炉開き
2013-10-25 UP
皆様ご機嫌よろしゅうございます。
本日はいよいよ近づいてきた炉開きについてお送り致します。
《季節の行事:炉開き》
炉開きとは、慣習として旧暦の10月に行われ、半年の炉の使用の無事を祈念して亭主が炭点法を行う儀式です。
遠州流では、床の間には瓶子に御酒を供え、三宝に土器(かわらけ)を置き、塩と洗米、鰹節を載せて用意します。
炉には下火だけ入れ、点法の際に、下火の周りに塩を撒いて清め、山の幸の代表として米、海の幸として鰹節を順次撒いて、かしわ手を打ち、皆で炉開きを祝うのです。
この炉開きの際に、初めてその年の新茶が入った茶壺の封紙が切られ、喫せられることになります。
昔の茶人は「一生に一度口切茶事に招かれれば本望である」とさえ言い、何よりも炉開き・口切をめでたいものとしていました。
10月の名残りの侘びた雰囲気から一転し、華やかなしつらえとなります。
掛物は格調の高い墨蹟、花入れは古銅や青磁などが好まれます。
しかし特にそれは決められたものではなく、道具の取り合わせによって自由に変更しても良いとされています。
ちなみに、炉開きを行う日は、旧暦の10月の亥の日であったり、庭に植えた定めた樹の葉の色が具合によってであったりなど、定まっていません。
しかし、いずれにせよ「無事」と、「祝い」を皆で祈る儀式には変わりはなく、茶道ではたいへん重要な日とされています。