7月10日 今日お参りすれば一生分の御利益あり
四万六千日
ご機嫌よろしゅうございます。
今日は7月10日
この日には観世音菩薩の縁日が開かれます。
この日に参詣すると、四万六千日分お参りするのと
同じご利益があると言われています。
年に換算すると、約126年に相当し、一年で一生分
参詣できたことになります。
東京では浅草寺や護国寺の四万六千日が有名です。
徳川時代以来、江戸の庶民はこの日に浅草寺に詣でて
雷よけの赤玉蜀黍や、盆の草飾りのほおずきや
つりしのぶを買って帰りました。
この縁日に合わせて、現在でも境内でほおずき市が
催されており、夏にかかせない風景です。
7月 9日 瓢箪(ひょうたん)
ご機嫌よろしゅうございます。
夏になると瓢箪がその実をつけ、愛嬌ある姿を見せてくれます。
瓢箪はユウガオの変種とされ
「ひさご」とも「ふくべ」とも呼ばれ、
初夏に白い花を咲かせ、実は昔から器などにして親しまれてきました。
縦に割り、水をすくったりもされたことから
柄杓も「ひさぐ」→「ひしゃく」となり
「ひさご」から由来する言葉ともいわれています。
4月 18日にご紹介しました、遠州公の好む形としても
代表的なもので、禅の教えに通づるものがあります。
小堀家歴代の印にも瓢箪の形が用いられているのも
この教えに由来するものと考えられます。
この瓢箪という字、実は「瓢」と「箪」別々のものであることを
ご存知でしょうか?
「箪」は竹で編んだ入れ物で、これにご飯を入れ器として使う
ものでした。
「瓢」には飲み物を。これがいつしか一つになり、
瓢箪という名称になったと考えられます。
「一瓢の飲 一箪の食」という言葉もあります。
7月8日 素麺(そうめん)
ご機嫌よろしゅうございます。
七夕の昨夜、皆さんは何を召し上がりましたか?
朝廷ではこの日の夜の食事には、中国の故事に基づき
索餅という小麦料理を食べていました。
索には縄をなうという意味があり、
細く紐状にし、二本の縄のように合わせたものだと
考えられています。
中国では7月7日に亡くなった帝の子供が疫病を流行らせ、
その魂を鎮めるために7日の日に
好物だった索餅が供えられていました。
この索餅が奈良時代に日本に伝わり、
麦の収穫期に麦餅を作る風習とともに宮中行事に取り入れられ、
一般にも広がっていきました。
そして索餅はのちに素麺に変わり、
七夕に素麺を食ベるようになったといわれています。
また、そうめんを天の川や織姫の織り糸に見立てて、
七夕に素麺を食べるという説もあります。
この素麺の具、筆者はシーチキンを入れるのが定番です。
コクがでておいしいので必ず入れます。
皆さんのお気に入りの具はなんですか?
7月7日 七夕(たなばた)
ご機嫌よろしゅうございます。
今日は七夕
五節句のうちの一つです。
この夜、天の川を隔てて暮らす牽牛(けんぎゅう)と織女が、
一年で一度だけ会える日とされています。
この伝承は奈良時代に中国に伝わり、
平安時代には供え物を庭に並べ、裁縫や管弦などの上達を願いました。
七夕は、この牽牛・織女星の伝説と、
そこから発達した乞巧奠(きっこうでん)の行事に、
日本古来の「棚機つ女(たなばたつめ)」の信仰が
混ざり合って形成されたものです。
このたなばたつめは機で織った布を神におさめ、
病気や災厄が起こらないように、そして裁縫の手が上達するよう
願ったとされていて
もともと7月7日の夕方を表して七夕(しちせき)
と呼ばれていましたが、
この「棚機つ女」がもとになり「たなばた」と
呼ばれるようになりました。
例年曇りがちで、なかなか空がすっきり見られないのが
悩ましいところです。
さて、本来この七夕は旧暦の7月7日でないと星座が違ってしまいます。
従って、残念ながら実際の所
二人が会えることは極めて稀ということになります。
7月6日 朝顔市が始まります
ご機嫌よろしゅうございます。
今日から三日間、下町入谷で毎年恒例の
朝顔市が始まります。
朝顔は牽牛花(けんぎゅうか)の別名があり
七夕の牽牛・淑女の、牽牛の花と書くことから
七夕の前後の三日間、開催されるようになりました。
例年、土日は人が行き来出来ないほどの賑わいをみせ
