2月 14日「蕗の薹」
ご機嫌よろしゅう ございます。
本日は今が旬の「蕗の薹(ふきのとう)」
についてお話しします。
独特な苦味と香りのある蕗の薹。
子供の頃はなかなか食べたいと思わなかったものですが
次第に、春になると食べたくなるようになるから不思議です。
蕗の薹は日本原産の山菜で、
全国の山野に自生しています。
古くから食用に利用され
てんぷらや、和え物などにして食されます。
食べる部分はつぼみの部分にあたり、
この花が咲いた後に地下茎から
伸びる葉(ふき)が出てきます。
山野に自生する天然の蕗の薹は
雪が解け始める頃に芽を出します。
春の訪れを知らせてくれる
この時期に欠かせない山菜の一つです。
【告知】
映画 父は家元 上映案内
・テアトル新宿 21日まで
・横浜ニューテアトル 14日まで
・福岡中州大洋 21日まで
・金沢シネモンド 3月8日~21日
・名古屋 伏見ミリオン 4月5日~18日
・青森 シネマ・ディクト 4月19日~5月2日
映画 父は家元 公式ホームページ
2月10日 梅
ご機嫌よろしゅうございます。
今日はそろそろ見頃を迎える
「梅」についてお話をしたいと思います。
今日私達が花見といって思い浮かぶのは
桜かと思いますが、
奈良時代には花といえば
梅を指すことの方が主でした。
お雛飾りにも添えられる
「左近の桜 右近の橘」は
平安京の紫宸殿(ししんでん)
に植えられていたものですが
これも創建当初は桜ではなく
梅が植えられていました。
桜が広く好まれるようになるのは
万葉の奈良から世代も移り変わった
平安時代もなかばからのことです。
【告知】
福岡中洲大洋にて「父は家元」
上映開始。
(1)10:10(2)12:05(3)14:00
15日以降は未定
映画 父は家元 公式ホームページ
1月9日
花入
毎年お正月には、お家元が年末に某所竹林の中
急斜面に生える青竹を命綱一本でまさしく命懸けで切って来られ、
これを花入として切り衝羽根(つくばね)や、椿、梅などをいれて飾ります。
茶の湯で使う竹の花入には必ず真竹という種類が使われます。
もともと日本には、真竹と笹が主流でした。
現在私達が食べているのは孟宗竹という種類で、
幕末に琉球を通じて薩摩にはいってきたと言われています。
柔らかくて美味しいのですが、虫に食われやすく、
表面がしわしわになってしまうため花入にするには不向きです。
この竹の花入は茶杓同様、茶人が作る茶道具ですので
茶人の人となりやメッセージが強く感じられる道具です。
今年、お家元がお作りになった花入は3本あり、三ヶ日に対酌亭で使用された花入は
どっしりと力強く、雪割れがあって鮮やかな青い色にいきいきとした生命力を感じます。
じっと眺めていると、なんだかパワーをもらえるようなそんな気がしました。
点初めでは濃茶席(向栄亭)では、それよりも太い竹の花入が使用されるそうです。
是非じっくりとご覧ください。
皆様ご機嫌よろしゅうございます。
本日は季節の花、山茶花(さざんか)についてお話いたします。
《季節の花:山茶花》
山茶花は、その年の気候によってかなり早く咲き始めることもありますが、あまり暖かな季節にふさわしい花とはいえません。
やはり秋風が冷たさを一層加えて、木枯しの吹きすさぶ頃が、まさにこの花の色が美しく映えてくるといえます。
山茶花は、ツバキ科の常緑小高木で、日本及び中国が原産とされ、現在は80種ほどの園芸種もあります。
ツバキ科の中では、最もよく椿に似ており、この実から採れる「さざんか油」もまた「つばき油」と同じ不乾性油で、髪や皮膚に付けると、抜け毛や毛切れ、裂毛を防ぎ、皮膚の炎症を抑え、フケや痒みなどを防止する効能があります。
また、食用としても良いし、時計などの精密機器用の潤滑油としても効果があるので、ほとんど「つばき油」と同じ性質を持っています。
この山茶花という、少し無理のある読ませ方をする名前ですが、もとは椿の漢名(中国の名)である「山茶(さんちゃ)」の「山茶花(さんさか)」の字音が変化したもの、というのが一定の説となっております。
春に花を盛んに咲かせるのを「つばき・椿」とし、それに対し、木も葉も花も実も小振りで、主に、冬に盛んに花を咲かせるのを山茶花としていたとも言われ、一年を通して、人間の眼を楽しませてくれます。
皆様ご機嫌よろしゅうございます。
本日は椿についてお話いたします。
≪季節の花:椿≫
椿は、日本には有史以前から、海流に乗って南方より渡来したといわれ、その時期や経路などは未だに不明とされています。
椿は他に「海石榴(かいせきりゅう)」、「海紅花」などの名を持っておりますが、「海」の字を冠せられることから、海外から上陸したことを表現しているものと思われます。
「やぶつばき」、「ゆきつばき」の二種を原種とし、大きいものでは10メートル近くの大木になるものもあります。
伊豆の大島や四国の室戸岬などがヤブツバキの名所としてよく知られております。
ユキツバキは新潟などの雪国の椿で、雪をかぶった姿は目の覚めるような色彩の妙をかなでます。
この二種を基とした自然交配や人工交配によって、「江戸」「中京」「京」「肥後」などの名花といわれる花々が生まれました。
茶の湯の世界では「炉」の季節、つまり11月~4月までの半年間、椿が茶花の主役を務めます。
炉を開いた始めの頃は、白玉椿など白椿を主に用います。
皆様、ご機嫌よろしゅうございます。
本日は旧暦で9月9日、『重陽の節句』です。
なので本日は菊についてお話いたします。
≪花:菊≫
重陽の節句で見られる着せ綿。
菊の花に染料で染めた真綿を着せたものであり、宗家道場でも先月生けられていた。
平安時代の貴族より習慣があり、菊の露が染み込んだ真綿で体を拭うと、無病長寿となるとされていた。
菊は古くから日本人の習慣や、景色の中に深く溶け込み、江戸時代になるとさらに多くの品種が改良され、品評会なども多く行われた。
ちなみに世界には2万種ほどの菊があり、その点を見ても、いかに人間が菊を好んでいるかがわかる。
また食べ物としても知られ、和え物や天ぷら、団子など様々な調理方法がある。
現在でも国会議員の議員記章や、パスポートなどに菊が用いられ、最も身近なところでいえば50円玉であろう。
本日は菊の節句、重陽。
ふと気づくと、道端に野菊が意外と咲いている。