遠州公の愛した茶入「玉柏」
2014-5-24 UP
5月 24日 遠州公の愛した茶入
「玉柏(たまがしわ)」
ご機嫌よろしゅうございます。
今日は遠州蔵帳所載の茶入
「玉柏(たまかしわ)」を
ご紹介します。
「玉柏」は
奈良屋弥兵衛が、摂津国の難波の浦で
見出したことから、遠州公が千載和歌集の恋歌
ちなんで命銘されました。
難波江の藻にうづもるる玉柏
あらわれてだに人をこはばや
難波江の藻に埋もれている石が水面にあらわれるように、
せめて思いをあらわして人を恋いたいなあ。
玉がしわは玉堅磐、海中の岩のことで
井伊直弼の『閑窓茶話』には「玉柏といふ茶入は、
黒きなだれの薬どまりに大なる石はぜあり、
因て遠州玉柏と名づけらる、玉柏は石の異名なり」とあります。
遠州公の茶会では
寛永十九年(1642)を最初に三回ほど使用されています