相坂

2014-3-22 UP

3月22日 遠州公の愛した茶入「相坂」

ご機嫌よろしゅうございます。
今日は遠州蔵帳所載の茶入
「相坂(おうさか)」をご紹介します。

瀬戸の窯で丸壺はあまりないようで
大変珍しいものです。

大切なお道具には、本体そのものは小さくても
仕服や蓋、盆など様々な付属がつき、
、その何倍にもなる大きな包みにくるまれていたりします。
この「相坂」もが仕服が四種に牙蓋が七枚、盆なども
作られ、その遠州公の愛憎ぶりが伺えます。

茶会では12、3回ほど使用しています。

「逢坂の嵐の風は寒けれど 行衛しらねば侘びつつぞぬる」
古今集 読み人知らず
の歌による銘で
これほどの茶入にまた合うことはないだろうとの
意味がこめられています。

春分の日

2014-3-21 UP

3月21日「春分の日」

ご機嫌よろしゅうございます。
今日は「春分の日」
祝日です。

この日は
昼と夜が同じ長さになる日とされていて
国民の祝日に関する法律には
春分の日は
「自然をたたえ、生物をいつくしむ。」日で
春分日を祝日とすると定められています。

太陽の通り道を「黄道」といい、
地球の赤道を天に延長したものを「天の赤道」といいます。
黄道と天の赤道は、お互いが傾いているため2点で交わります。
その交点をそれぞれ「春分点」「秋分点」と呼びます。

そして、太陽が春分点・秋分点の上を通過する瞬間が
それぞれ「春分」「秋分」と定義され、
「春分」「秋分」を含む日のことを、
それぞれ「春分日」「秋分日」と呼ぶそうです。

前年の2月1日に、春分の日・秋分の日の日付が書かれた
「暦要項(れきようこう)」が官報に掲載されることによって、
祝日が決まります。

黒田如水

2014-3-20 UP

3月20日 黒田如水

ご機嫌よろしゅうございます。
今日3月20日は黒田如水(官兵衛)の命日です。

軍師として活躍し、名将の誉高い官兵衛ですが
「連歌」や「茶の湯」を嗜む文人としての才も持つ人物でした。

しかし官兵衛は当初、茶の湯は
「勇士の好むべきことでない」と考えていました。
その官兵衛の考えを変えた秀吉との
逸話が「名将言行録」に記されています。

秀吉は「武士が他の場所で密談をすれば人の耳目を集めるが、
茶室ならば人に疑われることもない」
そう官兵衛に話したと書かれています。
その後官兵衛はその奥深さに魅了され
とくに千利休を尊敬し、
秀吉の邸宅・聚楽第(じゅらくだい)で開かれた茶会で、
官兵衛が秀吉や利休と同席したという記録が、
「天王寺屋会記(てんのうじやかいき)」に残っています。

また官兵衛の茶の湯観を表した
『黒田如水茶湯定書(くろだじょすいちゃのゆさだめがき)』
を残しており(こちらはまた改めてお話ししたいと思います)
「(自分の流儀は)我流にてはなく利休流にて候」と書いています。

菜種梅雨(なたねづゆ)

2014-3-19 UP

3月 19日  菜種梅雨(なたねづゆ)

ご機嫌よろしゅうございます。
近頃陽気も少しづつ穏やかになってきましたが、
時にしとしとと雨も降ります。

3月中旬から4月にかけて
菜の花が咲きだす頃、
雨になったり、霞がかかったりして
ぐずった天気となることがあります。
これを菜種梅雨とか
春霖(しゅんりん)といいます。
霖は長雨のことをいいます。

菜の花をはじめ色々な花を催す(咲かせる)という意味で、
「催花雨(さいかう)」という別名もあります。
同じ発音の「菜花雨」(菜種の花の雨)から
「菜種梅雨」になったという説もあります。

彼岸の入り

2014-3-18 UP

3月 18日  彼岸(ひがん)

ご機嫌よろしゅうございます。
今日は「彼岸」の入りです。
お彼岸とは、「春分の日」または「秋分の日」を
中日とした前後3日間ずつを含む7日間の事です。

彼岸は、到彼岸を略したもので、
彼岸へ到達するという意味です。
この彼岸とは悟りの境地であり、
阿弥陀如来のいらっしゃる西方浄土を意味します。

太陽が真西に沈む春分、秋分の日に
この西方浄土に夕日が一番近くなります。

西方浄土の思想をもつ浄土教が
日本に広まった平安時代から、
お彼岸も普及し始めたようです。

ご先祖様達のいる浄土へ想いを馳せ、
感謝の気持ちを表しましょうという期間です。

また「暑さ寒さも彼岸まで」といわれるように
寒さもようやく和らぐのもこの時期です。

【告知】
映画 父は家元 最新情報

~21日(金)    上映中
金沢会場:シネモンド     http://cine-monde.jimdo.com/

3月22日(土)~28日(金)
熊本会場:Denkikan(デンキ館)   http://www.denkikan.com/

映画 父は家元 公式ホームページ

満れば欠くる

2014-3-17 UP

3月17日 「満つれば欠くる」

ご機嫌よろしゅうございます。
今夜は満月です。

遠州公の美意識を表す言葉に
「満つれば欠くる」
というものがります。

完全なものよりも
ほんの少し足りない
これから満ちていくものに
美しさや、生命力を見出す
不足の美です。

この美意識は遠州流の教えの
至るところに込められています。

一例を挙げれば

お点法で道具を清める際に使う袱紗という布。
遠州流ではその寸法を

矩尺(かねじゃく)

