沢庵和尚

2014-12-11 UP

12月11日 沢庵和尚

ご機嫌よろしゅうございます。

今日はたくあん漬けで知られる
沢庵 宗彭(たくあん そうほう)和尚を
ご紹介します。
天正元年(1573)12月1日に生まれ、
但馬国出石(いずし)にうまれます。
現在の兵庫県豊岡市あたりです。

徳川幕府の朝廷への圧力が増す中
起きた紫衣事件で出羽国に流罪となり、
その後赦されて江戸に萬松山東海寺を開きました。
書画・詩文に通じ、茶の湯にも親しみ
徳川家光をはじめ、多くの大名や貴族
からの帰依を受けます。

遠州公も、師である春屋宗園との縁から
沢庵和尚とも深い交流を持ち、
茶禅一味の追求をしていきます。

正保2年(1646)2月11日
に亡くなられます。

看々臘月尽(みよみよ ろうげつ つく)

2014-12-10 UP

12月 10日   看々臘月尽(みよみよ ろうげつ つく)

ご機嫌よろしゅうございます。

今日は師走に入るとよく掛けられる
禅語をご紹介します。

看々臘月尽(みよみよ ろうげつ つく)

臘月(ろうげつ)は、十二月の別名です。
看々(みよみよ)とは、良く見なさいという
ような意味。

月日の流れはあっという間
もう十二月も終わってしまいますよ。
よくよく一日一日を大切にしなさい。

また「臘月」は、一年の終わりの12月を指すと
同時に、私たちの人生や命という意味も暗示しています。

十二月があっという間に終わるのと同じように、
人生もあっという間に終わってしまいますよ、
ぼんやり生きず、自分の命をしっかり見つめ直しなさい。

「また今度やればいいや」
普段、ついつい面倒なことを後回しにしがちですが
己の人生と向き合い、
看々臘月尽の心を忘れずに過ごしたいものです。

事始め(ことはじめ)

2014-12-9 UP

12月 9日 事始め(ことはじめ)

ご機嫌よろしゅうございます。

今日は、昨日少し触れました「事始め」について
ご紹介します。

師走に入って、一年を振り返り、そして
新年を迎える支度を始める時期
煤払いや、松飾り、餅つきなどの正月準備が
いよいよはじまります。

これを「事始め」の日といい、
関東ではコトノカミの祭祀を行う八日
に始まるといわれ、
江戸時代には陰陽道の影響から、
陽数(縁起の良い数)である十三から、
十二月十三日が江戸城の「御煤納め」と定められ、
この日が「正月事始め」とされるようになりました。

関西でも十三日が「婚礼日以外全て吉」
といわれる「鬼宿日」であることから、
十三日が事始めという地域も多いようです。

臘八(ろうはち)

2014-12-8 UP

12月  8日  臘八(ろうはち)

ご機嫌よろしゅうございます。

今日は12月8日。
お釈迦様が悟りを開いて仏となった日で
臘月(12月の異名)の8日であることから
臘八とよばれます。

35歳のお釈迦様が、12月1日から7日にかけて、
菩提樹の下で瞑想し、明けの明星を
見て悟りを開いたのだそうです。

成道会(どうじょうえ)、臘八会(ろうはちえ)
とよばれる法要が多くの寺院で行われ、
乳粥がふるまわれたりします。

また関東では、
新年への準備をはじめる「事始め」の日
でもあります。
これについてはまた明日ご紹介します。

大雪(だいせつ)

2014-12-7 UP

12月 7日 大雪(だいせつ)

ご機嫌よろしゅうございます。

今日は24節気の大雪にあたります。

その文字通り、雪が激しく降り始める頃を
指します。
『暦便覧』には

雪いよいよ降り重ねる折からなれば也
とあります。

この時期東京で雪がつもることはなかなか
ありませんが、寒風が吹きすさび
部屋の温もりが恋しくなります。

この頃、日本海の荒波の下では、
寒鰤(かんぶり)がその体に脂肪を蓄え、
美味しさを増していきます。

遠州公の愛した茶入 「飛鳥川(あすかがわ)」

2014-12-6 UP

12月 6日 遠州公の愛した茶入
「飛鳥川(あすかがわ)」

ご機嫌よろしゅうございます。
今日は遠州蔵帳所載の茶入「飛鳥川」を
ご紹介します。

昨日といい今日と暮らして飛鳥川
流れて早き月日なりけり         古今和歌集

の歌からつけられた茶入「飛鳥川」。
遠州公が泉州堺において初めてこの茶入を
見たとき、まだ新しい茶入に見え、
それほどの感動はなかったのですが、
後年再び伏見で見たところ
すっかりとてなれて、思いの他
古色を帯びていたところから、
この歌から銘をつけたと言われています。

