9月 20日 彼岸(ひがん)の入り
ご機嫌よろしゅうございます。
今日は彼岸の入りです。
今日から中日の秋分の日をはさんで
26日までが秋の彼岸となります。
お彼岸には春と秋があり、
お彼岸については春のお彼岸の日にもふれましたが
仏教では、生死の海を渡り到達する悟りの世界を
「彼岸」といい、その反対側の迷いや煩悩に満ちた世界
(私たちがいる世界)を「此岸(しがん)」
と呼んでいます。
彼岸は西にあり、太陽が真東から昇って真西に沈む
秋分と春分は、彼岸と此岸がもっとも通じやすくなると
考えられています。
お彼岸にご先祖供養をするのはこのためです。
暑さ寒さも彼岸まで
近年の異常とも思える記録的な暑さも
ようやく落ち着いてくる頃でしょうか。
9月15日 敬老の日
ご機嫌よろしゅうございます。
今日は敬老の日、祝日です。
この祝日は、長い間社会の為に尽くしてきた
高齢者を敬い、長寿を祝う日です。
ハッピーマンデー法の成立により、9月15日から
9月の第三月曜日に改正されました。
兵庫県のある村で行ったある取り組みから、
祝日に発展したこの「敬老の日」
はじめは「としよりの日」「老人の日」と名称に関して
議論が各地で起こり、1965年に現在の名称に定まりました。
「母の日」のように海外から入ってきた記念日とは異なり、
日本独自の祝日です。
この祝日の由来を
593年の9月15日に聖徳太子がが四天王寺に
悲田院(現在の高齢者施設のようなもの)
を建立した日とする説や
欽明天皇が養老の滝(貧しいきこりがお酒好きな祖父
のために泉から湧き出る酒を汲みにいった)
に御幸した日
とする説など諸説あるようです。
9月9日 重陽の節句
ご機嫌よろしゅうございます。
今日は9月9日 重陽の節句です。
現在ではあまり馴染みが薄いかもしれませんが
端午、七夕などと同じ五節句のうちの一つです。
古来中国では陰陽の考えから奇数を陽とし
その奇数が重なる日を節句としてお祝いしていました。
そして奇数のうちで最も大きい奇数である9が重なる
9月9日は大変おめでたいとされ、
菊を浮かべた酒を飲んだり
被綿(きせわた)といって、真綿で菊を包み、菊の露や香りの移った
その綿で肌をぬらすなどして長寿を祝いました。
「枕草子」にも
菊の露もこちたく
覆いたる綿などもいたれ濡れ、
うつしの香ももてはやされて…
と着せ綿の様子が記されています。
宗家の稽古場でも、この日には
ご先代が大和絵をもとに再現した着せ綿
をお家元が床の間に飾られます。
9月6日 中秋の名月
ご機嫌よろしゅうございます。
明後日の9月8日は十五夜です。
中国では旧暦7月を初秋、8月を仲秋、9月を晩秋といい
それぞれの月の満月の夜には月見の宴を開きました。
特に一年のうちで最も明るく美しい月がでるとされる
仲秋8月15日は、「十五夜」と呼び、愛でられており
日本でもこの風習が平安時代に貴族の間に広まります。
中国では満月が最も美しいとされていましたが、
日本ではこれから満ちて行く月、欠けていく月
新月から満月に至るまでのそれぞれの月に名前をつけ
その月の変化も楽しみました。
立って待つから「立待月(たちまちづき)」
座って待つ「居待月(いまちづき)」
寝て待つから「寝待月(ねまちづき)」
…といった具合です。
遠州公の「満つれば欠くる」美意識
それに共通する、不可足の美の精神が
古くから日本人の心の中にあったことが
この月の名前からも感じられるのではないでしょうか。
さて、今年の十五夜は満月になり、とても珍しいとのこと。
十五夜だから毎回満月…ではないのです
9月 3日 おわら風の盆
ご機嫌よろしゅうございます。
暦の上では秋を迎え、初秋の風の吹く9月。
各地ではお祭りがまだまだ行われています。
その中で幻想的といった言葉が当てはまるのが
この「おわら風の盆」ではないかと思います。
富山県富山市八尾
この地域で元禄の頃から続き、
