2月21日 「雪間草」
ご機嫌よろしゅうございます。
今日は昨日ご紹介した
「雪間の草」の和歌に因んで銘をつけられた
茶碗をご紹介いたします。
「丹波(たんば) 銘・雪間草」
こちらは
日経新聞・文化面の≪心に残る名碗十選≫
でご先代が紹介されています。
花をのみ待つらん人に
山里の雪間の草の春を見せばや
桜を待ち焦がれる人に、雪の間から芽生えた
草の息吹を感じてもらいたい
これを利休がわび茶の心としたということをふまえ
松平不昧がこの銘をつけました。
松平不昧は出雲松江藩の第7代藩主で、
茶の湯を愛好し、遠州に私淑した大名として知られた大名です。
遠州公は各地の国焼きを指導しており、
丹波もそのうちの一つです。
六古窯にも数えられ、古い窯の一つですが
茶碗はほとんど焼かれていないようです。
丹波では
「生野(いくの)」という茶入が有名です。
【告知】
本日をもちましてテアトル新宿での映画 父は家元の上映が終了いたします。
上映時間
(1)10:00(2)17:25
映画 父は家元 公式ホームページ
2月20日 花をのみ
立春を過ぎ、暦の上では春…とはいっても
まだまだ厳しい寒さは続く日々
花の咲きこぼれる
麗らかな春を待ちわびてしまいます。
しかし
こんな春の感じ方も素敵ですね。
花をのみ待つらん人に山里の
雪間(ゆきま)の草の春を見せばや
藤原 家隆
花の咲くのばかり待っている人に、
山里の残雪の間に萌え出る、
若草の春を見せてあげたい。
利休が茶の心を表すのに
用いられた歌でもあります。
厳しい寒さの続く中
雪の間から、若く青い芽が顔を見せている…
静かな中にも内に秘める生命力を感じられる歌です。
【告知】
明日をもちましてテアトル新宿での映画 父は家元の上映が終了いたします。
上映時間
(1)10:00(2)17:25
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2月19日 雨水
ご機嫌よろしゅうございます。
今日は2月19日
24節気の「雨水」にあたります。
立春から数えて15日目頃。
またこの日から啓蟄までの期間をさすこともあります。
空から降るものが雪から雨に変わり、
氷溶け始める頃という意味です。
また草木が芽生え
鶯の声もそろそろ聞かれる頃
農耕の準備を始める目安にもされてきました。
春一番が吹くのもこの頃とされています。
またこの日にお雛様を飾ると
よい伴侶に恵まれるとする言い伝えがあります。
暖かい春まで
あと少しです。
【告知】
雑誌「ひととき」4月号
3月20日(木)発売 定価390円(税別)
※家元のインタビュー記事が掲載されます。
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2月18日 雪舟
ご機嫌よろしゅうございます。
今日は2月18日
室町時代の禅僧画家・雪舟の命日です。
(雪舟の命日については諸説あります。)
今日はこんなお話をご紹介します。
岡山県の宝福寺という禅寺で
禅僧になるため、幼くしてこの寺に入った少年が、
絵を描いてばかりいたことに腹を立てた住職が
少年を本堂の柱に縛りつけます。
夕方になって、本堂を覗いてみると
少年の足もとで一匹の大きな鼠が動き回っています。
住職は危ないとそれを追い払おうとしましたが、
実は少年がこぼした涙を足の親指につけ、
床に描いた鼠でした。
まるで生きているかのように描かれた鼠が
動いているように見えたというわけです。
それ以後、住職は少年が絵を描くのを
決して戒めなくなりました。
この少年が幼き日の雪舟です。
この話は、江戸時代初頭
狩野永納の著した『本朝画史(ほんちょうがし)』に記されており
昔は国語の教科書にも載せられていたそうです。
お話自体の真意はさておき、
子供の頃から、その才能の覚え高かったのでしょう。
雪舟の有名な作品に
「秋冬山水図」(国宝・東京国立博物館蔵)
「天橋立図」(国宝・京都国立博物館)
「楼閣山水図」(重要文化財・京都国立博物館蔵)
などがあります。
【告知】
横浜ニューテアトル・福岡中洲大洋で映画「父は家元」 28日まで上映延長!
