5月 6日(金) 能と茶の湯「二人静」
2016-5-6 UP
5月 6日(金)能と茶の湯「二人静」
ご機嫌よろしゅうございます。
晩春から初夏にかけて十字状にのびる4枚の葉の
真ん中からのぞく2本の花穂に,
白く小さな花が山林で咲く姿を見かけます。
この花の名は「二人静」
静御前の亡霊が舞う能曲「二人静」から
2本の花穂を静御前とその亡霊の舞い姿に
たとえて名づけられました。
今日はこの「二人静」を御紹介します。
吉野山の勝手神社の神官が、
正月七日に菜摘女(なつめ)に若菜を摘みに行かせます。
その菜摘女に静御前の霊が憑き、
神官のもとへ戻ってきます。
そして菜摘女に取り憑いた霊は、自分が静御前であることを
告げ、ここの蔵に自分の舞装束が仕舞ってあると言い、
それを身につけます。
菜摘女が舞い始めると、静御前の霊が現れ、
影のように寄り添って舞います。
静御前は義経の吉野落ちの様子や、鎌倉にて
頼朝の前で舞を舞わされた出来事を物語り、
神官に弔いを頼んで消えていきます。