彼岸(ひがん)の入り

2014-9-20 UP

9月 20日 彼岸(ひがん)の入り

ご機嫌よろしゅうございます。

今日は彼岸の入りです。
今日から中日の秋分の日をはさんで
26日までが秋の彼岸となります。

お彼岸には春と秋があり、
お彼岸については春のお彼岸の日にもふれましたが
仏教では、生死の海を渡り到達する悟りの世界を
「彼岸」といい、その反対側の迷いや煩悩に満ちた世界
(私たちがいる世界)を「此岸(しがん)」
と呼んでいます。

彼岸は西にあり、太陽が真東から昇って真西に沈む
秋分と春分は、彼岸と此岸がもっとも通じやすくなると
考えられています。

お彼岸にご先祖供養をするのはこのためです。

暑さ寒さも彼岸まで
近年の異常とも思える記録的な暑さも
ようやく落ち着いてくる頃でしょうか。

敬老の日

2014-9-15 UP

9月15日 敬老の日

ご機嫌よろしゅうございます。
今日は敬老の日、祝日です。

この祝日は、長い間社会の為に尽くしてきた
高齢者を敬い、長寿を祝う日です。

ハッピーマンデー法の成立により、9月15日から
9月の第三月曜日に改正されました。

兵庫県のある村で行ったある取り組みから、
祝日に発展したこの「敬老の日」
はじめは「としよりの日」「老人の日」と名称に関して
議論が各地で起こり、1965年に現在の名称に定まりました。
「母の日」のように海外から入ってきた記念日とは異なり、
日本独自の祝日です。

この祝日の由来を
593年の9月15日に聖徳太子がが四天王寺に
悲田院(現在の高齢者施設のようなもの)
を建立した日とする説や
欽明天皇が養老の滝(貧しいきこりがお酒好きな祖父
のために泉から湧き出る酒を汲みにいった)
に御幸した日
とする説など諸説あるようです。

9月9日 重陽の節句

2014-9-9 UP

9月9日 重陽の節句

ご機嫌よろしゅうございます。
今日は9月9日 重陽の節句です。

現在ではあまり馴染みが薄いかもしれませんが
端午、七夕などと同じ五節句のうちの一つです。

古来中国では陰陽の考えから奇数を陽とし
その奇数が重なる日を節句としてお祝いしていました。
そして奇数のうちで最も大きい奇数である9が重なる
9月9日は大変おめでたいとされ、

菊を浮かべた酒を飲んだり
被綿(きせわた)といって、真綿で菊を包み、菊の露や香りの移った
その綿で肌をぬらすなどして長寿を祝いました。

「枕草子」にも
菊の露もこちたく
覆いたる綿などもいたれ濡れ、
うつしの香ももてはやされて…

と着せ綿の様子が記されています。

宗家の稽古場でも、この日には
ご先代が大和絵をもとに再現した着せ綿
をお家元が床の間に飾られます。

中秋の名月

2014-9-6 UP

9月6日 中秋の名月

ご機嫌よろしゅうございます。
明後日の9月8日は十五夜です。

中国では旧暦7月を初秋、8月を仲秋、9月を晩秋といい
それぞれの月の満月の夜には月見の宴を開きました。

特に一年のうちで最も明るく美しい月がでるとされる
仲秋8月15日は、「十五夜」と呼び、愛でられており
日本でもこの風習が平安時代に貴族の間に広まります。

中国では満月が最も美しいとされていましたが、
日本ではこれから満ちて行く月、欠けていく月
新月から満月に至るまでのそれぞれの月に名前をつけ
その月の変化も楽しみました。

立って待つから「立待月(たちまちづき)」
座って待つ「居待月(いまちづき)」
寝て待つから「寝待月(ねまちづき)」
…といった具合です。

遠州公の「満つれば欠くる」美意識
それに共通する、不可足の美の精神が
古くから日本人の心の中にあったことが
この月の名前からも感じられるのではないでしょうか。

さて、今年の十五夜は満月になり、とても珍しいとのこと。
十五夜だから毎回満月…ではないのです

おわら風の盆

2014-9-3 UP

9月 3日 おわら風の盆

ご機嫌よろしゅうございます。
暦の上では秋を迎え、初秋の風の吹く9月。

各地ではお祭りがまだまだ行われています。
その中で幻想的といった言葉が当てはまるのが
この「おわら風の盆」ではないかと思います。

富山県富山市八尾
この地域で元禄の頃から続き、
守り伝えられてきた民謡行事。

夕暮れ時、柔らかい灯りがともされます。
その通りを揃いの浴衣に、編笠の間から少し
顔を覗かせ哀愁漂う音色に合わせて、静かに踊り
練り歩く姿は、とても美しく見る者皆
おわらの世界に引き込まれます。
まさしく幻想的で優美な世界。

