遠州公の愛した茶入

2014-11-8 UP

11月 8日 遠州公の愛した茶入
「伊予簾(いよすだれ)」

ご機嫌よろしゅうございます。
今日は遠州蔵帳帳所載の茶入「伊予簾」
をご紹介します。

この茶入の形が編笠に似て、もの侘びた姿を
していること、また鶉のような斑模様をしている
ことからから遠州公が詞花和歌集 恋下の

逢ふことはまばらに編める伊予簾
いよいよ我をわびさするかな              恵慶法師

の歌の意味をもって銘命されたと言われています。

遠州公の茶会記では、
寛永十四年(1637)十二月二日夜に、江月和尚
松花堂昭乗を招いてこの茶入を用いています。

この茶入に添っている仕服の一つは「伊予簾」と
呼ばれています。
このように、茶入の銘から仕服の呼称がつけられたものを
名物裂と言います。

小堀家の手を離れ、所有者を転々とした後、
現在では昭和美術館の収蔵品となっています。