上映時間
◎横浜ニューテアトル (1)11:00~
◎福岡中洲大洋 (1)10:15~(2)12:10~
22日以降は未定
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2月17日 うど
ご機嫌よろしゅうございます。
今日は旬の食材「うど」を
ご紹介します。
水分量が多く、食物繊維、アスパラギン酸な
ど多く含み栄養価も高い食材です。
意外に思われるかもしれませんが
ウドの出荷日本一が東京です。
自生のものでは若葉、つぼみ、
芽および茎の部分を食用としますが、
栽培されているものは日の当たらない地下で
モヤシのように茎を白く伸ばして出荷します。
東京での生産は江戸時代
江戸時代末期に武蔵野市で始まりました。
人よりも早く初物を食べることが
「粋」とする江戸っ子気質が
春先に独特な香りと歯ごたえの「うど」を
我先に買い求めたようです。
アクが強く、下ごしらえにひと手間かかりますが
ぬたの和えものなどはとても美味しい…そうです。
是非挑戦してみたい食材です。
【告知】
雑誌「財界」3月11日号
2月25日(火)発売 定価610円(税込)
※宗実家元のインタビュー記事が掲載されます。
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2月16日 官兵衛(蓮華王茶壷)
ご機嫌よろしゅうございます。
今日は大河ドラマ「軍師官兵衛」です。
1月19日には官兵衛が
有岡城に幽閉されたお話しをご紹介しました。
その際織田信長は、
説得に行ったまま戻らない官兵衛が裏切ったと疑い、
竹中半兵衛に官兵衛の人質である
息子・松寿丸の殺害を命じます。
竹中半兵衛は官兵衛と共に
「両兵衛」と称され、
秀吉の軍師として活躍した人物です。
官兵衛の無実を信じた半兵衛は、
松寿丸を殺害したと嘘の報告をし、
密かに美濃の居城にかくまっていました。
有岡城から助け出され、謀反の疑いの解けた
官兵衛は自分の息子の命を救ってくれた
半兵衛に深く感謝しますが
半兵衛は官兵衛が幽閉されている間に
陣中で亡くなっています。
その後、竹中半兵衛の300回忌の際に、
黒田家に「蓮華王茶壷」が進呈されました。
これは豊臣秀吉から竹中半兵衛が拝領したという茶壷です。
時代を経てもなおつながる
半兵衛と官兵衛の絆です。
【告知】
○本日 テアトル新宿での映画「父は家元」の上映は
10時の一回のみです。
○福岡中洲大洋・横浜ニューテアトルにて映画 父は家元 期間を延長して上映中
上映時間
○福岡中洲
(1)10:15
(2)12:10
○横浜ニューテアトル
(1)11:00
○テアトル新宿
(1)10:00
(2)17:25
是非お越しください。
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2月 15日 涅槃(ねはん)
ご機嫌よろしゅうございます。
本日は2月15日
お釈迦様がお亡くなりになった日です。
お釈迦様は釈迦族の王子として生まれ
何不自由なく暮らしますが、
城の外で苦しむ人々の姿を知り、
全てを捨てて、29歳で出家し、
35歳で悟りをひらかれました。
その後45年にわたり仏教の布教の道につくされます。
「この世で変らぬものはなにも無い。
皆、怠らず精進しなさい」。
そのお言葉を最後に、沙羅双樹の下
2月15日 80歳でお亡くなりになります。
このときの様子を絵にしたのが「涅槃図」です。
「涅槃」とはすべての煩悩の火が吹き消された状態、
安らぎ、悟りの境地を指しています。
また、生命の火が吹き消されたということでもあることから、
お釈迦様の入滅をさすこともあります。
この2月15日(3月15日の寺院も)
日本の各寺院では涅槃会
という法要を営むようになりました。
涅槃会で有名な興福寺では
、涅槃経の講讃を主とする法要を
