除夜釜

2014-12-31 UP

12月 31日 除夜釜

ご機嫌よろしゅうございます。

いよいよ今年も今日で最後となりました。
宗家の大晦日は例年、除夜釜が行われ
今年一年締めくくりの茶となります。

寄付きでは24日にご紹介した出来立ての
柔らかい甘みの蕎麦がきが振舞われ、
小間・成趣庵ではお家元自らお客様に
濃茶を練ってもてなしてくださいます。

この炉中の火は、埋み火(うづみび)といって
年を越すまで火をつなぐため、炭に灰を
かけておきます。
そしてこの火を、年が改まった翌朝
初炭で釜を掛け直します。

遠州流茶道の宗家で代々守られてきた
暮れから正月の厳粛で、神秘的な行事です。

さて、このメールマガジンも今年元日より始まり、
毎日配信を続け、無事大晦日まで迎えることができました。
ご愛読ありがとうございます。
来年も引き続きまして、
皆様に更なる茶の湯の魅力、
遠州流茶道の魅力をお伝えしていければ
と思っております。
どうぞよろしくお願いいたします。

大津馬(おおつうま)

2014-12-30 UP

12月 30日 大津馬(おおつうま)

ご機嫌よろしゅうございます。

宗家の除夜釜では例年、
寄付の床に飾られる掛物があります。

何ゆゑかおもに
おほ津のうまれきて
なれもうき世か我もうきよに

という歌とともに描かれた大津馬。

大津馬とは大津の宿駅で、荷物の運送に使われていた
馬の事をいいます。

12月11日にご紹介した沢庵和尚が配流の前に、
江戸に呼ばれて東下りする途中に
詠んだ和歌といわれており、
その歌意を汲んで、松花堂昭乗が「大津馬」
を描いたとされる絵が、
根津美術館に残っています。
この寄付に掛けられる大津馬はその絵の
宗中公の写しです。

この馬を眺めていると
一年の時の流れと人の一生、
そんなことをふと考えてしまうような気がします。

今年の干支は午(うま)でした。
皆様の今年一年はどんな年でしたでしょうか?
明日はいよいよ大晦日です。

大応国師(だいおうおくし)

2014-12-29 UP

12月 29日 大応国師(だいおうおくし)

ご機嫌よろしゅうございます。

今日は南浦紹明(大応国師)のご命日にあたります。

南浦紹明は25才の時に、中国の唐に渡って
9月4日にご紹介した虚堂智愚に禅を学び、
帰国の際、台子を日本に持ち帰った
といわれています。
大応国師の弟子・宗峰妙超(大燈国師)が
京都の大徳寺を開山します。
そしてこの弟子が関山慧元といって、
禅宗にとってこの師弟の流れが大変重要な意味を
もつことからそれぞれの三文字をとって
「応燈関」といわれています。

中国から帰って「妙勝寺」でその教えを弟子たちに
伝え、晩年ここで暮らしました。
その後酷く荒廃してしまったこの寺を
大応国師を尊敬する一休禅師が、
長い年月をかけて修復をし、「報恩庵」
(国師の恩に報いる)として
自らも住まわれました。

益田鈍翁(ますだどんのう)

2014-12-28 UP

12月 28日 益田鈍翁(ますだどんのう)

ご機嫌よろしゅうございます。

今日は近代の実業家であり茶人であった
益田鈍翁の命日にあたります。

幕末の佐渡の幕臣の家に生まれますが
上京して大蔵省に入省します。
後、三井物産を創業。
茶の湯は不白流川上宗順に学び、
大師会・光悦会などの大茶会を催すなど
茶道復興に大きく寄与しました。

鈍翁の有名なエピソードとしては、
佐竹本三十六歌仙があります。

戦後、高額すぎて一人では購入できなくなっていた
佐竹本三十六歌仙の絵巻物。海外流出を恐れ、
鈍翁の発案で、三十六枚に切断し、
それぞれクジで入手者が決められました。

斎宮女御が欲しかった鈍翁ですが、クジで当たったのは
人気が低い僧侶の絵。
鈍翁は大変不機嫌になり、斎宮の当たった人物が
「交換致しましょう。」と声をかけ、
大変満足されたというお話しも残っています。

鐘聲(かねのこえ)

2014-12-27 UP


12月 27日 鐘聲(かねのこえ)

ご機嫌よろしゅうございます。

今日は遠州蔵帳所載の茶入ではなく
先々代から当代のお家元まで、
大晦日の除夜釜で使用している
「鐘聲(かねのこえ)」という銘の茶入を
ご紹介します。

大正12年震災により、稽古中水屋に置いてあった
一つの茶入が割れてしまいました。
当時は稽古道具というものはなく、お弟子さんが
お稽古をする際にも小堀家に伝わる、歴史ある
道具が使われていました。