縦九寸五分

横九寸として
二つ折りにして捌くとき、
敢えてピッタリ重ならないようになっています。

また遠州公の好みである「前押(まえおせ)」という茶碗の形
これは真ん丸く作った茶碗の正面を
敢えてわずかにへこませてあります。

これから満ちていくその力、その美しさ
それが「満つれば欠くる」の美意識です。

【告知】
第27回公開討論会を開催致します。

日時:平成26年3月23日(日) 午後1時~4時
会費:お一人様2,500円
テーマは『懐石と菓子』
申込方法 電話(03-3260-3551)にて受付
郵便振替:00190-5-770872 財団法人小堀遠州顕彰会

官兵衛

2014-3-16 UP

3月16日  官兵衛(遠州公郡山時代)

ご機嫌よろしゅうございます。

日曜日になりましたので
大河ドラマに関連したお話しを。

織田信長が光秀に打たれ、
官兵衛の一言に我に返った秀吉が
その後明智を破り、天下を握ることとなりました。

この本能寺の変の後
秀吉の関白就任、秀長転封と続き
これに伴い、遠州の父も郡山に移ったことは
以前お話しました。
この時遠州七歳。

これから十七歳までの約十年間を
この郡山で過ごします。

遠州が十歳の時、
初めて利休に会うことになります。

天正十六年(1588)
秀長が秀吉を招いた茶会が行われ
その秀吉へお茶を運ぶ役に選ばれます。

その茶の湯の利休を呼び寄せ
前日の秀長は直接指導を受け、幼少の作介(遠州)
もまた利休の言葉を
耳にしたのです。

天下人であっても茶の湯を通じて
対等に接することができる
それを目の当たりにした茶会となります。

この十歳の出会いは後の
遠州に大変大きな影響を与えたのでした。

遠州公の愛した茶入

2014-3-15 UP

3月15日 遠州公の愛した茶入

ご機嫌よろしゅうございます。
本日は遠州蔵帳記載の茶入
「在中庵(ざいちゅうあん)」を
ご紹介します。

この茶入はもともと堺の茶人
道休という人が所持していたもので
遠州公が、道休の住んでいた寺の名前の在中庵から
命銘しました。

遠州公秘蔵の茶入として蔵帳茶入の第一に挙げられていて
およそ55回の茶会で使用しています。

この茶入のためだけに使用する棚
「在中庵棚」まで作るほどの愛蔵ぶりです。

現在では大阪の藤田美術館に収蔵されています。

【告知】

大ヒット御礼!映画父は家元凱旋上映!

4月12日(土)~25日(金)
東京会場:シネ・リーブル池袋  http://www.ttcg.jp/cinelibre_ikebukuro/
東京都豊島区西池袋1-11-1 池袋ルミネ8階(池袋駅すぐ側)電話03-3590-2126
※上映時間は未定。(劇場にご確認ください)

【埼玉会場】
4月12日(土)~18日(金)
所沢:新所沢レッツシネパーク  http://www.ttcg.jp/lets_tokorozawa/
埼玉県所沢市緑町1-2-1新所沢PARCO+Let’sLet’s館4階 電話04-2998-8000
※上映時間は未定。(劇場にご確認ください)

在中庵

2014-3-15 UP

3月15日 遠州公の愛した茶入「在中庵」

ご機嫌よろしゅうございます。
本日は遠州蔵帳記載の茶入
「在中庵(ざいちゅうあん)」を
ご紹介します。

この茶入はもともと堺の数寄者
道休という人が所持していたもので
遠州公が、道休の住んでいた寺の在中庵から
命銘しました。

遠州公秘蔵の茶入として蔵帳茶入の第一に挙げられていて
およそ55回の茶会で使用しています。

この茶入のためだけに使用する棚
「在中庵棚」まで作るほどの愛蔵ぶりです。

現在では大阪の藤田美術館に収蔵されています。

【告知】

映画 『父は家元』 舞台挨拶のお知らせ

本日3/15(土)17:35より上映の回にて、

小堀宗実御家元の舞台挨拶が決定しました。

当日10:00よりシネモンド窓口にて整理券を配布致します。

舞台挨拶の回は、整理券の順番にご入場いただきます。

整理券のお渡しは、お一人につき2枚までとさせていただきます。

三寒四温

2014-3-14 UP

3月 14日 「三寒四温(さんかんしおん)」

ご機嫌よろしゅうございます。
春先になると「三寒四温(さんかんしおん)」
という言葉をよく耳にしますね。

「三寒四温」は
寒い日が三日、そのあと暖かい日が四日
続くといったぐあいに
寒暖が繰り返される現象です。
しかし、日本で実際にこの周期で気温差がある
というわけではありません。

もともとは中国に由来する言葉で
朝鮮半島や中国河北などが当てはまり、
冬の時期に寒暖の周期を表す言葉だったのが
日本にこの言葉が入ってきて、
寒暖の差がはっきりと現れる春先に
この言葉を用いる人が多くなったと考えられます。

言葉は時代とともに変わりゆくもの
ということでしょうか。
【告知】

映画 『父は家元』 舞台挨拶のお知らせ

3/15(土)17:35より上映の回にて、

小堀宗実御家元の舞台挨拶が決定しました。

当日10:00よりシネモンド窓口にて整理券を配布致します。

舞台挨拶の回は、整理券の順番にご入場いただきます。

整理券のお渡しは、お一人につき2枚までとさせていただきます。