夏の風物詩にもなるお祭りですが、
入谷の名物となったのは明治に入ってからで、
十数件の植木屋が朝顔を造り、鑑賞させたのが
はじまりといわれています。
江戸時代末期から、花粉の交配によって様々な花を咲かせる
「変わり咲き」が大変流行し、
当時は一千種類もの朝顔があったといいます。
その後、一度姿を消した朝顔市ですが、
戦後地元の人々の協力によって、
現在の朝顔市が蘇りました。
今年の朝顔市に行かれましたら
是非ご感想をお聞かせください。
7月 5日 遠州公の愛した茶入「瀧浪(たきなみ)」
ご機嫌よろしゅうございます。
本日は遠州蔵帳所載「瀧浪(たきなみ)」
についてご紹介します。
この茶入の正面に流れる釉薬の景色が
瀧浪のように見えることから
遠州公が名銘しました。
なるほどよく見ているとまるで
目の前に滝がしぶきをあげて流れ落ちるような
景色が思い浮かびます。
家臣である勝田八兵衛が
この茶入を遠州公に献じたところ、
その褒賞として青江の脇差を与えたことから
「青江(あおえ)」とも呼ばれています。
青江は豊富な鉄資源の産地である備中の刀工の一派です。
後に松平不昧公にも伝わり、
「雲州蔵帳」にも記載されています。
7月 4日 テディベアと遠州流
ご機嫌よろしゅうございます。
皆さんはテディベアご存知でしょうか?
このクマのぬいぐるみは、子供から大人まで
広く愛されています。
シュタイフ社(Steiff)は、1880年にドイツで誕生し、
世界で初めてテディベアを作りました。
職人の手作業で一体ごと丁寧に作られています。
このシュタイフ社では世界限定ベアを制作しています。
例年この限定物は瞬時に売り切れてしまうそうです。
この夏
お家元監修の茶道テディベアがシュタイフ社発売されます。
詳細はまた後日に
今回の限定テディベアは世界限定1500体。シリアルナンバーが刻まれた証明書が付いているそうです。
7月 3日 山開き
ご機嫌よろしゅうございます。
例年7月1日には富士山の山開きがされ、
登山愛好者の待ちに待った登山の解禁となります。
昨年、世界文化遺産認定で話題となりました富士山ですが
かつてはそれ自体が御神体であり、多くの行者が修行する
信仰の山でした。
江戸時代には富士講と呼ばれる信仰が庶民にまで広がり
参拝登山するようになりました。
白装束に身を包み、「六根清浄」と唱えながら登ります。
その山開きが
残雪などを理由に
今年から山梨側、静岡側の登山ルートで開山期間が異なり、
静岡側が7月10日からとなることが決まったそうです。
同じ山なのに登る場所によって
山開きの日が異なるとは
なんだが不思議な気がしませんか?
7月2日 半夏生(はんげしょう)
ご機嫌よろしゅうございます。
今日は半夏生(はんげしょう)です。
この日は
夏至から数えて約11日目にあたります。
昔から田植えの目安とされこの頃までには
田植えを終えるべきとされています。
関西では稲が蛸足のように根をはって豊作に成るように
という願いを込めて蛸を食べたり、
四国では「半夏うどん」といって田植え後にうどんを
打って食べるなど、地域によって様々な風習があります。
またこの頃には、
天から毒気が降るので井戸に蓋をしたり、
この時季に筍・わらびなどを食べないという禁忌があったそうです。
7月1日 文月(ふみつき)
ご機嫌よろしゅうございます。
今日から7月。
旧暦7月の異称である文月は、
七夕に短冊に詩歌や文字(文字上達を願って)を書いて
笹につけて飾る風習があるから「文披月(ふみひらきづき)」
七夕の夜に書物を夜風に当てる風習ので「文の月」
となったとか
稲穂の実が熟し始める「穂含月(ほふみつき)」
からとも言われています。
梅雨があけると夏もいよいよ本番です。
着物も絽や紗といった薄物になり
軒先に
風鈴を吊るして、耳で涼しさを感じたり、
日本では暑さをしのぐ工夫が
昔から行われてきました。
四季の移り変わりを感じる余裕も
なくなっていることの多い近年ですが、
そういった夏の設えをどこかでふと目にした時、
その風情に、日本らしさを感じ、豊かな気持ちになるのは
やはり、日本人が古くから培ってきた
特有の感性を忘れず持っているからではないかと思います