7月3日(金)遠州公所縁の地を巡って

2015-7-3 UP

7月3日(金)遠州公所縁の地を巡って
「道の記」3

ご機嫌よろしゅうございます。

遠州公が旅をした様子を書き綴った「道の記」

当時の旅の様子が詳しく読み取れ、
大変に興味深いのですが、
その中には各地の名物も多数登場します。
今日はそのうちの一つ「十団子」をご紹介します。

九月二十六日
江戸を出発して五日目。

現在の静岡のあたり、
物語にも多く登場する宇津谷峠に差し掛かった時
その麓の里で、名物の「たうだんご」に出会す。

遠州公ははじめ「唐団子」と聞き間違い、
中国から渡ってきた珍しい団子かと思っていたところ
そうではなく、
霰のような白い餅を器に十ずつすくうので
「十団子」なのだとのことでした。
それでは実際掬わせよと遠州公が言うと
お店の女房は杓子で自在に掬って見せたとあります。
その様子が遠州公の旅情を慰め、
時の経つのも忘れた様子です。

さて、遠州公の東海道旅日記には、
もう一つ「上り」があります。
こちらは、「下り」の書かれた四十三歳から二十一年後の
六十四歳の折の様子が綴られており、
二つ読み合わせると、その時の経過を感じることができます。
こちらについてはまた後日ご紹介したいと思います。