「東海道旅日記」永餅と藤堂高虎
2020-7-31 UP
三重県のお土産として、笹井屋の「なが餅」が有名です。
天文十九年(1550年)戦国時代の頃、彦兵衛氏が日永の里に因んでつくったのが始まりと言われています。
遠州公の養父である藤堂高虎公は、生涯に何度も主君を変え戦国を生き抜き、
後に大大名となりますが、この高虎公が足軽の頃、一文無しの空腹で、日永の里を通りかかりました。
高虎公は出世払いで「なが餅」を食べさせてもらい、この長い餅が、武運が長く続く象徴として幸先よしと大変喜んだとか。
後年、高虎が津・伊賀に転封されると、笹井屋の彦兵衛を召し出して礼をし、
また参勤交代のときには必ず立ち寄って「なが餅」を賞味したと、笹井屋では紹介しています。
また同様の話に、吉田宿で無銭で餅を食べた高虎公が、主人に正直に謝ったところ、咎めるどころか出世払いでよしとして土産に餅を持たせ、見送ったという話もあります。
講談では、この高虎公の逸話を題材にした「出世の白餅」というお話があります。