東海道旅日記 上りの記 最終回
2020-11-20 UP
遠州公の「旅日記」から、東海道の道を
少しづつ進んでまいりました。
その昔、旅は一部の位の高い人のみが許されるもので、
人々の旅行は許可されていませんでした。
宿もない時代ですから、食料の調達や設営など考えれば
難しいこともあったでしょう。
平和が訪れ、次第に宿泊施設が整い、
「旅」は一般大衆も楽しめるものになっていきました。
「旅日記」に記された旅は、遠州公の私的な旅行とは異なりますが、
実際にその足で進んだ道中は、
旅のつらさも楽しみに変えている様子が日記から伝わります。
今年の始まりからステイホームの日々が続き、
これまでのように気軽な旅行もままならない状態となりました。
「旅」という非日常の時間は、日々の生活や私たちそのものに、
心の潤いと活力を与えてくれるものなのだと改めて「旅」というものについて深く考えさせられる一年となりました。
一日も早くコロナの収束を迎え、あるいはwithコロナでの新しい形のもと、
また安全で楽しい「旅」ができることを祈るばかりです。
遠州公の「旅日記」は今回ご紹介した「上りの記」の他に、
64歳の時に記した京都から江戸に向かう「下りの記」があります。
2021年新年より、「下りの記」をご紹介していく予定です。どうぞお楽しみに。