1月29日(金)能と茶の湯
2016-1-29 UP
1月29日(金)能と茶の湯
「翁」
ご機嫌よろしゅうございます。
新年を迎えると、「翁」とよばれる演目が
必ず各地の能舞台で演じられます。
「翁」は能の中でも神能の特殊な演目で
「能にして、能にあらず」と言われ
霊的な力を授けられた”神の使い”である翁の舞は、
国家安静、五穀豊穣を祝う神事とされています。
「とうとうたらりたらりら
たらりあがりららりとう…」
という謡にはじまり、舞の間に翁が翁面を
つけるのですが、観客の前で演者が面をつけるのは
この曲だけ、この面をつけることにより
翁は神格を得ます。
遠州公がこの「翁」にちなんで銘をつけた
茶入があります。「大正名器鑑」には
「作行の古雅なる、黄釉のなだれの物寂びたる
人をして翁の面に対する想いあらしむ」
と記されています。
瀬戸破風窯のその茶入には挽家蓋・内箱蓋・仕覆蓋
の書付を遠州公自らしており、愛蔵ぶりが伺えます。