寛永十五年の十月に江月和尚を招いて使用したの
をはじめとして、およそ六十九回の使用を
確認でき、いかにこの茶入を遠州公が
愛蔵していたかがわかります。

越の雪(こしのゆき)

2014-12-5 UP

12月5日 越の雪(こしのゆき)

ご機嫌よろしゅうございます。
今日はお菓子のお話を。

日本三大銘菓とよばれるものには
「長生殿」、「山川」、
(これに鶏卵素麺がはいることも)
そして今日ご紹介する「越の雪」
があります。

まるで雪が降り積もってできたような風合い
サイコロのような形のその白く可愛らしいお菓子は
一つ口に入れると、ほろっと溶けて
優しい甘みが広がります。

安永7年(1778年)に長岡藩9代藩主だった牧野忠精公が
病に伏されていた際、 作られたのが「越の雪」の始まりです。

これにより、忠精公から『越乃雪』の名をいただき、
文化6年(1809年)には藩の贈り物用菓子の御用達
となりました。

藩主や藩士の参勤交代の折、贈答品として大変活躍した
ようです。

遠州椿

2014-12-4 UP

12月 4日  遠州椿

ご機嫌よろしゅうございます。

遠州公は茶湯や作事、様々な分野で活躍し、
当時の文化に影響を与えますが、

その影響は着物の文様にも残っています。
着物の文様に「遠州椿」というものがあります。

もともと連歌師が好んで栽培したことや、
江戸時代に入って徳川秀忠や大名が好んで栽培したこと
から、「百椿図」と呼ばれる椿の姿が描かれた本が刊行されたり、
庶民の間でも椿が流行し、様々な品種がつくられ、
より鑑賞的な要素が加わりました。

遠州公も椿を愛好していました。
遠州公が椿を図案化し、
好んで使用した文様であったということから、
その名がついたとされています。

お歳暮(せいぼ

2014-12-3 UP

12月 3日 お歳暮(せいぼ)

ご機嫌よろしゅうございます。

今年も残りあとわずか、ともなると
お世話になった方々へのお歳暮を
お送りしなくてはと準備される方も
多いかと思います。

お歳暮は
もとは新年に来訪する歳神様や祖霊への
お供え物から発生し、のちにその意味合いが
お世話になった方への年末の贈答儀礼として
日本に定着していったといわれています。

新巻鮭が定番であった品物も、
現在では洗剤や菓子等やちょっと珍しい商品まで
様々な選択肢が増えました。

関東では12月に入ってから、
関西では「事始め」以降に贈ることが
多かったようですが、その地域差も
今ではだいぶ縮まっているように感じられます。

一年間を振り返り、贈る相手のことを考えてあれこれと
品物を選ぶのも日本らしい師走の風景です。

細川三斎(ほそかわさんさい)

2014-12-2 UP

12月 2日 細川三斎(ほそかわさんさい)

ご機嫌よろしゅうございます。

今日は利休七哲に一人に数えられる
細川三斎についてご紹介します。

永禄6年(1563)に細川幽斎のことして生まれます。
この幽斎は武人としてだけでなく教養も一流の
文化人で、三斎も大いに影響を受けたことでしょう。

若い頃から千利休に師事し、天正19年(1591)、
秀吉の勘気に触れ、堺へ蟄居の身となった利休を、
古田織部と三斎の二人だけは、
淀の船着場で利休を見送ります。
茶入、茶杓、花入など利休遺品の多くが
細川家に伝わり、細川家由来の道具とともに
目白の永青文庫に収蔵されています。

独創的な茶を行った織部に対し、
三斎の茶は利休の茶を踏襲した特徴のない
茶ともいわれますが、
「細川茶湯之書」の中で、
茶湯は師の茶を真似て一心不乱に修練すれば
数寄者とも評価されるのだ
と三斎独自の理論を語っています。