9月16日(金)能と茶の湯
2016-9-16 UP
9月16日(金)能と茶の湯
「姥捨(うばすて)」
ご機嫌よろしゅうございます。
昨晩は中秋の名月、皆さんはご覧に
なれましたでしょうか?
今日はその中秋の名月にちなんだ
老女物の演目「姥捨」をご紹介します。
ある日都の男が、中秋の名月を眺めようと、
名所である更科の姨捨山を訪れます。
夕方、眺めを楽しむ男の前に女が現れます。
男の問いかけに対し、
昔この山に捨てられた老女が
我が心慰めかねて更科や
姨捨山に照る月を見て
と詠んだことを教え、
自分もここで捨てられた者だ、
今夜は月の出と共に現れて夜遊を慰めようと
言って姿を消します。
やがて女は老女の霊として現れ、月を愛で、
仏説を語り、昔を懐かしみ舞を舞います。
夜が明けて都の男が帰ると、またただ独り
山中に残されるのでした。