天平勝宝年間(750)頃から
行なっているという記録があります。
【告知】
15日 13:00~14:00
福岡県放送のLOVE FM76.1 めさーじゅブランチ
に宗実御家元が映画のCM・トークでご出演されます。
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2月 14日「蕗の薹」
ご機嫌よろしゅう ございます。
本日は今が旬の「蕗の薹(ふきのとう)」
についてお話しします。
独特な苦味と香りのある蕗の薹。
子供の頃はなかなか食べたいと思わなかったものですが
次第に、春になると食べたくなるようになるから不思議です。
蕗の薹は日本原産の山菜で、
全国の山野に自生しています。
古くから食用に利用され
てんぷらや、和え物などにして食されます。
食べる部分はつぼみの部分にあたり、
この花が咲いた後に地下茎から
伸びる葉(ふき)が出てきます。
山野に自生する天然の蕗の薹は
雪が解け始める頃に芽を出します。
春の訪れを知らせてくれる
この時期に欠かせない山菜の一つです。
【告知】
映画 父は家元 上映案内
・テアトル新宿 21日まで
・横浜ニューテアトル 14日まで
・福岡中州大洋 21日まで
・金沢シネモンド 3月8日~21日
・名古屋 伏見ミリオン 4月5日~18日
・青森 シネマ・ディクト 4月19日~5月2日
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2月13日 「雪の日には紅梅一輪」
ご機嫌よろしゅうございます。
今日は梅にちなんだお話をご紹介します。
遠州の「綺麗さび」と利休の「侘び」
この違いをよく表すエピソードがあります。
ある雪の日、利休がお茶室にお客様を招きますが
その席の床の間には
掛物も花も何も飾ってありませんでした。
利休は
「雪も花である。 雪の日に花は要らぬ」
と話しました。
一方、遠州は
「雪の日には紅梅一輪」
と言っています。
利休の求めるのは
自然の中に見出す厳しさも含んだ美しさ
それと対照的に
雪の路地を抜け、席中に入ってうつる紅梅の色に
ほっと温もりを感じてほしいという
遠州の美意識
それぞれの生きた時代が
その精神性に反映されて生まれた
美しさです。
【告知】
映画 父は家元 上映案内
・テアトル新宿 21日まで
・横浜ニューテアトル 14日まで
・福岡中州大洋 21日まで
・金沢シネモンド 3月8日~21日
・名古屋 伏見ミリオン 4月5日~18日
・青森 シネマ・ディクト 4月19日~5月2日
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2月 12日 鶯餅
ご機嫌よろしゅうございます。
今日は季節の和菓子
「鶯餅(うぐいすもち)」についてのお話
春告鳥とも言われる鶯を思わせる
可愛らしい形のお菓子
「鶯餅」
現在では鶯餅は全国で作られてますが、
発祥は奈良の菊屋というお菓子屋さんとされており
この鶯餅にはこんな逸話があります。
天正の頃(1580年代)
豊臣秀吉の片腕として有名な弟、豊臣秀長は
大和郡山城主でした。(現在の奈良県あたり)
兄である秀吉を招いた茶会に使用するため
珍菓を作るよう
御用菓子司 菊屋治兵衛に命じて
献上されたのがこのお菓子。
秀吉はとても気に入り、
「鶯餅」という菓銘を下賜したということです。
ちなみに遠州公の父 正一次は当時
秀長の家臣として仕えており
遠州公も父と共にこの秀長に
小姓として仕えることとなります。
【告知】
金沢シネモンドにて 3月8日~21日で「父は家元」 の上映決定。
上映時間
(1)10:15~(2)15:20~
映画 父は家元 公式ホームページ
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