。
その後、海の仕事に従事している人の運動によって、
1996年に「海の恩恵に感謝し海洋国日本の繁栄を願う日」
として「海の日」として祝日に指定されました。
はじめは7月20日でしたが、2003年の
ハッピーマンデー法制定を受けて
第三月曜日に定まりました。
この祝日を含む三連休、及び7月の1ヶ月間に
「海」に対する理解と認識を高めるため、国土交通省では、
「海フェスタ」など、全国各地で行われる海に関する
様々なイベントの紹介を行っています。
7月 20日 暑中見舞い
ご機嫌よろしゅうございます。
夏になると文房具屋さんには
涼しげな絵柄の暑中見舞い用はがきが並べられます。
近況が綴られたはがきが届くと
とても嬉しいものです。
さてこの暑中見舞い、一体いつ頃から始まったのでしょうか?
昔の人々は、正月とお盆の節目に
親や親戚、お世話になった方を訪問し、
贈り物をする風習がありましたが
遠方のお宅には訪問することができないので、
江戸時代の身分のある人々は、飛脚便などを使って
書状や贈り物を届けたそうです。
これが簡略化されたものが、はがきによる挨拶と思われます。
明治6年に日本のはがき郵便配達が始まり
これを機に、遠方の人にも
挨拶状を送る習慣が広まっていきました。
年賀郵便の制度の開始が明治39年
暑中見舞いのはがきを送る習慣が広まったのは
大正時代頃以降のようです。
この暑中見舞いを出す時期ですが、
土用の入りからとされています。
土用とは、立春・立夏・立秋・立冬の四季の変わり目の前の
18日間のこと。
今日がその土用の入りの日にあたります。
7月 18日 三伏(さんぷく)
ご機嫌よろしゅうございます。
暑さ厳しい毎日が続きます。
今日は三伏のうちの初伏にあたります。
「三伏」とは一年で最も暑い時期をいい、
昔は時候の挨拶でもおなじみでした。
夏至の後、第三の庚(かのえ)の日を初伏、
第四の庚の日を中伏、立秋後の最初の庚の日を末伏と言い、
この三つで三伏といいます。
「木・火・土・金・水」の5つの性質に分類する
陰陽五行説の由来によると、夏という季節は「火」に、
庚の日は「金」に属し、「火は金を溶かす」
という関係から凶とされています。
和漢朗詠集に
池冷水無三伏夏(池冷やかにして水に三伏の夏無し)
松高風有一声秋(松高うして風に一声の秋有り)
という漢詩があります。
池の冷やかな水には、三伏の夏も存在しない。
松の高い梢を吹く風には、はや秋の声を聞く感がある。
この詩を権十郎篷雪公が書いた掛物が宗家に伝わっています。
7月 17日 打ち水
ご機嫌よろしゅうございます。
今日は打ち水のお話を。
温暖化が危惧される現代、打ち水で気温を下げようと
いうイベントが行われているのを時折
ニュースで目にします。
水が蒸発する際、周囲から気化熱を奪い
気温を下げる効果があります。
日本人は古くからこの打ち水で
暑い夏の日に涼を得てきました。
しかし、打ち水は夏の暑い日ばかりに行う
ものではありません。
お茶事では、お客様をお迎えする準備が整った際
門前に打ち水をし、支度の整ったことを知らせます。
日常でも自宅の玄関先にやはり水を打ち、土埃を静め、
清々しさでお客様をお迎えします。
葉から零れる雫や、しっとりと濡らした
地面のみずみずしさ、そこからほのかに漂う清々しい匂い
迎えられる側も玄関先からその心遣いに触れる一瞬です。
撒きムラや、一方向から水を打っていると、
裏にうち残しができてしまい、お客様に見えると
格好悪いものです。
撒きムラや打ち残しのないよう、綺麗に打てると
迎えていただいた方も、道中の暑さをしばし忘れられる
ことでしょう。
7月 16日 送り火
ご機嫌よろしゅうございます。
ご先祖様が13日にいらっしゃり、
16日(15日ののところも)送り火の煙とともに、
お帰りになります。
送り火と迎え火は玄関先で、焙烙の皿の上で
オガラや松の割り木などを乗せて燃やします。
オガラは麻の皮をはいだあとに残る芯の部分のことで
麻は古来から清浄な植物として考えられてきました。
悪いものを祓い清め、また燃やすことで
清浄な空間を作り出すという意味が込められて
いるといいます。
毎年8月16日に行われる京都・五山の送り火
(大文字焼き)もお盆の送り火です。