10月 7日(金)能と茶の湯
2016-10-7 UP
10月 7日(金)能と茶の湯
「松風(まつかぜ)」
ご機嫌よろしゅうございます。
明日8日は二十四節気の寒露です。
野草には冷たい霜が宿り、山も色づき始める頃
秋風と共に、どことなく物寂しさも感じられます。
さて秋の夕暮れを舞台にした曲に「松風(まつかぜ」
があります。
西国に向かう僧が、途中須磨の浦で在原行平の
愛した松風・村雨に縁の松をみつけます。
懇ろに弔い、藻塩小屋で一夜を明かそうと
していると、海女の姉妹が汐汲車を引いて小屋に
戻ってきます。
そして自分たちが松風と村雨であると名乗り、
行平と共に過ごした三年の思い出や、都へ戻った
行平が亡くなったことを語り、形見の烏帽子狩衣を
身につけて舞い、村雨と共に妄執の苦しみを語り
僧に回向を頼みます。
やがて夜が明けると二人の姿は消えており
松風の音だけが響いているのでした。