守り伝えられてきた民謡行事。
夕暮れ時、柔らかい灯りがともされます。
その通りを揃いの浴衣に、編笠の間から少し
顔を覗かせ哀愁漂う音色に合わせて、静かに踊り
練り歩く姿は、とても美しく見る者皆
おわらの世界に引き込まれます。
まさしく幻想的で優美な世界。
その地域の人々の行事として古くから行われ、
あまり観光客向けに派手派手しい趣向に
変化していないところが、
また風情を感じ、秋の夜に相応しく感じられます。
9月1日 長月(ながつき)
ご機嫌よろしゅうございます。
今日から9月となりました。
9月を長月ともいい、
夜が長くなるから、夜長月が縮まって長月と
なったという説があるように
秋の夜長、月を眺め楽しむには最適の
季節が訪れました。
茶の湯の世界では
5月1日にご紹介しました通り、
風炉の灰形が変化する時です。
初風炉の季節に真だった灰形が盛夏に行の灰形となって、
今月から10月までが草となり
流線型の、すっきりとした灰形に形をかえます。
夏を彩ってきた草花も徐々に終わりを告げて行く頃
薄や吾亦紅(われもこう)、薊(あざみ)など
秋風を感じる草花がいっそう床の間に映えます。
8月 31日 やさいの日
ご機嫌よろしゅうございます。
きょうは8月31日、やさいの日です。
16世紀に来日したイエズス会士たちの報告には
当時の日本の食事について
―本来甚だ肥沃にして僅かに耕作することにより、
多量の米を得、即ち当国の主要なる食料なり。
又、麦、粟、大麦、カイコ豆、其の他豆類数種、
野菜は蕪、大根、茄子、萵苣(ちしゃ)のみ、
又、果物は梨、石榴、栗等あれども甚だ少なし。
肉は少なく、全国民は肉よりも魚類を好み、
其の量多く、又、甚だ美味にして佳食なり。
(永禄9年ビレラ書簡)
とあり、大根、茄子などを食べていたことがわかります。
それらももとは外来種で、日本原産の野菜と考えられるのは
フキ・ミツバ・ウド・ワサビ・アシタバ・セリなど。
白菜やトマト、玉ねぎのような
現在私たちが毎日のようにいただく野菜のほとんどは
江戸時代~明治以後に日本に入ってきたもの
ということに驚きます。
8月16日 薮入り(やぶいり)
ご機嫌よろしゅうございます。
今日はお盆の送り火をする方、
お休みを終えて、ご自宅に帰る方も多いかと思います。
その昔、奉公人のお休みは年二回
旧暦でいう1月16日と7月16日で、
この日を「薮入り」と呼びます。
それぞれの前日が旧正月とお盆という重要な行事を終え、
主人に着物やお小遣いを与えられ、
この日ばかりは大手を振って実家に帰ったり、芝居小屋で遊んだり
できる唯一のお休みですから、
どんなにか待ち遠しかったことでしょう。
「盆と正月がいっぺんに来たようだ」
という表現はまさしくこのこと。
お盆の時期は、霊が里帰りして地獄にいないので、
閻魔様もお休みです。
地獄もお休みするくらいだから
人もお休み…といったところでしょうか。
8月 15日 終戦記念日
昭和二十年(1945)年8月15日の正午
昭和天皇による玉音放送によって日本が
無条件降伏したことが国民に伝えられました。
この大戦により、あまりにも多くの方たちが亡くなり
その尊い犠牲の上に、今日の平和があります。
当時の様子を写真や映像でしか目にしない
戦争の悲惨さを知らない世代
にもその想いを伝えていかなければいけません。
今、この平和な時代に生きる幸せを、
未来を担う子供達につなげるために。
8月 6日 解夏
ご機嫌よろしゅうございます。
今日は「解夏」という言葉について
なんと読むかお分かりになりますか?
正解は「げげ」
夏が解けるとは一体どのような意味でしょう?
これは仏教用語で
夏の一時期、僧達が籠って修行する
安居(あんご)が明ける日
のことを指す言葉です。
迷いの中にいるものが、
迷いを抜けた瞬間にみる
強い夏の光
そんな印象が残ります。
小説「解夏」という題名の小説を
さだまさしが書いています。