その茶入も利休が好んだとされる利休瀬戸。
それが見事に割れてしまったのです。

先々代の宗明宗匠は、その茶入の破片を丁寧に
つなぎ合わせ、歌銘を添えました。

百八の煩悩くだく鐘の音に
鬼もすみかにたちかへるらむ

壊れたことで、逆に道具に新しい命が吹き込まれ
以後、除夜の鐘が打たれる年の瀬に、
この茶入が用いられるようになりました

御用納め(ごようおさめ)

2014-12-26 UP

12月26日 御用納め(ごようおさめ)

ご機嫌よろしゅうございます。

今日は今年最後のお仕事に向かわれている方も
多いのではないかと思います。

この日を「仕事納め」とか「御用納め」
などといい、官公庁では、
行政機関に関する法律により、
二十九日から一月三日を休日としていて
民間の企業もこれに準じでお休みとしている
ところが多いようです。

今年のように二十八日が日曜だと
二十六日の今日が御用納め。

今年一年
お仕事お疲れ様でした。

まだまだお仕事が続く方、
あともう少し頑張りましょう。

今日は何の日?

2014-12-25 UP

12月25日 今日は何の日?

ご機嫌よろしゅうございます。

今日は12月25日。
イエスキリストの誕生を祝う降誕祭は、
もはやすっかり日本に根付いた
一大イベントになりました。

しかし今日はもう一つ、
「終い天神(しまいてんじん)」
という日でもあります。

学問の神様である菅原道真公は、
誕生が6月25日、逝去が2月25日で、
毎月25日はご縁日とされています。

京都の北野天満宮では、この今年最後の25日
終い天神が、一年を締めくくる恒例神事として
全国から参詣者が訪れます。

正月も近いこの日には荒巻鮭や注連(しめ)飾り
の露店も多く出て賑わうようです。

蕎麦(そば)

2014-12-24 UP

12月 24

ご機嫌よろしゅうございます。

いよいよ今年も残すところあと一週間と なりました。
大晦日の年越しに欠かせないものといえば、 年越し蕎麦。

この風習は江戸時代から定着したといわれています。
蕎麦のように、“細く長く”ということから
「健康長寿」「家運長命」などの縁起をかついで
また他の麺類よりも切れやすいことから
「今年一年の災厄を断ち切る」ということから
食べられるようになったという説もあります。

また年末の茶の湯の菓子としては、蕎麦饅頭が出されたり、
宗家の除夜釜では、蕎麦粉を練って茹でたものに
温かい餡をのせて頂く「蕎麦がき」が振舞われます。

お客様の到着にあわせて茹で上げられる
この蕎麦がき。蕎麦と餡の優しい甘みは絶妙です。
この蕎麦がきをいただきながら
一年を振り返り、年の瀬を迎える喜びが
じわじわと湧いてきます。
そばがき

天皇誕生日

2014-12-23 UP

12月 23日 天皇誕生日

ご機嫌よろしゅうございます。

今日は12月23日
祝日です。

奈良時代から戦前は天皇を神とし、「天長節」
という名称で、誕生日をお祝いしました。
戦後、天皇は「日本国民統合の象徴」
という新しい意味を持つようになり
国民と天皇との距離を縮めることを目的とした日として
「天皇誕生日」が設けられました。

さて、今年の祝日も今日で終わり。
来年は元日が新年最初の祝日になります。

2007年から15の祝日が日本に定まり、
これは先進国では最多なのだとか。
働き者の日本のイメージとしては
ちょっと意外な気もします。

2016年には8月11日が山の日として
更に祝日が増えることが決まっています。

今日は19年に一度の特別な日です

2014-12-22 UP

12月22日  今日は19年に一度の特別な日です

ご機嫌よろしゅうございます。

今日は冬至(とうじ)。
そして旧暦の11月1日。
この11月1日が冬至にあたることを
朔旦冬至(さくたんとうじ)と言って、
19年ごとに1度巡ってくる大変おめでたい日として
宮中などでは祝宴が行われていました。

旧暦は月の満ち欠けにより作られていて
月の始まりが新月に当たります。

一方、冬至は一年で最も日が短い日。
この日を境に日の長さは徐々に長くなっていきます。

「朔」は新月、「旦」は朝や夜明け、
つまり太陽が昇ってくるときという意味なので

このような太陽が復活するおめでたい日と
月が復活するおめでたい日が重なるのが
「朔旦冬至」というわけです。

次回の朔旦冬至は2033年です。