その地域の人々の行事として古くから行われ、
あまり観光客向けに派手派手しい趣向に
変化していないところが、
また風情を感じ、秋の夜に相応しく感じられます。

長月(ながつき)

2014-9-1 UP

9月1日 長月(ながつき)

ご機嫌よろしゅうございます。
今日から9月となりました。

9月を長月ともいい、
夜が長くなるから、夜長月が縮まって長月と
なったという説があるように
秋の夜長、月を眺め楽しむには最適の
季節が訪れました。

茶の湯の世界では
5月1日にご紹介しました通り、
風炉の灰形が変化する時です。
初風炉の季節に真だった灰形が盛夏に行の灰形となって、
今月から10月までが草となり
流線型の、すっきりとした灰形に形をかえます。

夏を彩ってきた草花も徐々に終わりを告げて行く頃
薄や吾亦紅(われもこう)、薊(あざみ)など
秋風を感じる草花がいっそう床の間に映えます。

やさいの日

2014-8-31 UP

8月 31日 やさいの日

ご機嫌よろしゅうございます。
きょうは8月31日、やさいの日です。

16世紀に来日したイエズス会士たちの報告には
当時の日本の食事について

―本来甚だ肥沃にして僅かに耕作することにより、
多量の米を得、即ち当国の主要なる食料なり。
又、麦、粟、大麦、カイコ豆、其の他豆類数種、
野菜は蕪、大根、茄子、萵苣(ちしゃ)のみ、
又、果物は梨、石榴、栗等あれども甚だ少なし。
肉は少なく、全国民は肉よりも魚類を好み、
其の量多く、又、甚だ美味にして佳食なり。
(永禄9年ビレラ書簡)

とあり、大根、茄子などを食べていたことがわかります。

それらももとは外来種で、日本原産の野菜と考えられるのは
フキ・ミツバ・ウド・ワサビ・アシタバ・セリなど。

白菜やトマト、玉ねぎのような
現在私たちが毎日のようにいただく野菜のほとんどは
江戸時代~明治以後に日本に入ってきたもの
ということに驚きます。

薮入り(やぶいり)

2014-8-16 UP

8月16日 薮入り(やぶいり)
ご機嫌よろしゅうございます。

今日はお盆の送り火をする方、
お休みを終えて、ご自宅に帰る方も多いかと思います。

その昔、奉公人のお休みは年二回
旧暦でいう1月16日と7月16日で、
この日を「薮入り」と呼びます。

それぞれの前日が旧正月とお盆という重要な行事を終え、
主人に着物やお小遣いを与えられ、
この日ばかりは大手を振って実家に帰ったり、芝居小屋で遊んだり
できる唯一のお休みですから、
どんなにか待ち遠しかったことでしょう。

「盆と正月がいっぺんに来たようだ」
という表現はまさしくこのこと。

お盆の時期は、霊が里帰りして地獄にいないので、
閻魔様もお休みです。
地獄もお休みするくらいだから
人もお休み…といったところでしょうか。

終戦記念日

2014-8-15 UP

8月 15日 終戦記念日

昭和二十年(1945)年8月15日の正午
昭和天皇による玉音放送によって日本が
無条件降伏したことが国民に伝えられました。

この大戦により、あまりにも多くの方たちが亡くなり
その尊い犠牲の上に、今日の平和があります。

当時の様子を写真や映像でしか目にしない
戦争の悲惨さを知らない世代
にもその想いを伝えていかなければいけません。

今、この平和な時代に生きる幸せを、
未来を担う子供達につなげるために。

2014-8-6 UP

8月 6日 解夏

ご機嫌よろしゅうございます。
今日は「解夏」という言葉について
なんと読むかお分かりになりますか?

正解は「げげ」

夏が解けるとは一体どのような意味でしょう?

これは仏教用語で
夏の一時期、僧達が籠って修行する
安居(あんご)が明ける日
のことを指す言葉です。

迷いの中にいるものが、
迷いを抜けた瞬間にみる
強い夏の光
そんな印象が残ります。

小説「解夏」という題名の小説を
さだまさしが書いています。