「東海道旅日記」 上りの記 〇浮嶋ヶ原
2022-4-29 UP
〇浮嶋ヶ原
いよいよ「下り旅日記」も最後に差し掛かりました。
16日、宿を出て浮嶋ヶ原を通ります。
をろかなる 身はうき嶋が はらはらと
おつるや老の 涙なるなん
浮世の定めなき身の、老いゆく自分を
浮嶋ヶ原の名にかけて歌を詠む遠州。
60を過ぎた体にひびく旅の疲れからか、
哀愁が感じられます。
ちなみにこの地は、富士市から沼津市にまたがる低湿地。
富士川の戦い(1180年)の際、平維盛の軍勢が
水鳥の羽音に驚いて逃げた所で、
現在放送中のNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で、
そのシーンがコミカルに描かれていました。