宗翔さん記事掲載のお知らせ
2021-11-30 UP
2021-11-30 UP
2021-11-26 UP
十四日
さやの中山にかかると
おもいがけず鹿の声が嵐と共に聞こえてくる。
時雨つる 嵐の雪間 月さえて
鹿のねこゆる さ夜の中山
此の山の景色を言い表そうにも言葉がたりない。
大井川にかかると、夜も明け始めた。
嶋田を経て、田中の城主は私が親しくしている方だったので、
手紙をしたためて送る。
岡戸の里を過ぎて、宇津の山にかかる。
見ればみし 人ならねども ふみ分て
道はまよはぬ うつの山ごえ
さらに進んでいき、丸子の里に到着した。
ここで宿をとる。
2021-11-21 UP
■『婦人画報』新年特大号・12月1日発売
〜除災招福「おせち」に集う〜で
遠州茶道宗家の新春迎えと称して
小堀家ご一家が登場します。
日本のお正月風情たっぷりのしつらえ、
お宝級のお道具の数々をご紹介。
また、特別版(ダイヤリー付録なし)の表紙には、
小堀遠州筆「小倉百人一首」かるたを起用しました。
(通常版はダイヤリー付録付となります。)
是非、ご購読ください。
2021-11-19 UP
遠州一行は、夜明け前から舞坂の里を出発し、
しらじらと暁が明ける頃に浜松を通過しています。
天龍川にさしかかり、いけだの舟渡しにかかります。
冷たく寒い風が吹き、
かぜさむしいそぎいけだの舟渡
と狂歌をよんでいます。
1000年も前から続いていた天竜川・池田の渡し。
徳川家康が池田の渡船衆に渡船の運営権が保証されてから、
江戸時代を通じて交通を一手にになってきました。
掛川につくと、かねてより親交のあった城主の出迎えを
うけてしばらく語り合っています。
この日記の書かれた年(1642)の掛川城主は本田忠義
(これまで松平定行とされていましたが、改めます。)
「家康に過ぎたるものが二つあり…」と歌われた本田忠勝
の孫にあたり、遠州公の23歳下になります。
2021-11-11 UP
宗実家元が出演されたトークセッションの開催レポートが公開されました。
於:2021年10月6日(水)東京 よみうりホール
▼京都府×JR東海 presents 歴史文化講座 利休の夢、秀吉の夢〜戦国から拓かれる茶の湯の世界〜開催レポート
souda-kyoto.jp/other/rekishi_kouza/index.html
2021-11-9 UP
小堀宗実家元が審査員を務められました展示会のお知らせです。
第 49 回伝統工芸日本金工展(令和 3 年)
www.nihonkogeikai.or.jp/exhibition/metalwork/49/?tab=info
趣 旨:我が国に古くから伝えられている鋳金、鍛金、彫金等の金属工芸の保存と発展を期し、現代生活に即する作品を創り、広く一般の清鑑と批判を仰ぐことを目的とする。また、21世紀の生活空間に積極的に提案する作品創りを目指す若い人の育成を目的とした、若手育成に特化した出品部門「21⁺部門」を設け、わが国の伝統工芸の発展に寄与する。
日 時:11/6(土)〜11/21(日)
会 場:ギンザタナカ 5階ホール
観覧料:無 料
主 催:(公社)日本工芸会 / 田中貴金属ジュエリー(株)
後援等:文化庁 / 東京都教育委員会 / 朝日新聞社 / (公財)宗桂会 / 石洞美術館 / MOA美術館 / (公財)掛川市文化財団 / 掛川市
2021-11-5 UP
十三日
浜松の里を過ぎると ほのぼのと日が明けてきた。
ここはどこかと供の者に問うと、池田の渡しです
という。さる者が
かぜさむしいそぎいけだの舟わたし
とおもしろいことを言っている。
それを聞いて、またある人が
もちあたためて酒うれるやと
続けるよりも早く、下人たちがもちを食い酒を
飲んでいる姿は面白い。
舟を越えて、見付の里を過ぎる。
行き先は遠江掛川というところ。
ここの城主が宿を出でてお待ちくださっていた。
そこに立ち寄ってしばらくとどまり、
お暇して日坂の宿に一泊する。
ここはさよの中山のふもとである。
山から吹きおろす風で、時雨の雲も吹きはらわれる。
明るく冴えわたる月に、誘われるようにこの里をでる。